見出し画像

時の花が咲く方へ|詩|かよんさんの絵に寄せて


目を閉じて
小鳥に時をたずねたら
そよ吹く風が
髪を揺らした


朝な夕な
時の薄もやのなかを歩く
誰かの呼び声を
聞きながら

小鳥が歌う方へ


こわれたシャボン玉を探しに
しおれた花を
つぼみの朝に連れて帰るために
陽にとけた雪の結晶を
ふたたび裸の梢に結ばせるために


聞こえてくる声
時間の花の
花びらが
ひとひら
ふわりと風に透けるのは
優しいひとたちの
おもかげが
浮かぶから


失くした記憶を
取り戻す日まで
導かれるように
歩く

淡雪のなかを
白い虹のさなかを

耳もとでささやくのは
風にまぎれた
フルートのひと節

澄んだ音色が
ひとつの夕暮れを
朝に巻き戻していった

きっと
あと
もう少し


目を閉じて
小鳥に時をたずねたら
あなたの声が
胸に咲いたよ





かよんさんの絵がツボだったので、詩を書いてみたけれど。雰囲気が違っていたらごめんなさい🙏

表情も髪も服もとても素敵なのですが、とりわけ足もとが少女っぽくて、心に響きました。


どこでもない場所。季節があるのなら、冬。

広大なイングリッシュ・ガーデン、ヒースの野ではないけれど、かよんさんの人物画は、背景の空間がどこまでも広がっている感じがします。描かれていない広がりに、いろんな物語が隠れていて、たとえばこの少女がそこを旅して、さすらっていくような、そんなファンタジーのイメージです。

加えて、いつも素敵だなと思うのが、絵だけでストーリーを語り、しかも語り終えてしまう雄弁さがあること。「挿絵」ではなく、単体で「物語」なのです。わざわざ何か言葉で説明しなくても、すでに完全体な感じがして、すごいなあと感心させられます。


みなさま、かよんさんの可憐でピュアな少女、奥行きのある世界をぜひご覧になってみてくださいね(◍•ᴗ•◍)✧*。



#かよんさんありがとう
#詩 #少女 #ファンタジー #物語 #記憶
#note感想文

いつもサポートくださり、ありがとうございます。 お気持ち、心よりありがたく拝受し、励みとしております。