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「真実」と「現実」

勝負曲。聴くと必ずパワーが沸き上がるけど、CDを持ってないしダウンロードもできないので、やむを得ずYou Tubeで定期的に動画を見ている一曲をご紹介します。

「ミッドナイト・シャッフル」 1996年発売 
作詞 沢ちひろ 作曲 ジョー・リノイエ 歌 近藤真彦

世間をお騒がせしているあの方の歌ですね。ドラマ「銀狼怪奇ファイル」のオープニングテーマ。奇抜なストーリーだったと記憶していますが、やはり曲のインパクトが優ったように思えます。

まずイントロのギター。デレク・アンド・ザ・ドミノス「レイラ」、JUDY AND MARY「そばかす」と並んで、私の中で「一気にテンションの上がるイントロギター」ベスト3です。これらに通底するのは口笛で真似たくなるカッコよさとシンプルなのに頭に残るメロディの妙。次点を選ぶならポルノグラフィティ「ハネウマライダー」かな。

次に歌詞。学生時代の私の心に刺さったのは「天使のような悪魔の笑顔 この街にあふれているよ」という有名なフレーズ。でもいまの私には「イカサマのスリルに溺れて 強烈なナイフにぶつかる」の方が響きます。小説ってフィクションだし、ある意味知的で合法なイカサマみたいなものですよね。その世界で生きていこうと覚悟を決めた。それこそが自分の生まれた意味、追い求める「真実」だと。しかし上手くいかずに年齢を重ね、「現実」というシビアなナイフにぶつかる。「真実」と「現実」の理不尽なギャップ。

でも最近少しずつですが、そのギャップが埋まってきた感覚があります。いや、ふたつが分かち難く重なってきたのかな。シビアな現実を地道に動かしていく真実の力。それは己を信じる行動の内にのみ在する。そして気づきました。題が「ミッドナイト・シャッフル」である理由に。静かな真夜中に己の現実及び真実(あるいは天使及び悪魔)と向き合い、どちらかを選ぶのではなく、融合させてアウフヘーベンしていく。その決意が曲のテーマなのです。私なら書店員か小説家、プロかアマチュアかの二択ではなく、双方をグチャグチャに混ぜ込んだ新たな形を表現する、ということ。

イントロ、歌詞、そして題。全てが何かと戦っている人の嗜好に”マッチ”する名曲だと思います。ぜひ聴いてみてください。





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