見出し画像

名作に出会った後の喪失感を味わってください

目次と太字だけでも伝えたい

「感動した」だけでは終わらせたくない作品

久しぶりに感じた鑑賞後の喪失感
ハッピーエンドで終わる作品なのに、今後これ以上に傾倒できる作品に会えるのだろうかという喪失感が勝ってしまった。
一旦名作に出会ってしまうと、感動の閾値が上がってしまう。
つまりちょっとやそっとの作品では満足できなくなってしまうのだ。
なんとも罪な作品である。

キャロルにどこまでも傾倒するテレーズ

テレーズの、キャロルに対するどこまでも一途で純粋な愛は二度と帰らぬ若さを思い出させてくれる。
年を重ね、分別がついてくると外野のノイズが気になるものだ。
しかし、未知・未熟ゆえのキャロルしか目に入らない若さ
そしてどんな代償を払っても、最後は自分に正直に生きる強さ
テレーズの若さゆえの狂気に数年前の自分を重ね、強く共鳴したのは私だけではないだろう。

「間」と「目」だけの演技

言葉では共有できない彼女たちの感覚があの「間」と「眼」に表れていた。
言葉はなかったほうがよかった。
あの空間、時間は観客さえも踏み込めない神聖なものだった
から。
言葉にした瞬間、あの雰囲気が俗っぽくなってしまう。
むしろ観客に伝わる様な言葉は発してほしくないとさえ思ってしまった。
まさに彼女たちだけの時間が流れていた。

同性愛の恋愛作品?そんな狭いジャンルにカテゴライズされるものではない

人が人に惹かれること
自分のアイデンティティと我が子のどちらを取るか
もっと普遍的で大きなテーマを扱っている作品

そして、誰もが心の奥底で渇望する恋
どんな代償を払ってもこの人を愛したいと思える恋を
豊かに、繊細に描写した作品
だった。

次の名作に会えるのはいつだろう。


この記事が参加している募集

#多様性を考える

27,720件

#おすすめ名作映画

8,123件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?