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【マガジン】月の砂漠のかぐや姫

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今ではなく、人と精霊が身近であった時代。ここではなく、ゴビの赤土と砂漠の白砂が広がる場所。中国の祁連山脈の北側、後代に河西回廊と呼ばれる場所を舞台として、謎の遊牧民族「月の民」の… もっと読む
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2022年10月の記事一覧

月の砂漠のかぐや姫 第245話

月の砂漠のかぐや姫 第245話

「あっ・・・・・・」
 どうやら、王柔も違和感を覚えたようで、羽磋の後ろで小さな声を出しました。これまでと同じであれば、ここで「あれ、変な感じがします。何か感じませんでしたか」と羽磋に問いかける声が続くところです。でも、この時にはその声は上がりませんでした。それは、王柔が自分で考えてみようとしたからではありませんでした。彼が羽磋に問いかける間もなく、大きな驚きが彼らに押し寄せて来たからでした。
 

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月の砂漠のかぐや姫 第244話

月の砂漠のかぐや姫 第244話

 もちろん、見方を変えたからと言って、すぐに進むべき方向が定まるという訳ではありません。でも、王柔の言葉を聞いて見方を変えることができたお陰で、羽磋はそれ以上この場所で頭を悩ませることをせずに済みました。
 自分たちはまだ、初めて足を踏み入れる場所、それも想像もしたことがないような地下世界の入口に立っただけなのです。王柔が言うような方法で外へ出ることができるかもしれません。羽磋が考えていたように精

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月の砂漠のかぐや姫 第243話

月の砂漠のかぐや姫 第243話

 地面はと言えば、まるで怒り狂った巨人が拳で地面を叩いて回った後であるかのように、歪んだ形をした大きな窪みがいたるところに見られ、そこに洞窟を流れてきた川の水が溜まっていました。これまで羽磋たちが歩いてきた洞窟は曲がりくねってはいたものの大きな陥没や隆起は見られなかったのですが、この地下世界では青く輝く水が溜まっている陥没した箇所がある一方で、隆起していて少しも水に濡れていない箇所もたくさんありま

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月の砂漠のかぐや姫 第242話

月の砂漠のかぐや姫 第242話

 曲がり角から少し進んだところで、洞窟は終わりになっていました。
 でも、それは洞窟が行き止まりになっていたという訳ではありませんでした。
 まるで川が海に注いでいるかのように、細く伸びていた洞窟の先には海のような広大な空間が広がっていたのでした。交易路から落下した羽磋たちが川を流された後に最初に目覚めた場所である大空間も、とても地下にあるとは思えないような大きな空間でしたが、いま羽磋たちの前に広

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