マガジン一覧

ホテルサウナ

「#連続サウナ小説」の中からホテルサウナの記事だけをまとめました!

営業のモットー【ホテルグローバルビュー八戸@青森県】

「仕事とは、お客様から紹介をいただいて初めて完結するものだ」  先日、ある経営者から話を聞いた。その方は不動産関係の会社を経営しているのだが、独立したのは40歳を過ぎてからだった。それまでは大手住宅メーカーに勤務していて、一般顧客を相手に戸建て住宅の販売をしていたそうだ。その方が会社員時代に経験でたどり着いたのが「次のお客さんを紹介してもらうまでは、仕事が終わったことにはならない」というモットーである。  家は、多くの人にとって一生で一番高い買い物になるだろう。すなわち、

23

視点を変える【ゴールデンタイム高松@香川県】

 エクストールイン高松に宿泊した翌日、予定通りに仕事を終えた僕は、再び例の経営者の提案で一緒にランチに行くことになった。どうしても僕を連れて行きたいうどん屋さんがあるそうだ。もちろんこのうどんが美味しかったことは言うまでもないが、ここでもその経営者は僕にさまざまな話をしてくれた。ただ、やはり一貫していたのは「利他主義に生きた結果として自分が幸せになる」ということだった。  自分よりも相手を優先する生き方は、損得勘定だけで考えれば自分にとってマイナスになっていることが多い。しか

13

報酬のかたち【エクストールイン高松@香川県】

 フリーランスになるまでは、どちらかというと「お金のために」仕事をしていたような気がする。稀に自ら仕事を作り出すこともあるけれど、会社員として与えられた仕事をこなすだけでも時間があっという間に過ぎてしまう。それによって毎月固定の給料が振り込まれていたし、ある意味で安心ではあった。しかし、仕事のモチベーションはその程度で、会社に対して特に忠誠心などもなく、業務内容にも思い入れなんてなかった。  この考えは、独立してから大きく変わった。仕事をする相手を自分で選ぶようになってから

9

他人の畑【駅前人工温泉 とぽす 仙台駅西口@宮城】

 僕は毎日最低2時間はTwitterを開いている。それが習慣になってしまっているのだ。目的に応じてアカウントを使い分けており、プライベートの友人との交流用もあれば、くだらないことを延々とつぶやくbotのようなアカウントも、そして趣味で繋がるアカウントもある。「@bocci_naoto」は、趣味の一つであるサウナ関係の情報交換のために、かなり遅くに始めたものだ。ただ、今ではこれが本アカウントになりつつあるのだが。  アカウントを使い分けている人であればわかるかもしれないけれど、

10
もっとみる

銭湯サウナ

「#連続サウナ小説」の中から銭湯サウナの記事だけをまとめました!

ゲームが教えてくれた【梅の湯@田端駅】

 僕には子どもがいないのだが、もしも将来的に子どもができたとしたら、なるべくいろんな経験をさせたいと思っている。これは、僕が幼い頃に大人に言われた「やっちゃダメなこと」が、全て正しいわけではなかったことに自分が大人になってから気づいたためだ。  その最たる例が「テレビゲーム」である。昔、ゲームをやりすぎると視力が落ちるだとか教育的に悪影響だとか言われたこともあったが、僕は幼い頃にゲームを長時間やっていてよかったと思う。  ある自治体ではゲームを制限するような動きもあるようだけ

23

調整役【久松湯@練馬駅・桜台駅】(2/2)

 あれは8月10日(水)のこと、練馬区内の会社に伺って打ち合わせを終えた僕は、その足で次の目的地に移動を開始した。  練馬駅に到着したのは15時頃。そこから住宅街をしばらく歩くと、ついにその建物が現れた。 「これは美術館かなにかか?」  そう、今回訪れたのは久松湯だ。実はこちらの銭湯には2年ほど前から目をつけていたのだけれど、生活圏外だったため、ずっと機会をうかがっていたのである。  中に入り、受付でサウナ利用の旨を伝えると、目印として首から下げるタグを渡された。なお

8

調整役【久松湯@練馬駅・桜台駅】(1/2)

 僕は以前に広告代理店に勤めていたのだが、いわゆる”ブラックな営業会社”で育った方々がボードメンバーの中心核だったためか、社内の雰囲気は比較的和やかではあったものの、評価基準については営業職が贔屓される仕組みになっていた。要するに、案件を受注した分だけ、売上を作った分だけインセンティブとして営業担当者の給与に直接反映されるのだ。  たしかに営業の仕事は売上に直結するし、数字でも成果を可視化しやすいため、会社への貢献度を定量的に計測することができる。しかし、その結果どうなったの

7

心を開いた相手【徳の湯@東白楽駅】(2/2)

 白楽駅で降りると、そこには友人が僕を笑顔で待ってくれていた。その友人は自他ともに認めるグルメで、まずは行きつけだという飲食店に案内してもらい、軽く食事をすることにした。  数ヶ月ぶりに会った友人とは会話が盛り上がり、それだけでも楽しかったのだけれど、本番はここからだ。僕たちは、そこから歩いて次の目的地へと向かった。 「これが噂の銭湯か!」  そう、今回訪れたのは横浜市にある「徳の湯」だ。その友人が以前から通っている銭湯で、東白楽駅からであれば歩いて1分かからない場所に

7
もっとみる

スーパー銭湯サウナ

「#連続サウナ小説」の中からスーパー銭湯サウナの記事だけをまとめました!

先を読んで生きる【石巻天然温泉 元気の湯@宮城県石巻市】(2/2)

 アポイント先で昼食をご馳走になった僕は、心も体も満たされていた。次の行き先は、泊まる予定のホテルからそう遠くない場所にあった。 「やっと着いたな」  そう、今回訪れたのは「石巻天然温泉 元気の湯」である。住宅街の中にあり、地元の方々しか利用しないような立地にあるため、僕は心の中で「お邪魔します」とつぶやきながら館内に入った。  料金は700円。靴箱の鍵と券売機で購入したチケットをフロントのスタッフに渡すと、ロッカーキーを差し出された。そのまま脱衣所に移動し、指定されたロ

7

先を読んで生きる【石巻天然温泉 元気の湯@宮城県石巻市】(1/2)

 以前、たまたま見たテレビ番組で、精神科医の和田秀樹さんが「1日に1回は意識的に新しいことをするようにしている」と言っていた。たとえば、職場との往復時に普段とは違う道を通ってみたり、一度も利用したことがない飲食店で食事をしてみたり、そういった小さな新体験を日常に取り入れるようにしているらしい。結論、これが脳の老化防止に効果的らしく、実際に和田さんは年齢を感じさせないほど若々しくエネルギーに溢れていた。  脳は刺激を受けなければ徐々に老化していくそうだ。たしかに、年齢を重ねれ

12

正社員にならないか【スパ・リブール ヨコハマ@神奈川県】(2/2)

 11時過ぎに綱島駅に到着し、路線バスに乗り換えて数分後、ようやく目指していたバス停に降り立った僕は、そこから歩いて数分先にある目的地に向かった。 「懐かしいな」  そう、今回訪れたのは「スパ・リブール ヨコハマ」だ。実は6年ほど前に一度だけ利用したことがあったのだが、久々に当時の思い出を振り返りたくなったのだ。  さっそく館内に入り、バス停で撮影した写真を受付のスタッフに見せた。特定のバス停間の写真を見せることで、その往復の交通費を負担してくれるようになっていたことを事

5

正社員にならないか【スパ・リブール ヨコハマ@神奈川県】(1/2)

 フリーランスとして複数の会社と仕事をしていると、僕のことを気に入ってくださった経営者や担当者から「うちの会社に来ませんか?」と正社員としてのオファーをいただくことがある。これ自体は大変光栄であり喜ばしいことでもあるのだけれど、それでも僕は毎回断ってしまう。  これはあくまで持論ではあるけれど、労働者側から見た「正社員とフリーランスの違い」は、本質的には労働環境や福利厚生、教育体制といった仕組みの部分にあるわけではない。そうではなく、建前上は正社員というのは「その会社のビジョ

12
もっとみる

その他サウナ

「#連続サウナ小説」の中から特殊な温浴施設の記事だけをまとめました!

どこを磨くべきか【毎日サウナ@群馬県前橋子】(2/2)

 5月6日(金)、群馬県内で予定ができた僕は、都内の自宅を出て電車に乗り込み高崎駅へと向かった。遠方で予定ができるということは、つまりその地のサウナを開拓できるきっかけになる。  途中で車両トラブルが発生したものの、それほど大幅に遅れることもなく無事に高崎駅に辿り着くと、僕はそこから車を借りて目的地へと向かったのだった。 「やっと着いたぞ」  そう、今回訪れたのは、群馬県前橋市にある「毎日サウナ」だ。ここは熱波師の若林優貴さん、通称 ”ねっぱやし” さんが理想を追い求め

8

どこを磨くべきか【毎日サウナ@群馬県前橋子】(1/2)

 肩書きとして「ライター」と名乗ったことがある人、またはライターに仕事を任せたことがある人であれば心当たりがあるかもしれないけれど、これほど人材の質に幅がある職業はないかもしれない。ライターの腕は本当にピンキリで、場合によっては、ごく一般的な大学生のほうが ”ライター” よりも良い仕事ができてしまうケースも少なくない。  あくまでこれは僕の経験上の話だけれど、「このライターに頼めば大丈夫だ」と信頼できる人材は、ライターの肩書きを持って活動している全人口の1%もいないのではな

5

コイントスで進め【千代の湯@学芸大学駅】※番外編(2/2)

 かばんに必要なものを入れ、準備を済ませた僕は、22時を少し過ぎたところで自宅を出た。4月14日(木)の東京はあいにくの雨模様で、傘をささなければ全身が濡れてしまうほどだ。幸か不幸か、だからこそ今夜の選択肢が絞られたわけなのだが。 「やっぱり安心するんだよな」  そう、今回訪れたのは、目黒区は学芸大学にある「千代の湯」だ。実は千代の湯には過去に何度も足を運んでいて、「ホームサウナ」を持たない僕にとっての、いわゆる「ホーム銭湯」なのである。  なぜ僕が千代の湯を「ホームサ

10

コイントスで進め【千代の湯@学芸大学駅】※番外編(1/2)

 人生は悩みの連続だ。たくさん悩んで、そして決断をして前に進んで、それでうまくいくこともあれば失敗することもある。ここでやっかいなのは、せっかく決断をしてうまくいったとしても、その後に再び何かしらの悩みを抱えることだ。人間は、死ぬまで悩みから解放されることが無い生き物なのかもしれない。  ところで、以前に勤めていた会社の後輩から久々に連絡を受けた。どうやら、会社を辞めてフリーランスになるか迷っているらしく、僕に相談をしたいそうだ。そして約束の4月18日(月)、都内の飲食店で

8
もっとみる