貧困家庭の僕が大学院までいった話
はじめに 本書は研究者である筆者が、どのように大学院進学という多くの人が選択しない道を歩んだか、そこに至るまでの数奇な道筋を思い出せる範囲で記録したものである。これは筆者がどのような背景のもとに今の思想や研究内容に至ったのかを確認することとともに、今現在苦しみの中にある人に対してこういう解決策もあるということを示すために書いたものである。個人情報保護のために一部名称などを伏せさせてもらっているが、これは真実の物語である。
本論――ヒストリー 1991年4月1日、満開の桜の中