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【本とわたし】 3月の読書記録。


本読んでいると心が落ち着く。

◆水中の哲学者たち 永井玲衣

「だが、そうだとしてもわかりあおうとしあいたい、とわたしは願う。完全に通じ合わなくてもいい。わかりあうことはゴールではない。わかりあうのではない。わかりあおうとしあうこと。互いに空を飛ぶことを夢見ること、それだけでいい。」(P31)
3月に開催した読書会『水中の哲学者たち』を持ち寄ってシェアしあった。再読。哲学内容だとやはり、時間内のトークだけでは物足りなかった。「もっと話したかった!」「もっと聞きたかった!」というのが本音。何度も再読しているけど、人と深く関わること、対話、傾聴、哲学って身近なところにあると気付かせてくれる。堅苦しくない、読みやすくて、永井さんの視点を通して見つめる哲学がおもしろい!


◆そもそも交換日記 桜林直子・土門蘭

「言葉は確実に「関係」を築きます。だからもしも自分の欲しい「関係」があるのなら、まずはその関係の一部となる言葉を自分で発することが大切。私も今日もそう信じて、好きな人には好きと言い、良いものは良いと褒め続けようと思います。」(P242)

なおちゃん・蘭ちゃんの交換日記。小学生時代わたしも交換日記していたから懐かしい気持ちになった。こころの内側を丁寧に書き記し、やりとりしているお二人。すごく好き・素敵。心の内側を出せる人の存在って「宝物」みたいな出会いだね。お二人見てるとそんな気持ちになる。そういう出会い、私も大事にしたい。


◆読み終わらない本 若松英輔

『物語を読むということは、あらすじを追うことじゃない。それならほかの人でもできる。ほんとうの意味で、君が「読む」ということは、君が自分で見たもの、感じたことを受け止める、ということだ。』(P19)

読み終わらない本、私にとってこの本もきっと読み終わらない本です。付箋の数が過去最高なくらい、すごい数になった。そこに綴られている言葉も文章もすごく惹かれてしまう。手が痛くなるだろうけど、すべてを日記にメモしたい。しばらくは本棚ではなく、私の手の届くところに置いておこう。

◆世の人 マリヲ

『土井さんの言っている「自分にしかできないことがある」という言葉を信じるには、僕は僕をやるということを信じないといけないし、いろんな人が入った状態の自分から他者を引き剥がして、その隙間から自分を引っ張り出してきて信じないといけないと思った。』(P36)

この本はすごかった。ひとりひとりの人生に物語があると分かっているけど、こういうエッセイ読むと、本当にいろんな人生を歩んでいる人がいて。それがこうして本になって読めるという奇跡に出会えていることに感謝。
とくに世の人の話は、子供時代に記憶に残る姉妹がいて、彼女たちは今生きているのだろうか、と当時あった出来事とか一緒に見上げた空とか、いろんなことを考えて胸が苦しくなった。

◆一人称単数 村上春樹

『僕に言えるのは、それは魂の深いところにある核心にまで届く音楽だったということだ。それを聴く前と聴いたあとでは、自分の身体の仕組みが少しばかり違って感じられるような音楽ーーーそういう音楽が世界には確かに存在するのだ。』(P72)

これは、面白かった!ぜひ読んでみて〜と村上春樹さんはじめてという方におすすめしたくなる。フィクション?ノンフィクション?不思議な物語。それがまた面白くて惹き込まれてゆく。


4月もはじまり。さぁ今月も本を読もう!
言葉に触れよう。心に感じよう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


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