フォカッチャが食べたくて
今では、ほぼ週イチで通うお店だが
やはり最初は緊張するものだ。
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同じ毎日のような気がして、
週の終わりの疲労感は毎回ちがう。
忙しい週だったのに元気に動ける日、パワーセーブしたのにベッドから出られない日などさまざま。
ひとすじの光。
5年続けていたジェルネイルをやめた私は
爪も割れて掃除もやる気がなく、どこかシャキッとしない週末を迎えようとしていた。
ふと先週食べたモスバーガーのフォカッチャサンドが美味しかったことを思い出し、他にフォカッチャ屋さんはないかと寝そべりながら検索した。
意外とあるものだ。
明日、行ってみようか。
なんとなくパン屋さんは朝が勝負なイメージなので、OPEN直後に行かねば。
早起きできるかもしれない、新しいお店へ行くという期待のような一筋の光が見え、その日はすぐに寝た。
思考停止。
秋の朝はいいものだ。
風がひんやりしていて、日差しが暖かい。
しかしあと1時間もすれば太陽がジリジリと肌を攻撃するのだろう。
そんなことを思いながら到着した
『TAROTOMARU BAKERS』
OPEN前に着いて、店の前でしばらく待っていたがしばらくして人が集まってきた。店内には同時に4人までしか入れないようだ。
先月行った別のパン屋さんでも人数制限があったが、みんな無視して入っていた。ルールを守った私が『変な人』のような目で見られた。
今回も同じ予感がしていたが、TAROTOMARUのお客さまはしっかり人数制限を守っていた。
そして店内に入る。
テイクアウト専門の小さいお店だが、たくさんのフォカッチャや焼き菓子が
『綺麗に』並んでいて芸術作品のようだった。
壮観な眺めに圧倒され、『選ぶ』という思考が一瞬停止した。
私は昔から、
パン屋さんで1〜2個買って出る事ができず、
トレーが埋まるまでパンをのせ続ける。
この日もそうだった。
生きてるって、楽しい。
お会計を済ませお店をあとにし、自宅へ向かう。
その帰り道に、なんとも言えない幸福感に包まれた。
昨日までのやる気のない冴えない私が嘘のように、足取り軽やかでスキップでもしてしまいそうなくらい心が満たされて、月曜から金曜の労働なんてなかったかのように元気を取り戻した。
"フォカッチャを買えた!嬉しい!"
まるでお祭りの、ヘリウムガスで浮く風船を買ってもらった子供のように楽しくなった。
言っておくがまだ食べていない。
食べていないのに、こんなに楽しいのだ。
やっと食べます。
フォカッチャ(チーズ、オリーブ、バジルトマト)
マフィン(オレンジ、オレオ)
ビスケットブラウニー
まずはじめに、
バジルトマトのフォカッチャと、オレンジマフィンを食べる。
フォカッチャのような分厚めのパンは、先に具のほうを食べ、後半はパンだけの味気ない感じになるのだと思っていたが、このバジルトマトは濃いめのしっかりした味なので、ひと口食べた余韻であとふた口食べられる勢いだった。
一切れのたくあんで、白米をふた口食べる感覚に似ている。
このフォカッチャは白米感覚なのだ。
オレンジマフィンは一気に食べてしまうのがもったいなくて、少しずつ食べようとすると綺麗な形が崩れてしまう。
人目を気にせず思い切って大口開けて食べるのが正解。
上にのってるってるオレンジをひと口で食べてしまっても、生地全体にオレンジが練りこまれているので、最後まで爽やかな甘みが楽しめる。
そして夜はオリーブ、チーズのフォカッチャを手作りビーフシチューに付けて食べた。分厚いフォカッチャにビーフシチューを浸すと美味しい。
最強の組み合わせである。
そしてオレオのマフィンは誰もが好きな味。
最後に食べたのはビスケットブラウニー。
昼間は気温が高かったので、購入してすぐ冷蔵庫に入れていたのだがそれが功を奏し、チョコレートケーキのような風味になっていた。
チョコレートが濃厚で、生チョコのようになめらか。
また、もう一度食べたいと思うような美味しさである。
『TAROTOMARU BAKERS』の魅力は、
とてもひとつの記事では紹介しきれない。
今後も通い続け、また新しい美味しさを発信していきたいと思っている。
そのときは是非また読んで頂きたい。
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