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映画 カモン カモン

大丈夫じゃなくても、大丈夫。

普通ってなに?

お互いへの愛を言葉にするのは難しい。

ほんとサイアクだね。

君の話を聞かせて、もっともっと聞きたい。

ホアキン・フェニックスが温かく、ウディ・ノーマンがとんでもなく可愛い!

未来へ、前に進もう。

カモン、カモン…。

A24配給、2021年公開のアメリカ映画。

日本では2022年4月22日に公開。

監督、脚本を“マイク・ミルズ”、主人公ジョニーを演じたのは代表作“ジョーカー”でアカデミー賞主演男優賞を受賞した名優“ホアキン・フェニックス”

ジョニーの妹ヴィヴを“ギャビー・ホフマン”、ヴィヴの息子でジョニーの甥っ子ジェシーを“ウディ・ノーマン”が演じる。

近年増えている、全編“美しいモノクロ”で描かれたとても心地よい映画。

超売れっ子アーティストの“アーロン・デスナー”、“ブライス・デスナー”兄弟の楽曲もいい。

なんだか今回のホアキン・フェニックスは優しいモードの“吉田鋼太郎さん”に見えてしまう(笑)

物語のはじまりは“ジョニー”が“デトロイト”で子供たちにインタビューしているところから。

ホアキン・フェニックス演じるジョニーの仕事はラジオDJ。

ジョニーはジャーナリストとして子供たちからいろんな話を聞き、その考え、思いを分析、発信している。

そんなジョニーに“ロサンゼルス”で暮らす妹の“ヴィヴ”から一人息子の“ジェシー”を預かって欲しいと連絡がくる。

ジョニーはジェシーたちとロサンゼルスで合流、ヴィヴの家でジェシーと二人で暮らすことに。

ジェシーは9歳、とても好奇心旺盛な男の子。

彼はとんでもない“なぜなぜ坊や”で気になったこと、彼の頭のなか、心のなかの“なぜ?”、“どうして?”をジョニーに次々とぶつけてくる。

二人暮らしは数日間…のはずだったが、ジョニーは仕事の関係で“ニューヨーク”へと戻ることになり、“離れたくない”、ジェシーも一緒にニューヨークへ。

ジェシーは“陰謀論”が好き。

“子供のいない親の作り話”、“空想のメール”、“喋る歯ブラシ”

最初は戸惑い、困っていたジョニーだが、

“君の話を聞かせて?
もっともっと聞きたい”

彼といろんな話をするうちに、理解し、絆を深めていく。

ジェシーは音に敏感な男の子。

ジョニーが仕事で使う“マイク”に興味をもち、マイク片手に“ヘッドホン”という可愛らしい姿で“街の喧騒”や“ビーチの音”を集める。

ジェシーの質問はとても鋭い。

“なぜ独りぼっちなの?
なぜママとちゃんと話さないの?
向き合わないの?”

ジョニーが悔やんでること、謝りたいこと、ヴィヴから逃げていること…。

ヴィヴの夫でジェシーの父親は偏執病、強迫性障害といったハンデを抱えた人。

ジョニーは夫婦の関係を深く理解せずに介入して溝を作り、母親の介護でも自分の考えを押しつけてヴィヴを苦しめた。

“自分は逃げている…”

お互いへの愛を言葉にするのは難しいのだ。

“ほんとサイアクだね”

二人はいろんな話をして、まっすぐにぶつかって、“消えない思い出”を残していく。

チビの裏切り者、“ザ・ミスター・ジェシー・マン”

9歳の少年、彼だから通じる話がある。

彼といるとみんな無邪気になる。

“完璧じゃなくていい、メチャクチャになっていいんだ。
ときにはすべてを解放していい。
僕は忘れない、忘れても僕が思い出させてあげる”

母親、本当の父親には勝てないのかも知れない。

それでも“かけがえのない友達”にはなれた。

物語は“ニューオリンズ”で終わりを迎える。

“君が未来を想像するとき、なにを想像しますか?”

何ものにも縛られない子供たちの“自由な発想”は偉大だ。

絵本の世界も一緒、学びが多い。

“星の子供”の星に還る日。

人はその日まで、未来へ向けて人生の旅を続ける。

“未来は考えもしないようなことが起きる。
思ってること、考えてること、考えつくことはまず起きない。
想像もできないこと、思ってないこと、考えもしないことが世の中では起きる。
だから前に進むしかない。
どんどん先へ、先へ先へ…”

大丈夫じゃなくても、大丈夫。

きっと大丈夫。

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