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「ひどい男」-バナナマンライブ「S」-

なんでワタシの人生はこんなに不幸なのか?


運命のせい、
社会のせい、
時代のせい、
人間のせい。
こう考えたときはありとあらゆるコトを使って
周りを否定し自分を肯定している人生だ。

しかしコロナのおかげで今の自分が何も出来ないのは
100%自分のせいだと現実を叩きつけられた。
コロナは時代の転換期とも言われるほど世界の常識を変えているが、

これまで通り何かに打ち込んだり、
頑張る人を応援する社会
は変わらない。

私はYouTubeを3年ほどやり、
あまり結果が出ず今は文筆に力を入れることにした。

脚本家・演出家になりたいと言う夢や目標のために
コロナでも出来ることを、と思い毎日noteに原稿を上げている。
目標をさらっと言ってしまったが…

藤本たくま19歳です。以後、お見知り置きを。


ひどい男


コロナのおかげで身につけたスキルがある。
映画鑑賞だ。
これまでバラエティ番組を軸に生きてきた人間は、
どんなに見たい気持ちがあっても
映画を見ようと行動に移す体力があまりない。

いくつもの重りを腰につけている状態だったが、
日に日に鎖が切れておかげで筋肉もついた。

今日の昼間も映画を見たのだが、その中で
「全く、ひどい男だな」と言うセリフがあった。
人生でそんなカッコいい言葉を使ったことがない。
というか、映画のテンションで言うと日常では「イタイ奴」と言われる。
だけど映画では全く違和感がない。

そう、むしろカッコいい。


私は映画を見終えてすぐパソコンのメモアプリを開き、
一行目に「ひどい男」と打ってそれについて考え始めた。

好きでもない人と付き合う男、(私)

一日中ベッドに寝転んでいる男、(私)

ドラゴンボールの42巻だけ持ってない男、

不倫する男、(未来の私)


朝まで飲んで親友の結婚式に遅れる男…


最後の一行を書いたとき、
突如頭の中に流れるように情景が浮かんできた。

【結婚式】

大好きだった元カノから結婚式の招待状が届いた男。
その前の晩に友人を連れて酒を飲みまくる。
そもそも欠席すれば良いのだが
男は元カノをキッパリと忘れるため、
次の恋に進むためにもあえて行くことにした。

酒が進む。

友人からは、女を奪い去ってこいだの、
知り合いの友人である美人女優を彼女に見立てて行けだの、
復讐劇を打算されるが全て却下。

だが、元を辿れば招待状を送ってきたのは元カノ。
実は彼女自身にも結婚式を前にある問題を抱えているのだが…

● ● ●

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浮かんだのはここまで。

確かにありがちな設定ではあるが、理由や関係性をうまく組み立てればいい話にはなるぞ!と思った。
映画試写会のインタビューで
「これ、実は19歳のときに書いたものがモチーフなんですけど」
とスーツにネクタイを着たワタシが言っているのが浮かぶ。

そんなことは浮かぶのだが、肝心の話のつづきはこれ以降全く出てこなかった。

結局夕食の時間になってしまった。
ミートソースパスタ、上手かった。

食後、家族で3回ほどババ抜きをした後、明日までに返さなきゃいけないDVDがあったことを思い出し慌てて見出した。

バナナマンライブ「S」


毎年夏に行われるプレミアライブ。
ワタシは3年連続で抽選に落ちている。
お2人のコントはさることながら、それを取り囲む衣装、小道具、照明、ライブ中の映像など
全てが面白く見応えがある。

このDVDも2ヶ月待ってやっと借りられたのだ。
爆笑と感嘆の声を何度も上げながら2時間ノンストップで見続けた。

そして最後のコント。衝撃が走った。

※ここからの内容はネタバレが含まれます。
ただ本編のセリフとは若干異なります。
ストーリーをご理解いただければ…
ぜひ読んで、そしてDVDをご覧ください

https://www.amazon.co.jp/bananaman-live-S-DVD-設楽統/dp/B081QFVSNL


「Something to say」

日村の妹の結婚披露宴。日村の友人である小説家の設楽も参列していたが仕事の都合で、
お色直しのタイミングに宴会場を抜けロビーで原稿を書いている。
そこに日村がこの後行われるスピーチの相談を設楽に持ちかける。
話を聞くと、まさかの妹の結婚を反対するという内容だった。

実は披露宴直前、妹が涙を流しているところを日村は目撃する。

日村「どうしたんだ?」

妹「〇〇が忘れられないの」

あまりの号泣に〇〇の部分はちゃんと聞き取れなかったが、
早くに両親を亡くし親代わりでもあった日村は兄として、親として
何か遺恨が残っているのならばこの結婚はやめるべきだと主張した。

その話を受け設楽は日村のことを必死に説得した。

「人はどんな時も悩み、不安になりながら生きている。でもそれは自分自身で解決するべき。
だから本人が幸せだという道を信じて歩ませてあげるべきだ」

設楽の言葉をきっかけに日村はスピーチ本番、
妹の結婚を快諾する祝福の言葉を述べ、
波乱が起こる事なく披露宴は終わった…。


披露宴終了後、

まだ原稿を書いている設楽のもとに
感謝を述べるために日村が訪れた。

日村「そういや珍しいな、絶対に締め切りに間に合ってないなんて」

設楽「昨日遅くまで飲んじゃったんだよ」

日村「じゃあ、お前に小説のネタを一本あげようか?」

設楽「え?」

日村「友人の妹を好きになってしまう男の話。
その男は友人の妹を好きになり、一度付き合うことになる。
だけど友人のことが気がかりで、どうしても肝心な事を言い出せなくて結局二人は別れてしまう。
そして、その彼女が別の男性と結婚し、その式に参加する。
その後に起こったことは、もうわかるだろ?
お前にせっかく妹の結婚をやめさせるチャンスをあげたのに、止めなかったな


● ● ●


これだ。

朝まで飲んで親友の結婚式に遅れる男…。
つい3時間前に書いたアイデアがまさかのバナナマンから答えとなって帰ってきた。

心からの尊敬と当てどころのない嫉妬心が芽生えた。


なんで私の人生はこんなに不幸なのか?


そう悩むことはこれからもたくさんある。
だけどそれは運命のせいでも社会のせいでもない。

それを解決するのは自分自身だ。

だが、こうとも言える。

人生が幸せになるのは運命のおかげであり
社会のおかげなのだ。
それに気づかせてくれるのは、
自分ではなく
まわりの人たちなのかもしれない。

不意にもバナナマンのDVDで気づかされた。


全く、ひどい男たちだな…

ー体調には気をつけてー


最後までお付き合い頂きありがとうございました。
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プロフィール:藤本たくま(19)
脚本家・演出家を目指している。
YouTubeチャンネル「19歳」開設予定。

バナナマンの好きなコント→宮沢さんとメシ

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