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ぼくらは何のために働くのか

「年末年始の休暇分散」という話が出ています。

この既視感。昨年GWの十連休を思い出しました。いや、今年の春の緊急事態宣言下でも十分か。全国各地のスーパーで働く人たちの悲鳴は届かなかったんですね。

人びとの生活を守る業種は休めないんですよ。

「人が賑わって稼げるんだからいいでしょ」みたいな言い方をする人もいますが、全く理解できない。経営者や自営業ならそうかもしれませんが、たいていの従業員は忙しくても暇でも給料は同じです。臨時ボーナスなどもらえません。正月に出勤したところでお年玉程度の手当てが出るぐらい(それすらないケースもあります)。だから本音はみんな休みたい。でもみんなが休んだら店が回らないわけです。

以前勤めていた書店の店長がよくこんなことを言っていました。「お客さんは自分が休んでいるときに他人が働くことを当たり前だと思っている」
休日に旅行や買い物を楽しむのはいいこと。でもそれをできるのは、みんなが休んでいるときでも鉄道会社やコンビニや商業施設などで働く人がいてくれるからです。彼らはAIじゃないんですよ。最近読んだ本にも書いてありましたが、いまのコンビニの仕事はAIには代替不可能なほど多岐に渡ります。彼らは容易に代えの効かないスペシャリストなんです。見下す人には「じゃあおまえやってみろ」と言いたい。

連休を分散とか寝言を言う前に、そんなものとは無縁な職種の人たちへの敬意と配慮が第一ではないでしょうか。昔は年末から年明け三日まで休むのが当たり前でした。そもそも我々は何のために働くのか。国のためでも社会のためでも、ましてや経営者や株主やお客さんのためでもありません。我々は自分と自分の周りの人が幸せになるために働くのです。


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