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グリーフ哲学

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大切な方を亡くした方に
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#死者と生者

夜祭幻想

夜祭幻想

先夜、市内の神社仏閣での屋外アートとライトアップの催事に行ってきました。

日中は来る人を浄め癒す神社仏閣も、夜は門を閉ざし、また閉ざさないまでも、立ち入るのを拒むような気に充たされる空間になります。

それはそうした場が、夜には、現世のものではないものにとっての空間となるからでしょうか。

ただ、祭りの日は、人間とカミが、そして生者と死者が行き交い、出会う場となるのでしょう。

私は、あの日から

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グリーフ哲学をー身体と広さと

グリーフ哲学をー身体と広さと

ご無沙汰しています。暑い中にも、空の青さに秋を感じる季節になりました。

夫が亡くなって2年目で引っ越しをしたときのことを思い出します。残暑
厳しいこの季節のことでした。いろいろとあって、一人で住むのに十分な広さのところに引っ越すので、夫のものをほとんど処分しなければなりませんでした。しかも、短期間に。

書籍、服、書類や、訳の分からない数式やらを無茶苦茶丁寧に書き込んだ何十冊ものノートやら。その

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グリーフ哲学をー死者との対話

グリーフ哲学をー死者との対話

実家に落ち着いたと思ったら、次から次へと、心が泡立つようなことがいろいろと起きますが、習い始めた三味線の練習が、意外に心の落ち着きを得させてくれています。

夫が亡くなった直後は、一連の喪の儀式のためのあれやこれやで、悲しみはあるのだろうけど、良くも悪くも、それにとらわれている自分がいました。

儀式的なものが落ち着き、周囲への対応も一段落つくと、一人取り残された感覚が襲ってきます。だからといって

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