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月見 まる
2020年7月30日 05:36
ドムは闇の中で出会った少女とたわいない話をしながら、ようやくあの楽しいお茶会をした小屋の前までたどり着りつく事ができた。※ ※ ※ドムは小屋に近づき、小さな窓から小屋の中を覗き込んだ。「ねぇねぇ」パジャマ姿の少女・あーちゃんが小屋の前に置いてあるテーブルに気が付きドムの手を引っ張った。「誰かお客さん来てたのかな」ドムはあーちゃんの声に振り向き心臓が跳ね上がった。血の気がサ
2020年7月28日 06:36
王達の墓で出会ったパジャマ姿の少女「あーちゃん」。彼女はお話を聞かせてくれるおばあちゃんから「鍵」をもらったと言う。 その鍵がどこの鍵かは分からない。暗闇の中、ドムと少女は「お茶会」をしたあの小さな小屋へ向かって進むことにした。※ ※ ※暗闇の中を2つの足音が進んでいく。背の低い草を、カサカサかき分ける音だけが続く空間に、ドムの不安は大きくなっていった。誰かに見られている気がして周りを
2020年7月23日 06:10
ドムは薄ぐらい王達の墓の前で「あーちゃん」という少女と出会った。少女もこの場所を知らないという。少女は鍵を持っていた。お話を聞かせてくれる「おばあちゃん」からもらったと言うその鍵は、きっと暗闇にたたずむ小屋の鍵だろうとそこへと近づいて行った。※ ※ ※ドムはパジャマ姿の少女と手を繋ぎ暗闇を進んで行った。時折風が吹き、はるか上空の枝木が揺れ木漏れ日が落ちてくる。しかし、それはすぐに地面に吸
2020年7月21日 06:30
ドムは夢で見た墓のお茶会がどうも気になり、再び王達の墓へとつづく洞窟を通って墓の中へとやって来た。そこは夢の中で見た場所とは大違い。優しい笑顔の老婆を探して歩き出したその時、声をかける者がいた。それはあの老婆ではなく幼い少女だった。※ ※ ※ドムは薄暗いその場所に腰を下ろし、少女に目線を合わせた。ついこないだ就学した弟達と同じぐらい…年は7、8才頃に見えた。頭から被るスカート型のパジャ
2020年7月16日 06:08
墓守のドムは導かれた声によって王達の墓へとつづく洞窟の中へと足を踏み入れた。そこは、かつて通った事のある場所。ドムは光る星の子達を頼りにズンズンと洞窟の奥へと足を進めた。※ ※ ※ドムはいつの間にか光の中に立っていた。しかしそこは、夢の中で見た場所より随分と静かで薄暗いと感じてしまった。大きな墓守の木。その枝々の間からこぼれ落ちる陽だまりはなく、鬱蒼とした葉がまるでこの場所を隠してい
2020年7月14日 06:39
コントラのドミノとシイナは、夢の内側に迷い込んだ「迷人」から夢のカケラを採取し始めた。それは王達の墓で眠る「眠人」の為であった。※ ※ ※ドミノ達が迷人(まよいびと)の夢に介入を始めた頃、新人墓守のドムは墓の入り口前にいた。昨夜見た夢……墓でのお茶会がどうしても忘れられず気になっていたのだ。「あのおばあちゃん、この向こうにいるのかな……」ドムは真っ暗な洞窟を覗き込んで風の様子を伺っ
2020年7月9日 06:49
向人のブースでドミノとシイナは明の弟・光(ひかる)に出会った。彼はファミリーの中で「夢主の夢核を採取して夢を解体する」ファミリー・key(キー)に属していた。※ ※ ※明(あかり)は改めてドミノとシイナにファミリーの光(ひかる)を紹介した。「弟の光です」「よろしくお願いします」光は明と同様前髪が短く、左耳には明と同じ形のピアスを一つしていた。「お、おそろいですか?」シイ
2020年7月7日 06:32
向人のブースでドミノトシイナは、楽しそうにお喋りをするファミリーの青年と向人・愛に向かって険しい顔付きで近づく護衛・明に肝を冷やした。それは、男女の修羅馬にも似た時間が始まるのかと思ったからだ。※ ※ ※ドミノとシイナは慌てて明(あかり)に向かって駆け出した。彼女の行動や考えは謎が多すぎる。まだ出会って数時間しかたっていないが、何故か彼女の事から目が離せないでいた。ここで始まろうとす
2020年7月4日 06:35
向人(むこうびと)のブースでドミノ達は初代向人の扉を目にした。その古く錆びつき開く事のない扉は、ドミノの持つ鈴に反応しチリンと鳴らせばチリンとなり返す不思議な扉だった。その側で、向人の扉を通り夢を解体しに出ていたファミリー達が戻ってきた。※ ※ ※ファミリーの中に1人年老いた姿の天火(てんび)はとても目立っていた。しかし、その立ち振る舞いに無駄はなく、共に行動していた仲間達を気遣う余裕さえ
2020年7月2日 06:09
ドミノとシイナは向人のブースで、壁に並んだ様々な扉に驚いていた。その扉のどれかからノックの音が3回鳴り響く。しかし、どの戸から聞こえるのか分からなかった。※ ※ ※壁に不自然なほど並んだ扉は、全部で8つほどあった。ドミノはおらく、シゲルの言った2つの扉を持つ向人の「7人」の扉だと思った。しかし、それだと1つ余る。1番端にある扉はよくよく見るととても古く年季が入っている様にも見えた。「