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きざはし|短歌de物語

くれなゐに染めたる胸のきざはしを
 川に架けやる黒髪の姫


暮れかかる薄紅うすくれなゐの灯を立てて
 桜の下で歌主うたぬしを待つ


目見まみ交はし寄り添ひてなほあくがるる
 そぞろに甘き 桜流しよ


時されど立ち去りかねて眺むれば
 心はゆかず 花筏ゆく


しき髪くしけずれどもさみだれて
 耳朶に通す風のを聞く


歌主:(和)歌の作者/手紙の書き手
そぞろ:理由や根拠がないさま
時されど:時が来たけれど
心がゆく:心が晴れる/満足する
さ:語調を調える接頭辞
通はす:人や文などを行き来させる


LINEで待ち合わせして彼と川向こうの桜を見に行ったら雨も降ったけどキュンキュンした〜またすぐに会えるといいな☆

を、和歌風に。
(和歌はもともと恋を伝えるためのメディアでしたから。)

上は超訳でしたが、たぶん雰囲気的には、こんなふう↓↓な、しっとりした情緒なのだと思います。
横笛は桜に似合う...(◔‿◔)♡

プーランクのフルートソナタII : Cantilena

カンティレーナとは、抒情的歌謡的なメロディを持つ器楽曲だそうで、この副題がついているピースは素敵なものが多いです。



#短歌 #桜の短歌 #恋の短歌 #和歌風
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