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133話 ドムと墓へ導く者

コントラのドミノとシイナは、夢の内側に迷い込んだ「迷人」から夢のカケラを採取し始めた。それは王達の墓で眠る「眠人」の為であった。

※ ※ ※

ドミノ達が迷人(まよいびと)の夢に介入を始めた頃、新人墓守のドムは墓の入り口前にいた。昨夜見た夢……墓でのお茶会がどうしても忘れられず気になっていたのだ。

「あのおばあちゃん、この向こうにいるのかな……」

ドムは真っ暗な洞窟を覗き込んで風の様子を伺った。耳をすます。いつもなら近づくだけで機嫌を損ね荒れ狂う風だったが、今は微風さえ吹いてない。

「これなら入れそう」

ドムは墓の入り口に顔を突っ込み声を出した。

「もしもーし」

___もしもーし……もしもーし……

「誰かいますかー?」

___誰かいますかー……誰かいますかー……

ドムの声は木霊を繰り返し、返ってくる。

「この先に本当にあんな場所があるのかな」

ドムの肩に乗っているミィとチィも暗闇を見つめ眉間に深い皺を刻んでいる。

「おーい」

___はーい……

「え?」

ドムは帰ってくる言葉が違う事に驚き洞窟から一歩遠のいた。

「今、返事が……」

ドムは恐る恐る暗闇へ近づいた。

___誰か……誰か……

今度はドムが話さなくても声が帰ってくる。

「行こう」

ドムはこの声の主が誰か分かっていた。ミィとチィはドムの決断に大いに騒いで反対したがドムの決意は固かった。

「え? こんなに暗いと道が分からないって?」

ドムはクスリと笑って大丈夫だよ、とつぶやいた。ドムは知っていたのだ。
星の子であるミィとチィが暗闇で輝く事を。

ドムは一つ息を吐くと、その声に導かれ墓へとつづく暗闇へと足を踏み入れた。

つづく

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