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【読書】日本純文学オジサンリベンジ

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若かりし頃に読んでよく分からなかった純文学作品を再度リベンジすることによって、コンプレックスを超克しようとする、オジサンの奮闘記です。 要約するとオジサンが気ままに読書をしてつら…
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#推薦図書

【読書】日本純文学リベンジ18 森鴎外『山椒大夫』

【読書】日本純文学リベンジ18 森鴎外『山椒大夫』

山椒の味と演劇

山椒の美味しさ気づいたのは、美味しい鰻を食べるようになってからです。つまり大人になって、しかもお金が自由に使えるようになってからでした。

山椒と山椒大夫が関係あるのかは知りません。
しかし僕にとっては山椒は大人の食べ物で、苦いはずなのに大人が美味しいというビールと同じようなものでした。

「安寿と厨子王」は子供の頃に演劇をやった記憶があります。詳細は覚えていないけど、素敵な名前

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【読書】日本純文学リベンジその17夏目漱石『門』

【読書】日本純文学リベンジその17夏目漱石『門』

『門』は20代では難しい

『門』を初めて読んだ理由は、『それから』にどっぷり浸かったために『それから』の「それから」を知りたくなったからでした。

燃え上がった街へ代助が飛び込んでいく様を『それから』でみて、三部作として続きが読みたくなったわけです。

20代で読んだ時に感じたイメージだけは仄かに残っていますが、『三四郎』のエネルギッシュな若さや『それから』の知性的な趣きとは異なり、くたびれた物

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