なんちゃって宗教学者が紹介するパワースポット：東京編
はじめに
本書は大学院で宗教学を学んだ筆者が実際に訪れたおすすめの寺社仏閣やパワースポットを紹介するシリーズ第1弾である。今回は東京の有名な神社や、ちょっと珍しい神社をご紹介。この神社ではどういったお願い事をした方がいいかなど、有名神社でも知られていないおすすめの参拝方法もご紹介するつもりである。原宿にあるもう1つのパワースポットとは？ アニメの聖地にもなった新宿の神社とは？ そして日本でも最強クラスのご祈祷をお願いできる神社とは？ 1つでも気になった方はぜひ読んでみてほしい。
原宿編
皆さんは原宿にある神社と聞かれてどこを想像するだろうか。当然大半の人は「明治神宮」とお答えになるだろう。しかしその明治神宮の近くに、天皇家に仕えた東郷平八郎を祀った「東郷神社」があることを知る人は少ないのではなかろうか。原宿に行ったら明治神宮はもちろん参拝すべきだが、その次に東郷神社にも参拝することでさらなるご利益を得られるだろう。
明治神宮は明治天皇と昭憲皇太后を祀る神社であるため、縁結びなど様々ご利益を期待して参拝される方も多いだろう。ただ「神宮」というのは伊勢神宮を始め、天皇家・皇室とゆかりのある重要な神社という意味がある。なので明治神宮でお願い事をする際には、明治天皇により今の日本があることへの感謝と皇室と日本、世界の安寧を願った上で、自身のお願いをする方がより正式と言える。また明治神宮ではお願いを紙に書いて祈祷をしてもらえる場所が拝殿のそばにあるため忘れずに寄ろう。なお本殿には上がらないため、初穂料はお気持ちで問題ない。悩む場合は500円前後を入れておこう。
なお筆者は清正の井戸に良いパワーも悪いパワーも感じなかったが、庭園はキレイなので1度入ってみるのをお勧めする。ただし清正の井戸のパワーとは相性があるらしいので、庭園に入りたくないと感じる場合は無理に入らないことをおすすめする。以前ほどは人が来なくなったとはいえ、やはり多くの人が願いをもって訪れるパワースポットには人間の「欲望」というマイナスのパワーが溜まりやすいものなのだろうか。
さてそんな明治神宮に程近い場所に東郷神社はある。原宿駅竹下口を出て直進し、マツモトキヨシが見えたら左に曲がる。するとそこはもう東郷神社の敷地だ。東郷神社は勝利の神様として東郷平八郎を祀っている。まずは東郷が日本国を守ってくれたことに感謝し、ここぞという勝負の時に力を貸していただけるよう真摯に祈るのが吉だ。因みに東郷神社は近年「恋愛に勝つ」という御利益についても売り出し中だ。
さらに原宿には隠田神社という神社があるのだが、こちらにはまだ参拝できていない。参拝したら、こちらのnoteかX（@bioethicsclinic）でご報告させていただく。
東京都庁はパワースポットに囲まれている！？
新宿十二社という言葉もあるように、新宿、特に東京都庁の周辺はパワースポットに恵まれている。例えば都庁のすぐそばにある新宿中央公園の敷地内にある新宿十二社熊野神社もそうだ。こちらの神社は新宿中央公園と共にアニメ『デジモンテイマーズ』に登場した聖地でもある。
新宿十二社熊野神社周辺ではデジモンの目撃例は未だ無いが、巨大な白蛇を見たという噂を多く聞く。そしてその白蛇を見た者には幸福が訪れるという。筆者は残念ながら白蛇を見たことはないが、毎年八咫烏のお守りをよくいただいている。八咫烏は神武天皇を導いたとされる存在で、こちらのお守りがなでしこジャパンを勝利に導いたことは大変有名である。神社のご利益としては金運上昇、商売繁盛、家運隆盛、子宝、安産、縁結びなどが挙げられている[1]。
そんな新宿十二社熊野神社から歩いて10分前後くらいの位置にあるのが成子天神社。いわゆる天神様（菅原道真公）をお祀りしている神社だが、ここの神社の境内には他にも多くの神様が祀られた場所があり、様々なご利益を得ることができる。
まず天神様は学問の神様として有名である。その他には七福神めぐりを行うことができたり、富士山信仰の浅間神社や富士塚にもお参りできたりする。その他天照大御神等様々なご祭神にいっぺんにお参りできるお得な神社なのである。
古来から続く最強のご祈祷！ 大中臣八方清メ！
テレビアニメ『サザエさん』の原作者が住んでいたことで有名な桜新町にある、小さな神社、それが「桜神宮」である。しかしただの町の神社ではない。古式神道の知識を受け継ぐ日本唯一の神社であり、鳴釜神事など、岡山の吉備津神社までいかなければできないような神事も行っている。またそういった古来からの知識を継承するだけではなく、インターネット上での参拝やメールマガジンでの占いなど現代の技術を多く取り入れているハイブリッド神社である。また桜神宮の名に恥じず、早咲きの河津桜が植樹されている点も注目できる。
そしてこの神社最大の魅力はここでしかご祈禱していただくことができない、「大中臣八方清メ」である。
公式サイトによれば「大中臣八方清メ」とは……
全国で唯一当宮に継承されている、古式神道の由緒正しい御祈祷です。総ての罪穢れを祓い除き、運勢の流れを良くし、願いを叶え人々を幸せに導くといわれています。年回りから来る厄年の災い（厄除）、地相・家相・方位を犯したことによる災い（八方除）、悪霊や因縁から来る災い等、総ての災禍災厄、罪穢れを取り除く、強い祓い清めのお力を持つ御祈祷です。
つまりあらゆる災いに有効とのことであるが、最も注目すべきは「悪霊」の災いにも対応していることだ。実は多くの寺社仏閣では悪霊払いということはやっていない（筆者の知る限りだと京都の「晴明神社」だけである。ここは陰陽道の流れを組むため悪霊払いが可能である）。その意味で極めて貴重な神社である。1回3000円からご祈禱を受けることができるので、怪しい霊能力者に依頼するよりこちらの神社でご祈祷してもらうことをおすすめする。
またこの祈祷が必要な方として「「原因不明の災いが続く」「怪我や病気が治らない」「運が悪く何もかもがうまくいかない」「つらい悩みを解消したい」」[2]が挙げられている。
なお御祈祷の受付時に、生年月日から運気の悪い年回りでないかを確認した上でお祓いの内容を決めてくれる。通常は「心身共に祓い清める」という「清め祓い」を行うのだが、民事調停中だった筆者は「因縁除」を選択した。その他悪い年回りの時は「八方除け」をしてもらっている。なお5000円以上の初穂料を払うとお札以外にお守りもいただけるのだが、八方除けの場合はメタルチャームのようなお守りでカッコいい。因みに同じお守りが秦野にある出雲大社相模分祠でもいただける。
お祓いとは別に「お願い」もしていただくことができ、例えば「病気平癒」を選ぶと何の病気を治してほしいのかまで丁寧に神様に奏上していただける。ここまで丁寧にご祈禱していただける神社は珍しいと思うがいかがだろうか。因みに寒川神社はさらに病院名まで奏上するからすさまじいぞ。
さて細かい御祈祷の様子だが、太鼓をかき鳴らしたり、お祓いの祝詞を奏上したりしてお祓いをすることは他の神社と大きくは変わらないが、御祈祷のあとさらにお祓いをしてから玉串を奉納するという独特のスタイルであった。なお御祭神は天御中主神、天照大御神、大国主命など19柱の神々であり、叶わぬ願いはないと言っても過言ではない。
おわりに
今回は東京都内にある強力な力を秘めた神社を5か所紹介した。どちらも機会があれば訪れてほしい。因みに相模国一之宮「寒川神社」をはじめとした、6か所の神社を回る六所巡りについてご紹介した記事もあるのでお時間があればそちらも見てほしい。
[1] https://spiritualjapan.net/12527/
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