フィリピン法人設立(地獄の許認可)3
フィリピンの許認可の特徴
報告回数がやたらと多い
例えばですが、立ちあげ前から色々な事を調べていると年間の税務署の報告だけでも、40回以上あるなどです。
実際に法人設立してから色々なフォームでの申告などが発生しています。
ここもすごい回数なので、現地に精通した人にお願いする事は必須になると思います。その辺りもしっかりとした方を見つける必要があります。
官僚的で極めて複雑
例外を認める事はほぼなく、手続きも非常に複雑です。
Aを出すのには、Bが必要で、Bを取得するには、Cが必要になってくる。というような事です。とても難しいですし、理解出来ないと本当に何も進行しないのといい加減な人に当たってしまうと、本当は必要だったAが一向に進まずに大変な事になりますので、しっかりと進めていただけるコンサルタントの方などにお願いした方が良いと思います。
厳格で官僚的なフィリピンの許認可
「何でもアリの国だから、役所の許認可など、金を渡せばどうにでもなる」と考えていたとしたら、これは大きな間違いです!!絶対にどうにもならないですし、どうにかなった!と言われてそれを信じていたとしたら、後々大変な事になると思います。笑
フィリピンの許認可のシステムは、いい加減なように見えて厳格で官僚的です。
人によって、また時によって手続きが変わります。
「人によって言うことがバラバラ」というのは日本人が共通して感じる感想だと思います。税務署や役所の人間でさえ、聞くたびに言うことが変わります。場所によってやり方が違うということが頻繁に起こりまくります。コンサルタントの方でさえ、正しいのはこっちなはずだけど、今日の担当官はこっちと言って・・・みたいな事が普通に起こります。だったら何とか本来の形で進めてよと思いますが、そこも何ともならない事が多いですが、後日にすると本来の形で進んだりすることもあります。
署名(サイン)があるか、訂正した部分にも署名があるか、日付に矛盾がないか、住所が食い違っていないか、名前のスペルが正しいかどうか、本物であるかどうかといった点にやたら厳格です。
書類がそろっていることが重要で、中身をそれほど詳しく審査しない傾向があります。ただし、前述の、食い違いや誤記については非常に厳格です。
用紙がヨレヨレだろうが、印刷が不鮮明でみづらかろうが、用紙のサイズがバラバラであろうが、そういう体裁には全くと言っていいほどこだわりはないみたいです。
この辺りは本当に謎で良くわからないな。といつも思います。つまり、ありさえすれば受理され、受理しさえすればほぼ通りますが、受理されるまでがひと苦労です。
このようなことから、フィリピンでは、「書類が受理され、申請料の支払いの段階に進んだ」ということは、ほぼ「許認可が降りた」と同義となるみたいです。ですが、本当に受理されるまでの過程は大変です。
たとえば労働ビザの申請を例にしてみると、ビザの申請にはビジネス・パーミット、登記書、前年度の会計報告、納税証明書が必要で、会計報告を出すには、税務署の印が押された納税時の書類が必要です。
納税をするにはビジネス・パーミットや法人登記が必要で、ビジネス・パーミットを取得するには、賃貸契約書や登記書類が必要で、地域によっては社会保障事務所への登録も必要です。
法人登記をするには納税者番号が必要、というようにぐるぐると複雑に、すべての許認可がつながっています。
上記の様に複雑に絡みあっているので、私自身も良く訳が分からなくなり、申請などをお願いしている人に何度も同じ事を繰り返して聞いてしまいます。何でまだ、ビザの申請に進んでないんだっけ?とか、この許認可申請は終わったんだっけ?とかですね笑
許認可どうしの絡みが多いため、1つの許認可を取得せずに事業を始めてしまうと、ほかの許認可を取るときに必ず手詰まりとなります。このあたりのシステムは、洗練されてはいませんが、実によくできています。
結局、時間がかかっても、必要な許認可を1つ1つ、辛抱強く取っていかなければならない仕組みになっていて中々前に進まない状況になります。
必要な許認可を取得しないで事業をすることに対しては、役所から実力行使が行われるらしいです。
お聞きした話しでは、税務署登録をしていなければ税務署が、建築確認申請を取得していなければ市役所が、ビザを取得していなければイミグレーションが、実際に事業をしている場所にやって来て、事業所の閉鎖(鎖と南京錠で扉をロックする)や、工事の中止、代表者の身柄拘束など行います。
日本では、こういった役所が実力行使をすることはめったにありませんが、フィリピンでは普通に行われます。
役所を怒らせると、大変なことになるらしいので、この辺りは私もとても気を付けて慎重に確認に確認を重ねて進めています。
フィリピンで事業を行う際は、いろいろなフィリピン人が言うであろう、「ダイジョウブ、ダイジョウブ、市役所に知り合いがいるからダイジョウブ」という言葉を鵜呑みにせず、一つ一つの許認可を神経質なくらいに、まじめに取得する以外の方法はないと感じています。
不親切で理解出来ず、ルールが曖昧
まずビックリするのは、「説明がない」です。仮に
あったとしてもとても不親切で我々日本人からするといずれも「説明がされた」とは感じません笑
また、前々回くらいの記事でも記載したかと思いますが、フィリピンは縦割りの組織という文化なので、全体を理解している人がいません。他の役所の手続きなどにはまるで無関心なので、他の役所の事にはとにかく無関心で非常の不親切です。
規則があっても細則が存在しない事もしばしばあります。これはこれで、自由なように感じるのですが、現場の判断によって毎回変わる事になり、非常にこちら側は毎回毎回苦労を強いられます。
手続きを熟知しているフィリピン人はほとんどいない
ビジネスをするのにどんな手続きが必要かを熟知しているフィリピン人はほとんどいないと思います。
弁護士、会計士であっても、許認可全体の仕組みを、俯瞰的、体系的に理解している人はほとんどいません。
自分の持ち場以外は、全くといって知識がないため、自分の仕事が終わり、支払いが終ると、「ここから先は私の業務範囲ではない。」と、放り出してしまいます。
こちらから、この件について●●で合ってますよね?と聞いても、ん~・・・ちょっと聞いてみます。と言って全く返信が無かったりします。
・会計士は税金の支払いについては知っているが、内装工事に必要な許認可については知りません。
フィリピンにおける事業のことを、フィリピン人にきくのは、あまりお勧めしません。こういったことは、日本人コンサルタントに聞いた方が、遥かに正確だと思います。
日本人は、全てのことをあらかじめ調べ、分からない事があれば分かるまで解明する国民性であるため、日本人コンサルタントの方が、フィリピン人弁護士・会計士よりも数倍の知識・経験があると感じます。ですので、しっかりとした日本人の方にお伺いした方が的確な回答が返ってくると感じます。
まだまだ、許認可に関してはひと悶着も二悶着もありそうな感じですが、とにかく事業を進めていく上で必要な事は時間が掛かっても丁寧に確認をして進めていく事が大切だと思いますので、これを進めていきます。
中々、日本では経験できない経験も多くありますが、この国で事業を行う以上必要な事はしっかりとやっていく必要があります。
海外での仕事はビックリする事ばかりですが、それが知識になり、将来の役に立つはずと信じて地道にやっていくしかないです。
進めていく上では必ず専門家にお願いしなければ行けない事もたくさんあります。
今後更に詳しい許認可の種類などの細かい事を書いていきたいと思います。
専門家にお願いして進める事は勿論の事ですが、進めていく側の人間としてもきちんと理解して進める方が絶対に良いと思います。膨大な量の記事になりますので、少しずつ進みながら記載していきます!!
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