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広報PRの勉強です。

仕事の話。 

以前から都内のPR会社でメディアプロモートの実務を短い時間ですが手伝わせてもらっていて、特に成果が出てるとかではないのですが、経験して感じたこと、気付いたことを。

※メディアプロモートとは広報が企業・ブランドを記事や番組に取り上げてもらうため、媒体社に対してアプローチを行うこと。

自分の仕事の軸は、夢を持って色々なことを決断して飛び込んだスポーツビジネスです。

その軸足は今後も変わることはないけど、仕事をする中で課題に感じ、自分に足りていないスキルを他の業界からも学ぶことで自身のキャリアやスポーツビジネスに活かしたいと考えてアクションを起こしています。

クラブ広報の次の課題

Jクラブでマーケや広報の部署にいるときからずっと課題に感じていたこと。

それは、サッカーに関する情報以外が世の中に露出しない(しにくい)ことです。
そして、その状況にアプローチするための正しい基本アクションを、自分自身が組織に対してマネジメントできなかったこと。

試合結果・チーム・選手以外の情報がニュースのトップに載ることはほとんど無くて、夕方や夜のニュースで取り上げられることもありません。
(もちろん、全くゼロというのではなく地域やタウンニュースなどでの露出は地域密着のJクラブにとって大切です)

数年前からスポーツビジネスでは、コアコンテンツとなる試合以外にエンタメ要素を充実させてライト層にも楽しんでもらうことや、第三者との連携で新しい価値を生み課題解決を目指す社会連携(シャレン)といった考えが定着しつつあるけど、それでもサッカー文脈の情報だけが専門メディアを通して世に出る現状があります。

こうした状況は今も大きくは変わってないと思っていて、どうしたらスポーツだけでなく、それ以外の”エンタメ系”や”ビジネス・ニュース系”のメディアなどでもクラブのことを話題にしてもらえるかと考えていました。
(ここでいう【掲載】は、クラブの発信した情報の「転載」ではなくリリースを元に「取材されたり、記事化される」ことです。)

継続的な新規顧客獲得へのアプローチと、リピート率を高めるという命題に対してのヒントもここにあると思います。

もちろん、著名人や人気キャラクターとのコラボなど、気合いの入った企画で違った畑から人を連れてくることはできるけど、ライセンスやコスト含め継続するのが中々難しいので、普段からサッカー好き以外の目に触れるにはどうするかを考えていく必要があります。
とはいえ、Jリーグが毎年推進してくれる単発プロモーションは基本的にはポジティブで、特に今回のにじさんじとのコラボはすごい影響力あります。

広報組織と役割

数年前、クラブに入ってまず情報発信の改善のためSNSの使い方やメルマガなどインフラの運用方法を整理し、これまでホームページに載せるだけだったお知らせもPR TIMESやスポナビなどと連携することでオウンド以外での外部への情報露出ができるインフラを導入しました。

ただ、最低限インフラを整えたからといって何かが大きく変わるわけではありません。

多くの組織における広報は、コーポレートの広報とブランドの広報が実態として分かれていて、各ブランドの広報PRを行うのはブランドマーケターの仕事となっていることも多くあると思います。
スポーツクラブの広報というと、チーム付きの広報のみの場合も多くあります。

そして、実務内容もSNSでの発信やホームページの更新、広告宣伝や社内報などに多くの重心が乗っていて、露出を増やす活動そのものであるメディアリレーションやメディアプロモートに手が回っておらず、この部分をPR会社に依頼するということも多くあるのだと思います。
(そしてこのリソースとリレーションのストックを、事例の数だけ持ち合わせていることがPR会社の専門性だと思います)

プロモーターの実務

サッカークラブに入るまでに事業会社で4年、広告代理店で5年、営業とマーケティングを主に担う形で様々な手法をプランニングしディレクションしてきました。
ただ、代理店という特性上自社メディア以外を取り扱う場合は、実務者というよりも指揮者としての役割が大きくなるので、自分自身が実際の実務に専門的に対峙しているかというとそうではないと感じていました。

PR全体の構造や考え方、方法論は把握していても経験値とすると足りないというのが自分の現在地だと認識していて、仕事で何より大事なのは実際に手を動かした現場経験があるかどうか、それを時代変化に併せて応用し対応することだと思います。

気付き

プロモートの実務部分は本当に地道で、メディアリストから親和性のありそうなメディアに片っ端から電話をかける。新卒の新規獲得のアポ電みたいな感じでスタートしたのですが、たぶんこのやり方は正解じゃないです。

ここで気付くことがあって、コロナ禍でリモートワークの定着と個人情報保護時代の影響もあり、「PR会社の仕事のやり方そのものが変わってしまうような事態なのでは?」とまずそんなことも思いました。

プロモートにおいて基本的にはメディアとのリレーション(関係性の構築)が大切。
でも、当然新人プロモーターにそんなコネクションはほとんどありません。
そして苦し紛れに、上層部が繋がっている人脈からなんとか記事露出ができた所でそれは自身の成果とは言えないなと。

電話口では「リモートワーク推奨のため、担当者に直接連絡を」というアナウンスが流れ、窓口に繋がったとしても「担当者個人の連絡先は教えられない。」となります。
そもそもコンタクトが取れないという状態。
また、働き方についても以前と比べて社員よりもフリーランスや複業ライターが増えた背景もあり、メディアに所属しているお抱えのライターという関係性では無くなっている面もある。

一方、コロナ禍でも電話をかけて繋がるのはテレビ局と新聞社。でも驚いたことに既にメールで送っているリリースやレターを、「別途FAXで送ってもらえれば会議で共有できるかもしれない」ということで担当者にはなかなか辿り着けません。

そう考えると、以前からの関係性というものは当然大事だとして、それ以上にどんなコンテンツを開発して、どんな文脈で取り上げられる想定なのかというプランニングがより重要になるのは明らかです。

また、PR会社内においては横串で連携した担当者リストなどリレーション一覧の管理やコミュニティ構築など、IT/DXでのソリューションも新たに必要になってくるのではないかと感じました。

広報担当に必要な考え方

上の現状も自身の拙い経験の中で感じたことだけなので、もっと上流でのPR活動をしている方や経験のある方からすると違う考え方も多々あると思います。

ただ、これまでの成果の出し方と、コロナ明けの成果の出し方では状況変化が大きいのは明らかなので、今の実態を把握したPR活動そのものの見直しなのか、新ソリューションの開発といったことも考えても良いフェーズなのかなと感じました。

広報担当者としては、正しく情報を伝える文章力に加えて、コンテンツとして何を仕掛けるか、その先どのような露出をイメージするのか、徹底的にストーリーを描いてプランニングし、さらにそれをロジカルに説明する力を磨くことが必要だと思います。

その前提があった上で、コンテンツとの親和性が高く、関係性あるメディアとのリレーションを活かしてアプローチするのが最低限必要なのかなと。

そして一の矢がダメでも、二の矢、三の矢を打ち込むといった方向転換力も必要だと思います。

実際に自分で掲載を取れた実績で言うと、あれこれリソースをかき集めてストーリーを再構築したり、イベント現場に足を運んで体験レポートとして記事化して提供したり、専門知識を用いて記事作成しメディアに寄稿したりといった活動で、二の矢、三の矢と手を変えてなんとか掲載をしてもらえました。

情報量が多いこの時代、さらに外部環境の変化や働き方改革での人的・時間的なリソース低下などの影響もあると想像できる中で、PR会社に任せれば露出が保証されるのでは無くその前段のコンテンツをいかに魅力的に開発できるかといったプランニングや企業努力も鍵を握ると思います。

これまで仕事でそれなりに成果や修羅場も経験してきたけど、それでも最適なやり方や手法、環境は常に変化していくので一から学ぶつもりでやってみています。

逆に、「こういったやり方が良いよ」とか、「うちの現場は実際こうですよ」というのがあれば皆さんぜひ教えてください。

ちなみに、サッカークラブでこれは良いなと思ったイメージは↓↓
(水戸ホーリーホックとアビスパ福岡の記事)

横浜FCではかろうじてFOOTBALL ZONE(サッカー系メディア)さんに取材をしてもらったものがこれ☝︎

まだまだ学ぶことだらけです。

#PR #パブリックリレーションズ #広報 #プロモーション #マーケティング #Jリーグ #スポーツビジネス


よろしくお願いします🙇‍♂️