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本が好き 本屋が好き

初っ端の投稿で読んだ本の感想を載せているが,本をよく読む方ではない.
でも本屋はよく行くし,すぐ手に取ってしまうところがある.

本に対して執着するようになった理由は,父の影響が大きい.
私の父はいわゆる本の虫で,実家には本が多く,古典,純文学,推理小説,専門書などなど幅広い本があった.そんな父だから,買い物の待ち合わせ場所は決まって本屋だった.
そんな風に本に囲まれていることが,私にとって自然だった.

ただ本すごく本を読むようにはならなかった.
子供向けから大人向けへの移行が上手くできなかったのである.

私は小学校の間,青い鳥文庫の夢水清志郎シリーズやパスワードシリーズなどのいわゆる児童書を読んでいた.ただ,それらのシリーズも制覇して他に読みたいとなるが,どれを選択していいかよく分からない.
家に本はたくさんあるが,少しハードルが高い.当時流行っていたハリー・ポッターは分厚すぎて読む気にならない.名探偵コナンに憧れてホームズに挑むが,図書室のものは好みの文体ではない.父が勧めてくれた「二十四の瞳」は好きになれなかった.(後に買い直した.いい話だった.)
お得意の「やらない」を挙げ続けた結果,私は本を読むのを諦めた.

でも相変わらず本屋には通い続けたし,本という存在は好きだった.様々な人の知恵や知識が形としてあると思うだけで少し感動があったし,手にとってもらおうという思いが溢れた装丁や帯を眺めるのがたまらなく好きだったのである.
そのため,どんどん買ってしまうのは一種の収集癖でもある.
しかし,それ以上に当時の自身の興味や心情を残しておけるということが,私が遠慮なく本を買ってしまう一番の理由かもしれない.

自分の記録をとるのは過去の自身に対する興味でしかないのだけれど,日記という形態で幾度となく挑戦したことがある.しかし,当時の赤裸々な心情やノリ(私が学生のときは絵文字を多様するのが流行りだった)と後に向き合うのが非常に恥ずかしく,最終的に消したり捨てたりという選択肢をとってしまっていた.でも本であれば,細かいところは分からなくても,欠けている私の思い出を上手いこと埋めてくれるのだ.

例えば,心理学や脳科学に関する本であれば,当時は人間の思考に興味があったんだなと思うし,旅エッセイであれば学校や会社を辞めて旅に出ることで自由になりたかったんだなという具合に分かる.また実らない恋愛小説が2,3冊あれば,失恋した時期で助けを求めたかったんだなということも分かってしまう.

このように,本は私の記録であり,道標なのだ.
だから私は本が好きだし,本が集まった本屋が好きである.

こんなことを書きつつ,本棚をひっくり返してみた.タイトルやジャンルを見ていると,脳科学や社会学,ロングセラー小説などがあり,父には負けるが中々幅があるんではないだろうか.ただ仕分けをしてみると,所持している半分以上の本が未読や中途半端な状態であることが分かった.
食べ物みたいに消費期限がないことが本の良いところではある.しかし,これはあまりにも酷すぎるのではないだろうか,自分.折角家にいるのだから,この自粛中に少しで読まなければ.

まずはショーペンハウアー「読書について」から読書のいろはを学ぶかな.

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