どの教室にも置いてあった孤独のお話
「どうせ誰も俺のことなんか興味ねえよ。」
彼は、いつもそう言ってコーラ飴を鞄の中に入れた。
放課後のアスファルトは昼間の陽光を吸い取ったためか、微妙な温かさをもって僕らの足を支えていた。これは夢だろうか?とにかく、ここは私の故郷だ。桜の綺麗なことで有名な道を二人で歩いていく。傍にいるこいつは、よく一緒に悪さをしたHという青年である。
なつかしいな、という感情は湧いてこなかった。むしろ、彼が隣にいるのは当たり前だという気がしていた。
頭が痒くなった。
うなじの辺りの、