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戸羽れい
2022年10月14日 16:12
先夜、市内の神社仏閣での屋外アートとライトアップの催事に行ってきました。日中は来る人を浄め癒す神社仏閣も、夜は門を閉ざし、また閉ざさないまでも、立ち入るのを拒むような気に充たされる空間になります。それはそうした場が、夜には、現世のものではないものにとっての空間となるからでしょうか。ただ、祭りの日は、人間とカミが、そして生者と死者が行き交い、出会う場となるのでしょう。私は、あの日から
2022年6月1日 19:19
天災というのは脅威であり、だからこそ、まだ起こってもいない地震にも恐れを抱きます。けれども、恐れよりも根本的な情状性は、不安 です。不安はそれ自身としては恐れをはじめて可能ならしめる。(M.ハイデガー『存在と時間』、原佑・渡邊二郎訳、中公バックス)恐れとは、何か脅かすものがあるからこそ恐れる。確かに地震は予測不可能ですが、日本が四つのプレートの境界線上にあって、だからこそ地震が起こるという
2022年3月21日 21:20
中原中也「一つのメルヘン」小林秀雄が最も美しい遺品だと賞賛し、大岡昇平が異教的な天地創造神話だと評した、美しくも優しい永訣歌。この作品は、一つの哲学である。それを「一つのメルヘン」で語ってしまうところに中原中也のすごさがある。秋の夜は、はるかの彼方に、小石ばかりの、河原があって、それに陽は、さらさらとさらさらと 射してゐるのでありました。 陽といっても、まるで珪石か何かのやうで、