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読書習慣#24 失敗を分析しよう「失敗の科学」



失敗は糧になる。「誰のせいではない、なぜ起こるかが重要」

航空や医療など、失敗が命取りになる業界のさまざまな事例をもとに、「なぜ失敗が起こるのか」「なぜ失敗が繰り返されるのか」について解説する。
なぜ失敗が繰り返されるのか?どうすれば失敗を減らせるのか?
本書では、失敗の事例を紹介するだけでなく、失敗が起こるプロセスを分解し、そこに介在する人間心理や組織論などを考慮しながら、失敗から学ぶための仕組みづくりを具体的に解説する。

単なる事例紹介にとどまらず、人の失敗の受け止め方に潜む傾向(誰かのせいにしたい、自分の失敗を認めたくないなど)や関連する研究成果も豊富に紹介される。
ガリレオのように、中世の時代、宗教などの理念に沿わない発見や主張は、たとえそれが科学的であっても弾圧され、人類の発展を妨げてきたという事実もあり、現在の自然科学分野ではこのようなことはなくなったが、会社や学問の分野でも、習慣を重んじ事実をいまでも軽視していたり。

失敗から多くのことを学べるのに、なかなか学べない。それは「認知的不協和」により見たくない現実を受け入れることに心理的抵抗が大きく、物事を単純化し、犯人探しをし、問題解決よりも犯人に責任を負わせる傾向になる等を解説。

成功の事例として航空機事故例をあげている。事故がほとんど起こらないのは、航空機事故がおこるとボイスレコーダーを始めとした徹底的な調査を実施し、失敗から学ぶための組織的なシステムが確立されているから。

人が出来事をどのように受け止め、判断していくのか、そのプロセスを脳科学の観点からも解説。失敗から正しく学ぶ方法を学ぶことができる。

本書は軽快で読みやすく、全体として楽しく読める内容になっている。

失敗が多くて困っている方、改善したいけど何をしたらいいかわからない方、そもそもなぜ失敗が起こるのかわからない方、ぜひ手に取っていただきたい一冊。



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