社会の「構造的暴力」の是正と「連帯」の必要性
田畑茂二郎によれば、今日においても、平和を守るためには、それぞれの国内において人権を尊重する体制が作られる必要があることは変わりはない。しかし、発展途上国、特に戦後植民地から独立した国において、顕著な社会の不公正や人びとの貧富の差、抑圧などを生む社会構造そのもののもつ歪みが、武力と異なる一種の暴力として人間を傷つけており、この社会的暴力を是正しないかぎり、人権の問題は解決されない。このような国々にとっては、人権問題は半永久化された貧困状態と切り離して考えられないのであって、人