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コーヒーを淹れるならこれくらいで

なんとか一年と5ヶ月、カフェでの仕事をやってこられました。
つまりは私のハンドドリップ歴も約一年半となります。

ハンドドリップでコーヒーを淹れることや、コーヒー豆を選ぶことに対する難しそうな感じを軽減できるような、気楽なコーヒーの楽しみ方、淹れ方をここに書いてみたいと思います。

これから先は
「ちょっと初めてコーヒーをドリップしてみようかな」
という方が読むという設定で書きます。
既にドリップを楽しんでいられる方、コーヒーガチ勢の方は後ろの方でニコニコして見ていてください。

まずは道具です。
最低限ほしいのはドリッパー、フィルター、ドリップポットですね。

この名称で実物が頭に浮かばない方はどうぞ一度ググって頂き、その形状を目に焼きつけてきてください。

ドリッパー、フィルターは100均で手に入ります。
由緒あるメーカーのドリッパーでも、プラスチックのものなら500円以下で手に入ります。
ハンズや、大きめのスーパーやホームセンターのキッチンコーナーで売られているはずです。

円錐形でも台形でも好きな方でいいと思います。
台形の方がフィルターが安いです。

ドリップポットはあった方が断然良いですが、然るべきメーカーのものはそれなりのお値段がしますね。
最近では100均の1000円のものなどもあるようですが。
私としては家にある、チョロチョロとお湯を注げる急須やティーポット、500mlくらい入る計量カップ(持ち手のあるもの)でまずはやってみればいいんじゃないのと思います。

さらに2人分、3人分淹れたい方はコーヒーサーバーも欲しいところ。
1人分ならカップに直接落とせば良いのですが、複数人分淹れるにはやはり必要。
これは落ちてくるコーヒーの量が分かるものがいいので、透明なものをお勧めします。

わたしは1人分をマグカップに淹れているときにしょっちゅう溢れかえらせておりました。

お家に偶然あるティーポットや500mlの計量カップでも代用できます。
この時点で計量カップかティーポットがふたつ必要になってますね。
大丈夫。探せばなにか、何か使えるものがあるはずです。
早まって新しいものを買わないでください。
あなたはまだ日常的にコーヒーを淹れると決まった訳ではありません。
とにかく代用品を探すのです。

道具の目星がついたところで、コーヒー豆を買いに行きましょう。
スーパーや輸入食品店でお手頃な豆の大袋を買ってもいいのですが、コーヒー豆の美味しさは新鮮さと大きく関係しておりますので、ここはひとつご近所で焙煎して販売してくれるお店を探して行ってみてください。
よほどのど田舎でなければ近所に一軒くらいはあるはずです。
よほどのど田舎でもこだわりの喫茶店で豆の販売もされてる場合があります。

今までコーヒー豆を買うことを想定しない日常を送ってらしたあなたが、毎日そのお店の前を通っていたりしませんか?
自分とはおおよそ無関係と思っていた、黒板でコーヒー豆の種類が書かれた、樽や麻袋のディスプレイのあるそのお店にどうぞ勇気を出して入ってください。

そしてあなたはたくさんの豆の前で何を何グラム買えば良いのか分からず、お店から出て行きたくなるでしょう。
そんな時は店員さんに聞きましょう。
「初めて豆を買うんですが…」
大丈夫。彼ら、彼女らはもとよりコーヒーが好きな人たち。いわばコーヒーの伝道師のような人たちです。
とんでもなく混雑している場合を除き、店員さんはきっと親切に接してくれるでしょう。
そして店員さんはきっとこう言います
「どんな味のコーヒーがお好きですか?」

コーヒーにコーヒー味以外の味があるんかい。

おどろきますよね。
まごまごしてるときっと店員さんはこう聞いてくれます
「酸味があるものとか、苦味が強いものとか…」

「酸味のあるコーヒー」と聞いてピンとこない方は、「酸味のない(少ない)コーヒーがいいです」と言いましょう。
すると店員さんはきっと何種類かの豆をすすめてくれるでしょう。
その言葉の中に「マイルドな…」とか「バランスのとれた…」とかが入っていれば、いわゆるコーヒーとして普段飲むコーヒーの味のコーヒーです。

そこから産地に思い入れのあるものや、名前がかわいいな、と思った「ピンとくるもの」を選びましょう。
私は初めの頃「温泉ブルボン」という名前のコーヒー豆ばかり買っていました。
「温泉」というワードはなんだか嬉しいし、「ブルボン」もなじみがあってかわいいからです。
違う種類の豆を買ってみて、味の違いを楽しんでみるのも良いでしょう。

「何グラムにされますか?」
だいたいのお店の最小が100gになると思います。
1人で飲むなら一回で10〜12g。
100g買えば8〜10杯は楽しめます。とりあえずは充分です。
ご家族や同居人の方とたのしむなら200g買えば良いでしょう。
昨今のコーヒー豆の価格としては、100g800円くらいでしょうか。
最初はちょっと高く感じますよネ。
分かります。

「豆のままですか、挽きますか?」
お家に偶然コーヒーミルが無い方は挽いてもらいましょう。
こだわりのコーヒー豆屋さんならこの時に淹れ方も聞いてくれます。
それに適した粗さに豆を挽いてくれるのでしょう。
元気に「ハンドドリップです!」と答えましょう。

親切な店員さんは、きっと豆の保存方法なども教えてくれます。
豆でも粉でも鮮度が命!
このときの助言は極力守る方向でいきましょう。

そうしてコーヒー豆を買って帰る最中、とても良いコーヒーの香りがあなたをつつみます。
コーヒー豆を持っていることをすっかり忘れてバスや電車に乗り
「今日のバスはとても香ばしいコーヒーのにおいがする気がするな。誰かコーヒー持ってるのかな」
と思ってご機嫌でいたら、自分だったことが何度かあります。

そして次の休日の午前中、コーヒーを実際淹れてみようではありませんか。
もちろん仕事の日の朝の時間に余裕のある方はすぐにでも。
夜コーヒーを飲んでもぐっすり寝られる方は夜にでも淹れましょう。

ドリッパーにフィルターをセットします。
フィルターは台形でも円錐形でも、フィルターの継ぎ目に当たる射線のようなものが並んだ部分を、ペキっと折りましょう。
美味しくなるおまじないです。

そしてコーヒーの粉を一杯なら10グラムくらい。2杯分なら18グラムくらいをフィルター内に入れ、外からトントンと叩いて全体的に平らにします。

最初は10グラム測ることをお勧めします。
なんとなく10グラムが分かったら次からはそれを目安にしたらいいでしょう。
測りがない、めんどくさい、というワイルドスタイルの方は「オレの。わたしの10グラム」をセットしましょう。
いいんです。豆はまだあります。
濃すぎたら薄めて飲めばいいんです。
薄いコーヒーになったら次は粉を増やせばいいんです。
(焙煎度合いにもよりますが、大さじ軽く2杯で10グラムくらいになると思います。)

小さめのカップで飲む方はだいたい150g
マグカップで飲む方は250gが完成の量になります。
上記しました10gはいわゆるコーヒーカップの量になりますので、マグカップで飲む方はもうちょっと多めに粉を用意しましょう。

そして粉をセットしたドリッパーをカップの上か、コーヒーサーバーに準ずるものの上に置き、いよいよお湯を注いでいきます!

沸騰したお湯をドリップポット、もしくはそれに準ずるものに入れます。
ティファールから直接いく!という方はどうぞ火傷に気をつけて。

そしてセットした粉にまんべんなくお湯をかけます。
このときは下に数滴落ちるくらいで止めましょう。
たちのぼる湯気、しっとりとふくらむコーヒーの粉、今までに嗅いだことのない豊かなコーヒーの香りがしてくる事でしょう。
わたしはこの瞬間がコーヒーをハンドドリップで淹れることのピークだと思います。
そこから約30秒。
目安としてはコーヒー豆のふくらみ、そこから出てくる空気のぷつぷつという動きがおさまるくらいです。
この素晴らしい時間をたっぷり楽しみましょう!
これで満足して用事を思い出してコーヒーを淹れてることをすっかりわすれて、小一時間後に思い出して続きを淹れたことが何度かあります。
それでも飲めます。大丈夫。

その後はテレビやなんらかの情報媒体で見たり聞いたりしたことがあるように、コーヒー豆の中心を狙って小さい円をかきながらお湯を注ぎます。
お湯がコーヒーの粉の量を超えそうになったら止める。
お湯が落ちて行って落ち着いたらまた注ぐ、を繰り返します。
ティファールから直接注いでいる方は円を書くのは難しいかと思いますが、なるべくちょっとずつ注いでください。
それをカップ一杯分や、お二人分なら300mlくらいでしょうか、欲しい量まで繰り返します。

これでコーヒーの完成です!

あとはテレビや音楽を楽しみながらゆっくりコーヒーを飲むだけ。
高い豆で淹れたコーヒーは冷めても美味い。
冷めてチンしても美味い。
牛乳を入れたっていいんです。
コーヒーをブラックで飲まないといけない決まりなんてありません。

以上の工程を「わりといいな」と思った方はここから違う種類のコーヒー豆を試してみたり、コーヒー関連のグッズを増やしてみては如何でしょうか。
毎日の楽しみが生まれるかもしれません。
もっといろんな方法で淹れてみたい!という方はどうぞYouTubeや本などでさまざまな淹れ方やコーヒーに関する知識を調べてみてください。

でもいいんです。
楽しく、自分が美味しく感じるものを
日常の中でできる範囲でやるくらいで。
お金もらって淹れるんじゃないんだから。

ちなみにわたしは普段自分のためにコーヒーを淹れるのは一杯分のドリップパック。
あのカップに直接セットできる個包装のものをスーパーで買ってます。
なんせ楽ちんですから。

初期に買ったものの、以降あまり使っていないドリップポットは母がガーデニングの際の水やりに使ってくれています。
母曰く口が細くて長くてとっても注ぎやすいそうです。

どうぞ素敵なコーヒーライフを!

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