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【マガジン】月の砂漠のかぐや姫

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今ではなく、人と精霊が身近であった時代。ここではなく、ゴビの赤土と砂漠の白砂が広がる場所。中国の祁連山脈の北側、後代に河西回廊と呼ばれる場所を舞台として、謎の遊牧民族「月の民」の… もっと読む
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2022年4月の記事一覧

月の砂漠のかぐや姫 第227話

月の砂漠のかぐや姫 第227話

 羽磋が自分の考えの中に落ちて行っているその横では、理亜が服に付いた砂を王柔に払ってもらっていました。

「オージュ、駱駝さん、すごい勢いで走ってたよネェ」

 駱駝が自分たちに向かって走ってくる勢いはとても速くて、羽磋も王柔も自分と理亜を守るための最低限の行動しかできませんでした。少しでも彼らが身をかわすのが遅れていたら、駱駝に弾き飛ばされて大変なことになっていたでしょう。通常では考えられないよ

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