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端的に

障がい者雇用で働くと、ほぼ必ず付いて回るのが日報で1日の様子を報告する義務ですが、前職で最後のフリースペースに書いてよいことと、書いてはいけないことの区別がなかなか分からず苦労したものでした。

当事の上司は「あまり行数の多い文章は読む気はしない。書くなら箇条書きで、端的に。」と指導して下さったのですが、書きたいことが溢れてくると、どこを省き要約するか難しいものです。

そして、その日の日報がリジェクトされるたびに専門学校を卒業後、初めて就職した会社での出来事を思い出していたのです。

もう遠い昔のことになりますが、印刷会社の入力担当として採用された会社で(一般雇用)、新入社員のみ日報(項目などはないただの大学ノート)を書くことが義務付けられていました。
また後日詳しく書くことがあるとは思いますが、入社後ひと月も絶たないうちに会社の社風や女性社員たちに馴染めないと感じ、孤立感を深めていました。

仕事に関してはスーパーのチラシ広告の文字入力がメインでしたが自分に任された仕事がいつも早く終わってしまい、その後は先輩のやっているまた別の仕事をいずれはやってもらうので見ておきなさいと課長に言われたものの、ずっと黙って横で見ていてよいのか分からず、結局は見るのを止めて、どうしたらよいか分からず毎日机でうつむく日々でした。 

そして、ある日の日報に、「私の適性はここにはない。人の役に立ちたい。親には言えなかったが本当は福祉関係の職に就きたい。」といったことを綴ったのです。
当然のごとく、翌朝になると部長に呼び出され、「日報はそんなことを書くものではない。」と言われました。
その日にやったこと、学んだことの感想を書けと言われても、仕事と言えばいつもの簡単な入力しかしていないから何もないのです。

そして、その日の夕方に部長から直接日報を手渡され、「返事を書いたので、読んでおいて下さい。」と言われたものの怖くて読めず、結局はその日の日報は書けず、翌日は欠勤したのです。
(そして、欠勤が幾度も続き、退職に至ります)

一般雇用でも、障がい者雇用でも苦手とした日報。
障がい者雇用では同じように日報を書くのを苦手とする同僚たちがいたので、上司が日報の書き方のレクチャーまでしてくれたのに、その後、指導された通り書いたつもりでも、こんなこと書くものじゃないと言われ‥。

そういった経緯から今の職場では、採用の際就労支援員に間に入っていただき、話し合いののちに、感想欄はなくし、簡単な仕事内容に◯をつけるのみの日報にしてもらっています。



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