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「喪黒福造」と「才能の証」

影響を受けた偉大な作家です。ありがとうございました。

「プロゴルファー猿」や「忍者ハットリくん」も名作でしたが、いちばん印象に残っているのは↓です。

今作の訴えるテーマは「うまい話には裏がある」ということでしょう。地道なプロセスを経ず、短絡的な形で甘い汁を吸うと必ずしっぺ返しが待っている。あと↑のエピソードが典型ですが、真面目に生きていても脇が甘いと陥れられることもある。どちらも喪黒福造の甘い囁きを鵜呑みにしてしまったがゆえの悲劇です。

私は雀鬼・桜井章一さんの著書で学んだ「誰に対しても半信半疑」を実践しています(相手によって多少比率を変えますが)。「親しい人のことも半分疑うなんて!」という方もいらっしゃるはず。でも人間関係はこれぐらいでちょうどいいのです。なぜなら誰かのことを全面的に信じる行為は、ある意味で身勝手な理想の押し付けに近いから。

「裏切られた」と感じるのは、本当に相手に欺かれたのか、それとも自分が一方的に過度な期待を抱いていただけなのか。「笑ゥせぇるすまん」の登場人物は大半がロクな目に遭いません。でもその原因の多くは分不相応な快楽に溺れたことの反動。彼らが「喪黒さん、信じていたのに」と嘆いても我々からしたら「はあ?」です。なぜ信じられたの?と。

ただ、厄介なのは喪黒のおかげで救われ、不遇な人生を一変させたケースも皆無ではないこと。ショートカットでいきなり大成功を収めた人が実在するように。「だったら自分も」と期待してしまうのが人の性。だからこそ「半信半疑」がオススメなのです。他人だけではなく、己の運や才能も100%は信じない。

必ずしも悪いことではありません。運や才能に頼らない。だからこそ努力を重ねる。少しでも使命の遂行へ近づけるように。でもそうやって見返りを期待せず、コツコツと続けられることこそが才能の証だと思いませんか?

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