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草子集

30
オリジナル作品。
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#短編小説

【短編小説】たった一つのお願い

「さあ、お主の願いを一つだけかなえてあげよう。」 目の前の「神」が言い出した。 「一つだ…

一作
2年前
8

【ショートショート】まるで中身のない物語

「こらッ!」 船べりに浮かぶ真っ赤な太陽の光がファンデーションを突き抜けて、私の頬に射し…

一作
2年前
20

【短編小説】ザ・ラブ・カウンター

愛情を数値で示す機械「ラブ・カウンター」が、世界的企業フェイゾーから発売されたのは、つい…

一作
2年前
18

【短編小説】失ったもの、手に入れたもの。

星のきれいな夜でした。本来、日本海側の冬はこれでもかというほど天気が悪いものです。毎年大…

一作
2年前
23

【短編小説】殴り合い

エヌ氏の苦悩は深刻だった。 彼の最大の悩みは「心から楽しめない」ことにあった。 彼は愛想…

一作
2年前
17

ショートショート「雨」

雨が降っていた。私はバス停にいた。 バスが来たようだ。 激しい雨で、足がびしょ濡れだった…

一作
2年前
28

ショートショート「腕」

「ん?」 その日は帰宅途中に、見たことのない変なものを見つけてしまった。 「腕」だ!まさしく腕である。そいつらはウナギみたいに黒くて長い腕だった。そして、必ずどこかの人間の背中から生えており、同じようにどこかの誰かから生えている腕とたがいに手を取り合っているようだ。すぐ隣の人間どうしで手を取り合っている「腕」もあるにはあったが、いったいどこまで伸びているのかてんで想像もつかないくらい遠くへ伸びているものがほとんどだった。何万本も伸ばしている奴もあれば、一本しか伸ばしていな

どの教室にも置いてあった孤独のお話

「どうせ誰も俺のことなんか興味ねえよ。」 彼は、いつもそう言ってコーラ飴を鞄の中に入れた…

一作
3年前
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