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映画『エア』レビュー〜ナイキのアメーバ経営と天才マーケターたち〜

ナイキのエアジョーダン1を私は何年間憧れ、何足買っただろうか?と思い返す。90年代生まれのZ世代とY世代の狭間の男子学生はファッション雑誌でジョーダン1をみて憧れ、アメ横や原宿を捜し回り、購入するやこれ見よがしとジーパンに合わせて履いていた。そのジョーダン1の誕生秘話が明かされる。

ナイキ創業者フィル・ナイト著『シュードッグ』を読んだ人はこの映画作品が嘘っぱちであることは、すぐに見抜けるが、本では感じられなかった現場の緊迫感や狂気、熱狂が映像を通して感じられる。
特に監督で俳優も務めたベン・アフレックとマット・デイモン主演とこの時点で間違いなしだ。
やはり演技も別格で、言わずとも本人たちだと認識できる。

ポスターもブルズカラーでかっこいい!

ただ、ソニーじゃなく、主人公はロブだったはずなのに、そこは劇中後の話で、ストラッサーがアディダスに行ったことで裏切ることを未だフィル・ナイトが許していない様子も伺える。
特にこの映画をみたら、尚更それがなぜフィル・ナイトに許せないことかわかる。
愛情や友情が深かったゆえの憎悪であり、この構造は非常にエヴァンゲリオン的だ。
故に劇中でもこの一件は触れられない。
故にアメリカンドリームに熱狂するスタートアップの様子を感じ取れる。
また起業家一人がもとはやされる昨今だが、本作がいかに起業家以外のメンバーも大事であるか、スペシャリストが大事であるか、裁量権をいかにもたせるかが大事かがわかる。
アメーバ経営のモデルモールは本作の中身だ。
ロブ・ストラッサーにピーター・ムーア、ソニー・ヴァッカロ、そしてフィル・ナイトに、ハワード・ホワイト!素晴らしい才能揃いだ!
日本にはこんな企業出てこないのかなー…
だからこそのエアジョーダンと納得した。
本作はただマイケルジョーダンのスポンサー権を獲得するためのコンペをするだけの話だ。
しかし、それだけでここまで盛り上がれるのは、ジョーダンというバスケの神様が与えた熱狂やインパクトとナイキのがむしゃらな情熱以外にほかならない。
一言、これは観るべき映画作品だ!

https://warnerbros.co.jp/movie/air/


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