アンテナの感度

うちの職場に、少し仕事の内容を覚えるのがゆっくりな方がいる。

ベテランの先輩が手取り足取り教えても、そのベテランの方を含め周りの社員に納得いくような働きがまだまだできていない。
故にしょっちゅう怒られている。

いや、私もどちらかというとゆっくりの方なので全く人のことは言えない。明日は我が身と思って、一緒にその叱責を聞いて震えてしまうほど。

ふつうの口調で、「これは違いますよね？◯◯のところをこうしたらいいですよね？」と諭されていることもある。

が、あまりにもやれていないレベルが過ぎ、しかも頻回にやらかしてしまうと、教えているベテランの先輩の方の気持ちが収まらない。

「もう！前も言いましたよね？分かってます？私の伝え方が適切ではなかったのかもしれませんけどね、でも、それでも...」

と火に油が注がれるが如くである。

私が同じようなことを言われてしまったらもう思考停止してしまって、何も考えられなくなってしまうかもしれない、というほどのレベル。

だが、その方は一向にへこたれない。
すごく申し訳ないという感じも出さないし、しょげる感じもない。
ただ、怒られたことや問われたことに答えて、今後どうしたらいいのかという先輩からのアドバイスや叱責を淡々と聞いている。

落ち込んだり、逆ギレしたり、はたまたそれで「もうこんなとこ辞めてやろう！」ということもない。

側から見て、この方は早くに職場を去るのではないか？と内心思っていたのだけれど、出勤日は必ず来るし、怒られるけど怒られた事実だけを受け止めている様子。

...正直、凄いなぁと思う。

色んなものを受け止めるアンテナがきっと私と違うんだろうな。

仕事を覚えるのがゆっくりなのは、職場としてはマイナスではあると思う。何度もそのベテランの方の手を煩わせて、気持ちを害してしまっているわけだから。

でも、必要以上に落ち込まない、言われたことを言われた内容の通り受け止めるだけというそのアンテナは、ちょっと強みになるかもしれない、とすら思った。

私はもしなにかを注意されたとしたら、その言われたこと以上に落ち込むことが多い。
何てダメなやつなんだ、とさえ思ってしまう。
もしかしたら注意してくれた方はそこまで思ってないとしても。

とにかく私のアンテナは過敏すぎるのだ。

周りの目、周りの雰囲気を察しすぎる。

もう少し、私のアンテナの感度を弱めてもいいのかなと、その方を見ていて思う。

そして、同じように伝えても、受け取る側のアンテナというものはそれぞれなんだなと改めて感じた。

当たり前のことかもしれないけど。

つい自分のアンテナと同じものが付いていて、同じように受け取ってもらえるものと思いがちだから。

相手を慮って何かを伝えるということの難しさも痛感しているところだ。

#アンテナ #つぶやき #仕事 #伝える #感度 #薬剤師 #敏感 #過敏 #受け取る #慮る #思う #思いやる #落ち込む