#note文芸部
連載小説「超獣ギガ(仮)」#4
第四話「反撃」
十二月二十五日。午前。
三日月の灯る早朝の東京、晴海埠頭。
神が失われた世界において、人々は誰に何を祈るだろう。合わせる手を持つだろうか。
まだ雪が溶けるまでに至らない時間。
暁の無音をわずかに葬りながら、その冬三度目の降雪はややその勢いを失いながら、しかし、地上に住まう人々を濡らさんとばかりに再び細やかな雨に変わりつつあった。雨から雪。そして雨。埠頭を染めた白は溶か
連載小説「超獣ギガ(仮)」#5
第五話「会敵」
真冬の早朝。東京。
最新の人類と超獣が睨み合う晴海埠頭。
乾いた、高い音色を伴って、点々と凍ったアスファルトを跳ねて滑る薬莢。いくつかは海に落ち、既に絶えた誰かの足元にたどり着いたいくつかもある。ここに果てた人々は遺志を告げることなく、唐突に、最終を迎えることになった。
その近くに、一人が着地した。爪先に回転していたそれを抑えた。靴の下に真鍮。空白を抱えたそれは踏みつけ