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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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2021年7月の記事一覧

INTERVIEW - 保坂修一 - No.235より

2021年の第2戦終了時点でJECランキングで首位に立った19歳の保坂修一。新生GASGAS、新チーム、そして実家のある千葉から大阪に拠点を移し、エンデューロライダーとしてのライフスタイルがスタートした。 Text :Hisashi Haruki Images : 伊藤留美子(ポートレート) Stylist : 芳賀雅代 Hair make : 三本雅章 保坂修一 ほさか・よしかず 2001年09月21日生 千葉県山武市出身 BIVOUAC OSAKA with RG3

猛暑の激突戦 - JEC R2いなべレポート No.235より

保坂、飯塚ら若手の台頭が顕在化するなか釘村が圧倒的なタイムで2勝を挙げた。スーパーマディ、猛暑、そしてスーパードライ。スーパーテスト、ファイナルクロスまであらゆるタスクがライダーを試す。 MFJ全日本エンデューロ選手権 R2/3 2021年5月29~30日 いなべモータースポーツランド Report & Images : Masanori Inagaki Edit : Hisashi Haruki 長い2021シーズン 昨年、5月に予定されていた岐阜アルコピアでの開催が

TIME TO RIDE - 大きいことは良いことだ - 大鶴義丹

アフリカツインで、合法かつ常識範囲の前提で、いろいろな場所で遊んでいる動画などをYouTubeで公開している。こういう御時世なので色々な気遣いが必要だが、遊び心を忘れてはいけないと思っている。 大きいオフ車というのは何かと目についてしまうのか、日本の林道に関しては250ccが一番適していて、アドベンチャーバイクなどでは走るべきではないというような「正論」コメントを頂くことがある。わざわざコメントを書いてくれるのだから、こちらも出来る限りの感謝と率直な気持ちを返信している。 確

Parc Ferme - 新ひだか町のハードエンデューロクルー No.235より

 4月。新ひだか町のハードエンデューロライダーたちの招きをいただいた。北海道はちょうど桜の頃である。ぼくはハードエンデューロが専門ではないが、岩の上を進んでいくようなライディングも嫌いではない。念のためにAcerbisのスキッドプレートを装着していったのは賢明だった。リアサスのリンケージまでカバーするやつだ。それに、普段はめったに使わないAcerbisのハイドレーションバッグもダッフルバッグに忍ばせて行った。どんな目にあわされるのかわからないから! もちろんタイヤも履き替えた

tm125 144 EN Fi - レーシング専門メーカー その真骨頂を体感する - No.235より

このイタリアンメイドのエンデューロバイクが目指すのはただひとつ、トップレベルのコンペティションで勝てるマシンをエンドユーザーにまで届けること。その哲学がもっともよく表現されるのがこの小排気量クラスだ。世界に先駆けてのインジェクション化に挑戦者の魂を見る。 これは125モデル。プラスティックはブルー基調。144にはオプションのホワイト外装が装着されていた ハイスピードになるほど安定感を感じる強靭なシャーシ Test & Text : Hisashi Haruki Imag

タレスのHEWCステルス戦闘機 - YAMAHA YZ250 - No.235より

トライアル出身のポル・タレスはハードエンデューロのベースマシンとしてYZ250を高く評価する。完全にストックのエンジンにスマートキャブ、そしてセルフスターターで武装。エンジンは意外にもアグレッシブな特性を好む…。 Text : Jon Pearson Imahes : Enduro 21 - Nicki Martinez   ポル・タレス 今年からFIMの世界選手権シリーズとなったWESSのパドックで、ENDURO21.COMは、ポル・タレスのマシンを取材した。トライア

多ブランド化の背景 - TEST RIDE GASGAS EC250F - No.235より

マッティグホーフェンはなぜここまでの多ブランド化を推進するのか。その背景、プラットフォームインダストリーの本質。 Test & Text : Hisashi Haruki Images : Masanori Inagaki レーキシステムはBRAKETEC製を採用 シングルトラックでの扱いやすさも際立つ 多ブランド、多国籍 プラットフォームインダストリーと呼ばれる。基本設計を同一にしたプラットフォームを土台に、複数の、それぞれに個性がある製品を作り出すことだ。これは、

ISDE BRASIL 2003の思い出 その2

ブラジル大会は、南米で最初の、南半球では、1992年、1998年ののオーストラリア大会に続く3度目の開催地となりました。 ISDEは、ヨーロッパを中心に開催が続けられてきましたが、1973年のアメリカ大会が初の欧州外の6日間競技開催地になりました。1973年大会は、アルバート・シェックが造ったISDTトロフィモデルを揃えた、BMWファクトリーチームも参加した大会として有名です。 まだ東西冷戦下でした。この年はチェコスロバキアチームが優勝したんですが、西側である主催者は、チ

ISDE BRASIL 2003の思い出 その1

BRAZILの間違いじゃないのか? という人もいると思いますが、BRASILです。 ぼくが初めてISDE(FIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ)を取材したのは1994年のアメリカでした。その後、数年あけて、1997年のイタリア(ベルガモ)大会に行き、それから毎年通うようになりました。 いくつか学んだことがあります。 取材というのは、ただ行けばいいというものではなく、テーマを持って、調べて、真に取材して書くことが重要だ、ということです。 そうでなければ、た

TIME TO RIDE 「魔界タイヤ」 大鶴義丹 No.234より

 十年位前のことだ。既に時効なので白状すると肋骨にヒビが入っているのを隠したまま、某連続ドラマに出たことがある。茨城の某Sハードエンデューロコースで小川に転落して、上から愛機が降ってきたのだ。運が悪いことに、夏だったのでライトなチェストプロテクターだった。  ドラマの撮影中は大した痛みもなくホッとしていたが、演技の流れで背中を仲間に叩かれるシーンが出来てしまった。 「それは勘弁してくれ」と叫びたくなったが、監督にエンデューロコースで転落して肋骨を痛めていると言える訳もない。