Kumiko Nakajima

滋賀県在住。 カフェでコーヒーを淹れたり 演劇をしたり メガネを売ったりしています。 …

Kumiko Nakajima

滋賀県在住。 カフェでコーヒーを淹れたり 演劇をしたり メガネを売ったりしています。 趣味は読書とテトリスです。 自分の思い出や見たものや感じたことをぽつぽつと書いております。

最近の記事

郷愁におそわれて

日が長くなった最近の夕暮れ。 思いの外早く家に帰れて夕方にしては明るい18時の窓の外を眺めながらビールを飲んでいると、とてつもない寂しさが込み上げてきた。 実家を出て約半年が経ち、同棲生活もとっくに慣れた。 ほんの一年前くらいに、結婚をせかす母に、冗談めかして 「出ていって欲しいの?」 というと母は間髪入れずに 「いつまでだって一緒に暮らしても良いんだよ」 でもね、タイミングを逃してはいけない、というような旨のことを続けて諭した。 夕方にこたつで寝落ちして、なんと

    • 蟻を食べた話

      虫を食べた話をします。 苦手な方はお気をつけて。 くみちゃんにあげる と、おーちゃん(当時幼稚園生)はチュッパチャプスチェリー味を私にくれた。 ゲームセンターで取ったやつの、たぶんあんまり好きでは無い味だったのだろう。 身の回りに幼児のいない環境だった私にとって、子供が何かをくれるなんてめったにないことだったのでなんだかとても嬉しくて、それを宝物入れ (学生時代にお誕生日でもらった、ビーズで編まれた四角い小物入れ) にしばらく置いておいた。 1〜2ヶ月ほどそうしてお

      • 地下鉄で他人のゲロを拭いた話

        吐瀉物の話をします。 苦手な方は読まないでください。 7〜8年前だったと思う。 大阪での一人暮らしを謳歌していた頃 仕事終わりに演劇仲間とベロベロに呑んだ帰りに、最終近い御堂筋で帰宅途中 はっきりしない頭で電車に揺られていた。 すぐ近くに50代くらいの3人組がいて、ひとりのおばさんを残して友人であろう男女が下車して行った。 おばさんはひと席空いた席に座る。 私の隣の席だった。 電車が発車してややもすると、おばさんはダイナミックに嘔吐した。 一瞬にしてたちこめる独特の

        • 他者と暮らす

          色々あって、他人と暮らしています。 この場合の「他人」とは「他者」 自分以外の人、を意味します。 わたしはこれまで「家族」と「自分」とだけしか暮らしたことが無かったので、未知の生活だったのですが。 いま一緒に暮らす人はいわゆる「婚約者」にあたるひとで、何事もなければこれからも一緒に暮らしてゆく予定の人です。 「のろけかい」 と言われそうな気もするが、彼との生活が発見の連続なので、忘れたくないことを書いておこう。 既に忘れてはじめている。 先日実家で柿がたくさんとれたの

        郷愁におそわれて

          常連のおじい

          ある日、誰も来ないはずのカフェ午前中の営業中におじいがひとり、ふらっと入ってきた。 白髪の、細面の薄いサングラスのおじい。 おじいはコーヒーを一杯頼み 「あんた家はどこなん」 実家だしプライバシーもアレだしと思いながらもぼんやりとした方向だけ伝えた。 お互いモゾモゾとした感じで、おじいは会話もそこそこに帰っていった。 おじいは何を気に入ったのか、次の日もやって来た。 わたしのことは根掘り葉掘り聞くくせに、自分の素性は明かそうとしない。 話ぶりからはどうやらお店

          常連のおじい

          目と耳を塞ぎながら

          動物が酷い扱いを受けていることを知らせるニュースが見たくない。 幼い子供が被害に遭ったことを知らせるニュースが見たくない。 酷い戦争のニュースも見たくない。 非常識な運転を捉えたドライブレコーダーの映像が勝手にSNSで流れてくるのも見たくない。 その運転手が車から降りてきて怒り出すのも見れない。こわい。 怒鳴っている人の映像も見たくない。見れない。 店員さんが怒鳴られてるのも見れない。 知らない素人が撮った動画が見れない。こわい。 何が起こるかなにが記録されているの

          目と耳を塞ぎながら

          私とT子さんの青春の日々

          高校を卒業後、わたしは2年制のミュージカルスクールに通っていた。 月曜日から金曜日まで、ダンスや歌やお芝居のレッスンを受ける。 劇団四季やテーマパークのパフォーマー、演劇へ進むなど芸事を仕事にしたい男女が集まる。 高校卒業以上から、社会人を経て入学してくる人もいるので年齢層はわりと幅広い。 同期は多くて20人程度。 私の同期も、途中減ったりもしつつ15人程度。 その頃わたしは歌が好きで演劇に興味があり、そのスクールはダンスにかなり力を入れていたのでここはひとつダンスの力

          私とT子さんの青春の日々

          口笛男 全力疾走

          電車を乗り間違えた。 しまった。今日は休日ダイヤだった。 琵琶湖の対岸へ向かう電車の分岐となる駅で、はっとした。 月に一度、所用で琵琶湖の対岸へと通っている。 何年も通い慣れた約2時間の小旅行なのだが、珍しく日曜日に行くことになり、前日に何度も確認したにも関わらず間違えてしまった。 乗り換え案内には、琵琶湖を時計回りのルートと、その反対回りのルートが提示されとってもややこしいのだ。 そしてとにかく本数が少ない。 次の電車は1時間後。 直通ではなくても、なんとか乗り継いで

          口笛男 全力疾走

          コーヒーを淹れるならこれくらいで

          なんとか一年と5ヶ月、カフェでの仕事をやってこられました。 つまりは私のハンドドリップ歴も約一年半となります。 ハンドドリップでコーヒーを淹れることや、コーヒー豆を選ぶことに対する難しそうな感じを軽減できるような、気楽なコーヒーの楽しみ方、淹れ方をここに書いてみたいと思います。 これから先は 「ちょっと初めてコーヒーをドリップしてみようかな」 という方が読むという設定で書きます。 既にドリップを楽しんでいられる方、コーヒーガチ勢の方は後ろの方でニコニコして見ていてください

          コーヒーを淹れるならこれくらいで

          初めての野球観戦

          今年の3月の初旬、仕事を終えて家に帰ると母がテレビにはりついていた。 「大谷くんが投げるよ!」 と嬉しそうに言った母は決して野球ファンという訳ではなく。 しかしなぜかテレビで見られるスポーツ観戦には敏感で、深夜にサッカーの試合を連日見ていたり、フィギュアスケートの大会もチェックしており、アメフトの試合も「さっぱりルールが分からん」と言いながら見ている。 わたしはそれまでテレビで野球の試合を最初から最後まで見たことが無く。 野球といえば幼少期にだいすきなアニメやバラエティ

          初めての野球観戦

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          今までアメブロに細々と、本当に細々と途切れながらも日記のようなものを書いてまいりました。 「文章おもしろいから、noteとかやってみたらいいのに」と言われたりはしたものの (でもアメブロあるからなぁ。TwitterもFacebookもあるし) と思いつつ今回やってみようかな、と思いましたのは Twitterでの情報収集に自分自身がちょっと疲れたということ、最近は投稿を書いてみるものの、140字じゃあ足りないな、と思い消してしまうことが増えたこと。 そして文章を書くことが

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