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100分de名著を語ろう:レジュメ一覧

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clubhouse内で展開しているクラブの「100分de名著を語ろう」についての記事をまとめてあります。
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【100分de名著を語ろう】レジュメ『精神現象学』①

こんにちは。 今月(2023年5月)度のEテレ「100分de名著」は、斎藤幸平さんによるナビゲートで、ヘーゲルの難著『精神現象学』に挑みます。朗読は八嶋智人さん。哲学科のご出身だそうです。今回は5月4日(木)のclubhouseルームのための「レジュメ」です。 目次【はじめに】社会の分断を乗り越える思想 第1回 奴隷の絶望の先に 「弁証法」と「承認」 第2回 論破がもたらすもの 「疎外」と「教養」 第3回 理性は薔薇で踊り出す 「啓蒙」と「信仰」 第4回 それでも共に生き

【100分de名著を語ろう】「100分deフェミニズム」の再放送をうけて

こんにちは。 新年2日(月)に放送されて反響を呼んだ、Eテレ「100分deフェミニズム」の再放送が決まりました。 2月5日0:00~1:40(土曜の深夜です!!)だそうです。微妙な時間帯だけに、ご覧になる予定の方はお間違えのないように。 で、この放送を受けて、clubhouseのルーム「100分de名著を語ろう」でも扱うことにいたしました。日時は、2月9日(木)21時からの定例ルームの枠内です。 2月度については、既に『いのちの初夜』の放送が決まっており(2月6・13

【100分de名著を語ろう】折口信夫『古代研究』③

こんにちは。 折口信夫の『古代研究』の回も、3回めとなりました。もう一度、今月度の内容(項目)を振り返っておきましょう。 以下、小見出し毎に見ていくこととします。 ①ほかひびとが生んだ「祝福の芸能」あらゆる芸事→神との関係から始まり、発展してきたとの仮説を提唱。 「いや、帰っていただかないといけません。そうしないと、日常生活にはもどれませんから」 「庇護者を失った芸能者は(略)放浪の旅をしました。彼らは、芸能者であると同時に、下級の宗教者でもありました」 ほかひ←

【100分de名著を語ろう】折口信夫『古代研究』②

こんにちは。 本日(10月13日)のclubhouseのルーム「100分de名著を語ろう」では、今月度の放送内容である折口信夫の『古代研究』からの第2回分「国文学の発生」について取り上げます。ここでは、国文学の「成立」ではなくて、「発生」という語を用いていることにも注目していきたいと思います。 これは、折口において、「古代」が「時代区分」の用語として用いられていたのではなく、あるものが「生まれてくる瞬間」のことを指している(p.6)ことと照応していると思われます。そこでは

【100分de名著を語ろう】折口信夫『古代研究』~①

こんにちは。 10月になりました。今月の「100分de名著」は、民俗学者・文学者の折口信夫の『古代研究』(1929~30)が扱われます。解説とテキストのご担当は、国文学者の上野誠さんです。 先月の『アイヌ神謡集』に続いて、と思われるのですが、日本の文化の古層・深層を探り、現代を「相対化」する狙いがあるかなと思っています。全4回、どうぞおつき合いください。 目次はじめに 「実感の古代学」で日本文化のルーツを探る 第1回 「他界」と「まれびと」 第2回 国文学の発生

【100分de名著を語ろう】『アイヌ神謡集』④

こんにちは。 今回のnoteは、今夜(9月29日)開催されるclubhouseのルーム「100分de名著を語ろう #78」のレジュメとして作成しています。ご覧くださいますと幸いです。 今月は、史上初めて日本語の文字に翻訳されたアイヌの口承文学である、知里幸恵編著の『アイヌ神謡集』を扱ってきました。第4回放送分(9月26日放送)のサブタイトルは、「知里幸恵の想い」でした。以下、放送テキストの小見出しに連番を振って、内容を見てまいります。 ①名文で知られる「序」・その昔この

【100分de名著を語ろう】『アイヌ神謡集』③

こんにちは。 放送中のEテレ「100分de名著」、今月は知里幸恵著の『アイヌ神謡集』の第3回は、本著の巻頭に掲げられている「銀の滴降る降るまわりに」について取り上げられます。シマフクロウのカムイが、貧しいアイヌの子に射られたあと、何が起きたのかについて謡われています。 ①最も長く、有名な物語②シマフクロウの「手」・ここで言う「手」というのは魂の手です(略)カムイの魂は人間と同じ形をしています。 ・アイヌの考えでは魂は不滅であり(略)肉体というのはカムイの着物であり(略)

【100分de名著を語ろう】『アイヌ神謡集』①②

こんにちは。 今月のタイトルは、知里幸恵著の『アイヌ神謡集』で、解説を『ゴールデン・カムイ』でアイヌ語監修を務めた中川裕さんが担当されています。今回は、第1回(9月5日本放送)と第2回(9月12日本放送)の2回分のテキストの小見出しを紹介するのを中心にお届けします。 はじめに:魅力あふれるアイヌの物語世界・1923年、アイヌの手によって書かれた初めてのアイヌ語の本。 ・知里幸恵(1903~1922年)著。刊行前年に、19歳で没。 ・13篇の神謡を収める。 第1回:ア

【100分de名著を語ろう】8~9月度の予定

こんにちは。 clubhouseにて、毎週木曜21時から開催しているルーム「100分de名著を語ろう」に関して、8~9月度の予定を策定いたしましたのでご案内申し上げます。お運びくださいますようご検討ください。 ・8月18日 for ティーンズ③:バルファキス『父が娘に語る経済の話。』 ・8月25日 for ティーンズ④:竹取物語 ・9月1日 100分de水木しげる(8月27日オンエア分) ・9月8日 秋満プロデューサー最新刊『「名著」の読み方』について ・9月15日 

【100分de名著を語ろう】for ティーンズ~②WHAT IS LIFE? 生命とは何か

こんにちは。 今月の「100分de名著」は「for ティーンズ」として、以下の4点の著作について放送されています。 今回のnoteでは、8月8日放送分の『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』を扱います。         *       *       * ポール・ナース『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』 生物学の本質を平明に(解説:竹内薫)①詩的で人間味あふれる科学読み物・細胞がどのように成長し繁殖するかを遺伝子レベルで解明する研究(略)その仕組みは人

【100分de名著を語ろう】for ティーンズ① 人は何で生きるか(トルストイ)

こんにちは。 今月の「100分de名著」は、「for ティーンズ」として、4冊の著作が取り上げられます。著作と解説者は、以下の通りです。 第1回放送分については、8月4日(木)21時からのclubhouseでの定例ルーム「100分de名著を語ろう」で取り扱います。どうぞお運びください。 インタビュー 「運命の一冊」に出会う旅を(加藤シゲアキ)①(見出しなし) ・「人にやさしくなれる」ということも、読書の――とりわけ物語を読むことの――効用の一つでしょう。 ②本は頼も

【100分de名著を語ろう】『太平記』~④太平の世は訪れるのか

こんにちは。 4回の放送の最終回を迎えた100分de名著『太平記』。明日7月28日(木)には、定例の「100分de名著を語ろう」ルームをclubhouse内にて開きます(21時から)。このテキストについては、第1回と2回、第3回と4回の放送を、それぞれまとめて扱わざるを得ませんでした。改めてお詫び申し上げます。では、以下に「小見出し」単位での引用やまとめを記載してまいります。 ①公武の争いから「武」の内紛へ・前回まで→後醍醐天皇死去、尊氏と直義とが将軍職を専有する「二頭体制

【100分de名著を語ろう】#68~『太平記』③異界が映す時代のエネルギー

こんにちは。 今回のnoteでは、7月18日(木)21時から予定しているclubhouse「100分de名著を語ろう」ルームで用いるためのレジュメをお届けします。今回取り扱うのは、第3週の放送内容です。◯で囲っている数字は、放送テキストにある小見出しに便宜的に割り振った連番、太文字としている部分は、テキストからの「引用」です。 ①「公」に殺された「武」の知将・後醍醐天皇と足利尊氏の対立が、天皇の崩御で決着を見る(~巻21)。 ・尊氏が九州から攻め上ってくるが、新田義貞軍は

【100分de名著を語ろう】#67~『太平記』②時代を読みきれないリーダーたち

こんにちは。 今回のnoteは、7月14日(木)21時からのclubhouse「100分de名著を語ろう」でのレジュメとして書いたものです。既に、第1回放送分を公開しておりますので、以下のURLもご参照くださいますよう、お願いいたします。 今回7月14日(木)に語らうのは、第1回放送分と第2回放送分とになります。 ①後醍醐天皇の失政・後醍醐天皇による「建武の新政」の失敗から、京を逃れて吉野に南朝を開くまで(巻12~18)。共に幕府を倒した後醍醐天皇と足利高氏が対立(42)