病気をよくするのは結局、本人の意欲なのかもしれない。

こんにちは、カラダコンシェルジュ佐野薫です。

今回は母の話を。

ちなみにうちの母は、脳の病気で最近開頭手術をしています。
もともとバリバリと仕事をして、
服をこよなく愛し、孫のことが好きな、
そんな母の話です。

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母は今回の開頭手術後、服もかまわなく(かまえなく)なったし
身だしなみにかまわなくなった。

平気で毎日同じ服を着て仕事に行くし、
その服に食べ物をこぼしても気にせずにいる。

それで仕事するのはマズイだろう、と

最初わたしは

「1週間の仕事服コーデをわたしが考えるか」とか
「クリーニングに定期的に持っていくか」と悩んでいた。

うん。本人は気にしてないの。
気にする脳の領域が今ぶっ飛んでるからね。

でも、娘であるわたしが

「不衛生だと人は寄りつきたくないだろう」とか
「お金にまつわる相談をだらしない人には頼みたくないだろう」とか
そう思って不安がっていた。

実際、もともと懇意にしているアパレルのショップにもヨレヨレの服で行く。

わたしはそれを知るたびに、「やだなぁ」と思っていた。

そんなある日。

「親戚の結婚式に行くから」と
母はスカイブルーのワンピースを買ってきた。

母は、今、ほとんど化粧もしていない。
片方の目は麻痺で半分しか開いてない。

もちろん、身だしなみは整えられない。

それでスカイブルーとか
スカイブルーとか…!

と思ってわたしは目眩がした。

明るい強い色は、肌が綺麗でこそ映える。

きっと、病後の、そのままの母が着たら、
返って衰えが際立つじゃないか。

そう思って、げっそりした。

そう、病後の弱った母が、
それをさらに服で際立たせ、人前に行って
どう思われるか、とわたしは心配だったんだろう。

ひとの目を気にしてるのは、わたし。

わかってるんだけどねー!
本人気にしてないんだけどねー!

少しは回復しないかなぁ、と思うも
そんなに目に見えてほど、母の症状は良くならない。

結婚式は、もうすぐ。

致し方ない。

そう思った。

とりあえず、今回の結婚式だけは、綺麗にわたしがメイクしよう。
結婚式だし。

あとは…

人目を気にした娘(わたし)に毎日細々とチェック入れられるのも嫌だろう。

気楽に、仕事も家庭も、できることを楽しんでやって、毎日過ごして貰えばいいか。

それで周りの人が離れても致し方ない。
受け止めて付き合ってくれるなら、それはそれで素敵。

うん、あきらめた!

そう、踏ん切りをつけた。

結婚式当日。
できうる限り、華やかなワンピースに合わせてメイクを施した。

母はニコニコしながら、結婚式に行った。

それで…

その後。

なんと、母は

いきなり身なりに気を使うようになったのだ。

毎日服を変える。
組み合わせを考える。
清潔を保っている。

メイクも、それなりに頑張ってる。

しかも…

手術前くらい会話ができるようになった!
脳機能が急に復活してる!スゴイ!

その上…

なんと開きにくかった目が開くようになった!

すごい。

わたしは今回、メイクしかしてない。

きっと、結婚式で母はいろんな人と話したのだろう。

「似合ってるね」
「元気そうだしすっかり良くなったわね」
「綺麗」

そんな風に言ってもらったそうだ。

それが、どうやら母の意欲に火をつけたらしい。

意欲おそるべし。
自己肯定感すばらしい。

麻痺も克服するわ。
脳機能回復させるわ。

今週、母は病院の診察に行くそうだ。

わたしは今から、担当医がきっと驚くだろうなぁと密かに楽しみにしている。

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