ボンクラヲタクもじってクラボ :倉部改作

ネコチャン、フィクション、そしてインターネット。いつもありがとう。

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戦いも断ち切る?崩壊ターン制バトルに魅せられて:崩壊スターレイル感想

崩壊スターレイルが盛り上がってる、そんな気がする。 崩壊スターレイルをプレイしていた人ほど、いま戻ってくるとおもしろいかもしれない。 配信者のひとりであるk4senさんが動画のなかでそう言っていたが(こちらの動画の中でだったはず)、その通りかもしれない。実際本人もほぼ全キャラ完凸させている。課金総額は詳細不明だが三桁万円かもしれないと語る。 また、キャラデザインの細かさ含めて栞葉るりさんの配信をみたりすると勉強になる気がする。だがほかにも情報が多いような…… 最近はこう

    • みんなのいる夢の世界に囚われて

      僕はコンピュータと人に夢を植え付ける仕事をしている。 コンピュータ相手だと、それはITエンジニアと呼ばれる仕事だ。 人相手だと、それは作家と呼ばれる仕事だ。 コンピュータは素直で簡単に夢を見始めるので食うに困らない収入になってる。コンピュータは比較的無垢で、ほかの夢の世界を知らないので御しやすい。 いっぽう人はそう簡単に夢を見ない。みんなたくさんの夢の世界の中にいる。まさしく夢中だ。僕の夢がみんなの生活に入り込むことはない。作家として楽しんでもらう機会が得られず少々残念で

      • 第3話 sky :エンジェルスクール・オンライン 週刊少年マガジン原作大賞 連載部門

         ほとんど時間がたたないうちに、ヘリコプターの音が聞こえ、大人たちが、続々と天使のところにやってくる。そして大量の道具が彼女の周囲に広げられる。彼女は痛み止めの薬を与えられ、ぼんやりとしはじめていくなかで、すぐさま治療が行われていく。傷を縫合するためなのか、わずかに針もみえた。彼らは頭につけた医療用スコープごしに、この極限環境で手術をこなしていった。  すこしすると、周囲の医者たちがへたりこむ私の肩に手を置き、頷く。 「ありがとう。彼女は無事だ。君のおかげだよ」  私は寝息を

        • 第2話 snow :エンジェルスクール・オンライン 週刊少年マガジン原作大賞 連載部門

           夕焼けすらも閉ざす黒い雲からは、季節外れの雪が降り注ぐ。白い息を吐き、大量の装備を抱え、私は重たい銃を抱き抱え、トラックの外の景色を見つめる。周りの人たちもそんな調子だ。だれひとりとして、軍人らしい人は見当たらない。なにひとつ訓練も受けないまま、私たちは補給物資と兵力を届けるためだけにひたすら移送されているからだ。言葉少なく、同じトラックにいる私の上官にあたる人は言った。 「ウクライナに入った。敵の空軍基地も近くなってきたが、本部からは、引き続き進軍するように指示が出ている

        戦いも断ち切る?崩壊ターン制バトルに魅せられて:崩壊スターレイル感想

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        • 感想
          35本
        • 所見
          13本

        記事

          第1話 escape :エンジェルスクール・オンライン 週刊少年マガジン原作大賞 連載部門

          epigraph 君も、ゲームに参加していいんだよ。  あるゲームが大好きな先生は、ズルばっかりしてきた犯罪政権の、その兵士だった私にそう言いました。  そのゲームは、理想と違わぬ現実をつくる、大規模多人数同時参加型ロールプレイングゲーム、MMORPG。  誰もが平等に機会をあたえられて、  誰もが自由に考えて動き回って、  誰もがみんなのためにルールを守って楽しく、なりたい自分になっていくゲームです。  先生はそれを、民主主義と呼びました。   だからあのとき以来、何

          第1話 escape :エンジェルスクール・オンライン 週刊少年マガジン原作大賞 連載部門

          エンジェルスクール・オンライン 週刊少年マガジン原作大賞 連載部門

          あらすじ ようこそ、理想と違わぬ現実をつくるゲームフィールドへ。 現実と違わぬMMORPGが、世界を覆い尽くした。舞台は実在する、軍産議複合体にして高等教育機関、通称エンジェルスクール。この星の誰もがインターネットを通して参加でき、ゲームを通して世界の人々は変化している。 この学校の学生であり、戦闘機パイロット、ゲームストーリーの主役に選ばれたミシェル。天使はこう語る。 「君も、ゲームに参加していいんだよ。そう先生から教わったんです」 現実のエンジェルスクール入学直前

          エンジェルスクール・オンライン 週刊少年マガジン原作大賞 連載部門

          ブランニュー・ギャンブル、原神。

          (この記事は、原神で10万円課金した原神中毒者によって書かれました) ギャンブルには、新しい形が生まれている。 それはパチンコでも、競馬でも、宝くじでもない。 原神である。 既存のギャンブルと違うのは、金そのものが戻ってくることはないということだ。なんと、お金は戻ってくる日は永遠にこない。 では原神のプレイヤーたちは何を求めてこのギャンブルに参加しているのだろう? それはレベルなどといった、ギャンブルの参加者にしか意味を成さない、資本のような数字たちである。 これら

          ブランニュー・ギャンブル、原神。

          ゲームからの逃走

          自由からの逃走、だとあまりに倒錯的すぎてピンとこない。 でも、ゲームからの逃走、と考えてみるとなんだかわかる気がしてきた。 自由からの逃走、という本を読んでいる。 ナチスドイツという「自由からの逃走」とは何かを考察しようとする本だ。 フロムはドイツとヨーロッパを破壊し尽くしたナチズムについて、次のように端的に書いている。 その前の章「逃避のメカニズム」にて描かれるのは、DVによる共依存で、つまりは自由を捨てることによって安心感を得る自傷行為である。 「愛着障害」や「

          民主主義ゲーム: 原神プレイ日記そのn

          原神でガチャり、財布の痛みで泣きながら生まれる日 僕は今日も積み上げた本を置いて、 ブランニューワールド原神にサインインする。 そして、広大すぎるマップを歩き回り、途方に暮れる日々。 引いてしまったエウルアやディシアの素材を集めるために歩き回るのだが、新しい場所に行くまでも遠い。 正確には地上を走ると遠回りになる。 反対に無茶な山登りをするとすぐにキャラたちが力尽きてしまう。 デスストランディングの旅が永遠に続いているかのようだ。 そうして僕は、昼休みに同僚たちから

          民主主義ゲーム: 原神プレイ日記そのn

          ITエンジニアの選択はおすすめできない

          家の中が本まみれになってしまうからだ。 インターネットが世界を繋ぐほどに発達したこの時代であったとしても、すでに家の中に600冊を超えている。 小中学校の図書室が12000冊ほどらしいから、実に1/20スケールをワンルームで展開していることになる。 そのくせほとんどが積読で、冒頭くらいしか読まない。個人で図書室をやってるようなものだ。 しかしこれでも、IT系の本は40冊以上は会社に置いている。同僚に読んでもらい、代わりに仕事をやってもらうためだ。 家の中に残っている

          ITエンジニアの選択はおすすめできない

          ブルアカで大統領のおしごと!やろう!

          動いてないのに暑いよ~ 私はブルーアーカイブの世界、キヴォトスにて、おもしろ強かメイド(ときどきバニー)であるトキとオフィスであるシャーレでぐだぐだ暮らしている。 いまの世界は、動いてないのに暑いよ~の状況にある。 土日にひきこもりになるのは、やむをえない。 ふだんはiPhoneでブルアカを楽しんでいるが、実はきょう、iPadでブルアカができることに気がついた。 Apple IDの連携が条件だが、ちゃんとグラフィックの設定さえ行えば、iPhone以上の体験、つまり60

          ブルアカで大統領のおしごと!やろう!

          修行のようなデイリー周回:原神プレイ日記そのn

          原神にて復刻したエウルアのために47070円突っ込み、原神をスタートしたボンクラヲタク。 このRPGのフォーマットのなかから、ギャンブル廃人、ネトゲ廃人、ソシャゲ廃人たちの到達する領域、ゾーンと呼ばれる完全没入していくような感覚を理解していくことになる。 なぜこのゾーンに人は入りたがってしまうのか、というと、「学ぶためではあるが、何を学べばいいかわからないからRPGにしがみつくしかないのでは?」みたいなことを以下の記事で書くに至っている。 実際ぼくにもそういう経験がある。

          修行のようなデイリー周回:原神プレイ日記そのn

          僕らは学ぶためにRPGの運命で死に続ける

          RPGの暗闇の運命でしか学べない僕たち 僕は学ぶことがしぬほど嫌いだった。 代わりに、RPGはしぬほど好きだった。 僕は学校の授業を眠り、RPGの世界で生き続けていたのだ。 なぜだろう? たぶん、RPGでしか、フィクションでしか、学ぶという行為を楽しむことができなかったからかもしれない。 この本を読みながら、ギャンブルとRPGを結びつけてそんなことを考え始めている。 インタビューをみると悲惨以外の何者でもない。本当に運が悪くて、被害者で、それでギャンブルにハマってし

          僕らは学ぶためにRPGの運命で死に続ける

          なぜRPG求道者は原神でガチャり続け、完全没入《フルダイブ》してしまうのか?

          すべてのはじまりとおわり 実家に帰った時、PS5で原神をやる妹から、こう言われた。 🎮👹「ゲーマーのおまえが原神やらないのはおかしい。いますぐやれ」 📱😺「はい……」 そういうわけで時間をみつけてiPadにインストールをした。M1チップでは最高画質でプレイができる。すごいことだ。 ただ、冒頭でiPadでの操作が難しすぎてカメラ操作して移動した時点で詰んでしまった。 かといって、PCでやるにもSSDの容量がPSO2とNGS、デスストランディングやMGSV、エースコンバ

          なぜRPG求道者は原神でガチャり続け、完全没入《フルダイブ》してしまうのか?

          デマはデマゴギーじゃなくて、でまかせ?

          デマのことを、僕はでまかせの略なんだとずっと考えていた。だが実際は違うらしい。 デマとは(特に集団的な行動、つまり政治的な目的で)人をだます意図をもって提示される情報のことを指す。 プーチンやトランプのやっているデマとかについては、以下の本がとても詳しい。たまにフィクションを書くときの説得力を求めて読むのだが、あまりに「事実は小説より奇なり」でむしろお腹を壊しそうになる。 いっぽうのでまかせは、 これはたまたま語感が近かったせいだ。 こうした言い間違いというのは言語

          デマはデマゴギーじゃなくて、でまかせ?

          ロジカルシンキングの再出発:ロジックとレトリックを基盤とした、人と学び、恋し、楽しむための対比という再定義

          ロジカルシンキングにうんざりして ロジカルシンキング、という言葉がある。論理的思考、と呼ばれるものだ。僕はいろんな大人から聞かされてきたように思う。現実世界とか、ツイッターとか、noteとか。 ロジカルシンキングは次のようにWikipediaで書かれている。 とはいえ、僕にはロジカルシンキングが、一貫していようとも、まったくロジックにみえなくて、正直うんざりしていた。 かつての僕からしてみれば、論理的とはつまり、まったく論理ではなかったのだ。 ロジカルシンキングは、

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