ものづくりが息づく街フィレンツェ。国際工芸見本市、MIDAでの出会い
今回向かったのは、トスカーナ州はフィレンツェ。
MIDA(フィレンツェ国際工芸見本市)を見て来ました!
体調を崩していましたが、去年からカレンダーに予定を入れていたぐらい、このイベントに行きたかった私。
薬を飲んでなんとか回復して、滑り込みで2時間だけ会場を回りました!笑
1. MIDAとは
MIDAは、イタリア初のクラフトマンシップの展示会として1931年に誕生。
このイベントでは、MIDAの歴史と、フィレンツェとトスカーナをこの分野の強化、開発、研究に最も適した地域足らしめている歴史が絡み合っています。
この地域は、伝統的にクラフトマンシップと創造性が経済的、社会文化的に重要な役割を担ってきたところ。
また、あらゆる分野や規模の職人や手工芸品企業を迎え、伝統と革新の両方を持ち、ますます関心を集めるこの分野の多様性、豊かさそして品質を来場者に実感してもらうことを目的としている。
職人技の現状と将来の展望を描くことも目的としており、職人技の多様性を現わしています。
と、HPの説明を翻訳してみました。DeepL使いながらですよ笑
会場はかなり大きい。
2時間しかないので、職人さんに会えそうなところに絞って回ることに!
2. イタリアの職人さんとのお話
まず向かったのはこのホール。
入ってすぐのところで、実演されている職人さんを発見。
今まで修復したり作ったりした作品のカタログを見せてくださりながら、たくさんお話ししました。
亀の甲羅や象の牙を使った家具もあったけど、今は禁止されてるからね、とか。
学校で今やられている技術の基礎を学んでから、工房でマエストロ(師匠)に弟子入りして技術をさらに磨いたんだよね。
今は自分が弟子を抱えるマエストロになって、工房で教えているんだよね。
とか。
とても親切でフレンドリーな職人さんで、お話していてとっても楽しかった!
イタリアの職人さんと会話したくてイタリア語を勉強してきたので、少しでもお話できたことが本当に嬉しかった…泣
フィレンツェの工房に来なよ〜と言ってくださったので、絶対に伺うと心に決めました!
続いてさらに奥に進むと、何やら展示スペースが!
これは、埋立地に捨てられた合成繊維を回収し、織り直して、紫キャベツで染めたもの。
作者の方は、埋立地に捨てられる大量の繊維廃棄物が環境問題を引き起こしていることに着眼したそう。
ちなみに使用された繊維は、イタリアで繊維産業が盛んなプラートという街で回収されたもの。
少し歩いて別のホールへ。
カッコ良い革靴に惹かれて見ていると、職人さんが話しかけてくださいました。
これまた親切でフレンドリーな方で話が弾みました!
今年の夏に日本に戻ることを伝えると、イタリアが恋しくならない?
と聞かれて。
恋しいから、また戻って来たいです〜と言うと、
戻ってこれるよ、戻ってこれないかどうかなんて誰もわからないからね〜って言っていただいて。
イタリアへの愛おしさがまた増しました…泣
将来働いて、お金を稼いだらここの工房の靴を買いたいです!とお伝えして楽しい雰囲気の中お別れしました!
職人さんにいただいた、小さな革のパーツ。
これを持っていたら、なんだかまたあの会話を思い出して、イタリアに戻ってこれるような気がして。
お守りとして大切に持っています。
今度は歩いてまた別のホールへ。
イタリアの工芸に特化したホール。
片付け始めているか、もう片付け終わって人がいないとこがほとんど….笑
3. 現代のクラフトマンシップゾーン
今度は現代のクラフトマンシップに特化したホールへ移動。
有松絞りに似たランプシェードを発見!
私は地元が有松で、小さな頃から有松・鳴海絞りに触れてきました。
なので、絞りに対するセンサーは敏感な気がします笑
コロンビアの大学でテキスタイルデザインを学ばれたDiamantina Palaciosさん。
全てご自身で作られているのだそう。
絞りは日本の技術だと思っていた私。
中国から世界に伝播していったと、教えてくださいました。
そして…フィレンツェの見本市で西陣織を発見!
日本で通っている大学のキャンパスが西陣エリアに近いこともあり、私にとっては馴染み深い工芸。
西陣織自体は現代の技術ではないので、名画をデザインに用いている点において、現代のクラフトマンシップということなのでしょうか。
ともかく、フィレンツェの大きな工芸見本市で西陣織を見れたことは、とても嬉しかった。
4. 世界の工芸ゾーン
このゾーンは少し急ぎ気味で回ったので、お話は聞けず!
写真を見てお楽しみください!
5. 気づき
①工芸見本市の中では、一番長いかも?
昨年の10月から今までにヨーロッパで見本市を8つ、中でも工芸系の見本市を2つ訪れました。
ただ、今回のMIDA(フィレンツェ国際工芸見本市)ほど会期と会場時間が長い工芸見本市はなかったです。
会期は1週間。
そして22時まで空けている日もある。
今まで見てきた見本市は、どんなに規模が大きくても18時か19時には閉まっていました。
なので、長く開けていても人が集まるぐらい、このイベントは人気なのかなと思いました。
②規模がちょうど良い!
会場がそこまで大きすぎないので、回りやすかったです。
例えばイタリア・ベローナのMARMOMAC、ミラノのSalone del mobile、ドイツ・フランクフルトのambienteはそれぞれ大、特大、巨大…と表現したい規模…。
フランクフルトの見本市は、規模が大きすぎてバスで棟を移動しました笑
③一般の人にオープンな雰囲気
見本市によっては、B to Bのものもあり、一般来場者の私がいると場違い感を感じることもあります。
関係者に対する商談メインの見本市と違い、一般の人向けでオープンな雰囲気だったので、イベント感覚で楽しむことができました。
冒頭で紹介したとおり、このイベントは、
”クラフト分野の多様性、豊かさ、品質を来場者に実感してもらうこと”
を目的にしています。
このことを考えると、このオープンな雰囲気が出ている理由がわかりました。
③〇〇な職人さんが多かった
今まで、ヨーロッパ各地で様々な地域出身の職人さんとお話ししてきました。
フランス・グレノーブルでフランス人の職人さんと。
パリで日本人の職人さんと。
そしてイタリアでオーストリアやドイツ人の職人さんと。
なのでイタリアでイタリア人の職人さんとお話できる工芸の見本市に行ったのは、今回が初めて。
どこの国や街出身かでフレンドリーさが変わるとも言いきれないですし、自分が相手の母語でコミュニケーションできるかどうかによっても会話の空気感が変わってきます。
どの職人さんも優しくてフレンドリーでしたが、なぜかこのイベントで出会ったイタリア人の職人さん方は、圧倒的ウェルカム感とフレンドリーさを醸し出されていました。
私が拙いながらもイタリア語で会話したからかな…?
理由は謎のままです!笑
毎年開催しているイベントなので、ご興味のある方はぜひ行ってみてください!
01052023 Firenze, Italy
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