「サウナー」だとか名乗る前に【番外編】
先日伺った都内の銭湯で、僕は強い憤りを感じる出来事を経験した。なんと、浴室の中でスマートフォンを操作していた男性に遭遇したのである。僕もいまだに信じられないのだけれど、裸のお客さんが周りに何人もいる浴室の中に、当たり前のようにスマートフォンを持ち込んで操作していた男性がいたのだ。僕は開いた口が塞がらなかった。
最初その光景を見た時に、動揺のあまり浴室と脱衣所を全裸で3往復してしまい、ひと呼吸おいて心を落ち着かせてから、腰にタオルを巻いて番台の女性に「お風呂場にスマートフォンを持ち込んでるお客さんがいるのですが」と報告しに行くと、少し渋った顔をして申し訳なさそうに「あら……注意してくださる?」と言われてしまった。
ーーなぜ僕が注意をしなければならないのだろう。それでトラブルに発展したら責任を取ってくれるのだろうか……。
納得感は無かったけれど、その女性の表情を見る限り、僕が何を言っても動いてくれる様子が見られなかったので、浴室に戻って勇気を振り絞ってその男性に「スマホの持ち込みはダメなんですよ」と声をかけた。
その30歳前後と思われる男性は、僕に突然声をかけられたことに驚いたのか「あっ」とだけ言ってスマートフォンの操作をやめたものの、脱衣所のロッカーにしまいには行かず、浴室内の棚に置いて、一緒に訪れていたもう一人の友人らしき男性とサウナ室の中に入って行った。
そうなったら、もう自分の身は自分で守るしかない。僕はその男性客とはなるべくタイミングをずらすようにしながら、サウナを利用することにした。ただ、やはり普段のサウナとは違って明らかに気持ちは落ち着かない。
それからも、僕はその男性客の存在を意識しながら入浴せざるを得なかったのだが、2セット目の休憩をしていると、ようやくその男性客が浴室を出ていくところが見えた。スマートフォンを操作しながら、ではあるが。
ーーこれで落ち着いてサウナに入れるな……。ん? えっ? ちょっと待てよ。
ほっとしたのも束の間、僕は自分の目を疑った。男性客が浴室を出て行ったのと入れ替わりで、全身に鮮やかなイラストが施された3人組の男性グループが新たにお風呂場に現れたのだが、そのうちの一人がスマートフォンを操作しながら浴室に入ってきたのである。その動作を見ていると、どうやら常習化しているようだった。
ちなみに、浴室のいたるところに「携帯電話持ち込み禁止」「会話の自粛をお願いします」といった注意書きが貼られていたものの、彼らはお風呂に入っている時もサウナに入っている時もずっと会話を続けて、浴室の中からスマートフォンで誰かと連絡を取っていた。
ーーこの銭湯は、普段からそういうところなんだ。僕が注意をしたところで、そういう文化が根付いてしまっているのであれば、きっとなにも変わらない。もう二度と利用することは無いし、友人にも伝えておこう……。
結局、僕は心が落ち着かないまま銭湯を出て帰路に就いた。店舗の設備自体はとても良いのに、温浴マナー云々以前にいい歳をして社会的な常識が身についていなかったり、そもそも明確に提示されているルールを平然と破ったりするお客さんがいることが、とても残念だ。この銭湯に慣れているお客さんが、他の銭湯で同じような振る舞いをしないか心配になった。
僕が考える温浴マナーについては別のnoteで書き綴っているけれど、浴室にスマートフォンを持ち込むのは、店舗側がルールを提示していようがしてなかろうがルール違反であり、犯罪一歩手前の行為である。
また、それでいうと浴室だけではなく脱衣所やロッカールームなど裸のお客さんが周りにいる場所でのスマートフォンの操作も絶対にしてはならない。
今はサウナがブームだと言われていて、その話題に釣られて温浴施設に通い始めた人も多いかもしれない。ただ、「サウナー(=サウナをよく利用している人)」だとか名乗る前に、そんなことすらも想像できない、そんな常識さえ守れない人は二度と温浴施設を利用しないでいただきたいと、強く願う。
(written by ナオト:@bocci_naoto)
YouTube「ボッチトーキョー」
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①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます