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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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記事一覧

ジャービスの TE300i ハードエンデューロ専用

2022年にRockster Enagy Husqvarnaファクトリーレーシングチームを離れ、自ら立ち上げたプライベートチーム"GOAT"を率いるグレアム・ジャービスは、しかし依然としてトップレベルの実力を維持し、そしてハードエンデューロの"象徴"としての地位を堅持し続けている。  マシンは長年の愛機であるHusqvarna TE300のフューエルインジェクション搭載モデル。彼の改造に対するスタンスは常に「シンプル」であること。虚飾を嫌い、最低限のプロテクションしかその外観

「王者は挑戦をやめない」 インタビュー スティーブ・ホルコム

2023-2024 Enduro GPシーン最も注目を集めた大型移籍。最強を誇るBetaファクトリーチームからRed Motoへ。王者スティーブ・ホルコムの真意に迫る。  2015年、Enduro GPのジュニアクラスに彗星のごとくデビュー。フル参戦ではなかったためジュニアタイトルの獲得は無かったが、シニアにステップアップした翌2016年はE3クラスで初の世界タイトルをつかむ。以来、Betaファクトリーチームのライダーとして5シーズン、排気量クラスでのタイトルを含めると9度

続・フットパスライツ

またひとつ、立ち入り禁止の砂浜が増えた。 みんなが、釣りや、散策、あるいはバイクで走って楽しんできた場所に、ある日突然、鉄柵とゲートができて、入れなくなってしまった。 風力発電所ができたからだ。 以前に書いた記事を貼っておく。

エンデューロ日記 No.49 - トレイルの文

ガレージを出て街を抜け郊外の道へ。 山野を駆け回り、しばらく走ったらまた街へ戻り、家にたどり着く。 今では、ダートバイクでそんな「普通の」楽しみ方ができる環境も貴重になってしまったが、ダートバイクの楽しみというのは、もともとはそんなものだ。 トランスポーターが必要で、モトクロスースにいかなければ走る場所もない。いや、モトクロスはモトクロスでそれはいいのだ。だが、バイクというのはそれだけの乗り物ではない。もっと広く、あらゆるところに出ていけるものであるとするならば、こんな

エンデューロ日記 No.48 - 「無冠の帝王から真の勇者へ」

これは、ミカ・アオラ - Mika Ahola というフィンランド出身のエンデューロライダーのことを書いたものです。彼は、長く、エンデューロ世界選手権と、インターナショナルシックスデイズエンデューロで活躍し、2012年1月に、練習中の負傷が原因でこの世を去りました。 文中にありますが、長く無冠の帝王と呼ばれながら、ライダーとして普通はピークを過ぎたといわれる年齢になってから、なんと5年連続で世界タイトルを獲得するに至ります。 真摯にこのスポーツに取り組む姿勢。無冠の帝王と

MVアグスタとハスクバーナ。

photo MV AGUSTA text Katsuhisa Mikami 三上勝久 1965 年東京生まれ。20歳くらいからオフロードライディングに取り組み始め、1992 年SCORE BAJA1000 に参戦。以降10回 BAJA1000 に参戦している。雑誌rider 元編集長。  5月にイタリア、ヴァレーゼに行ってきた。KTM の親会社であるピエラ・モビリティが、ヴァレーゼに本社を置くMV アグスタの経営に参画することが決定し、その発表会が行われたためだ。  ミラ

エンデューロ日記 No.47 - 速いマシンは美しいのか。

最近はあまり聞かなくなったが、レースに携わる人たちの間でよく使われた言葉である。レースおたくのような若者だったぼくは、RIDING SPORTS等のレース専門誌をよく読み、やはりこのフレーズによく行き当たった。そして当時は、それを額面通りに受け取り、例えばそれは機能美のようなものを指しているのだと思っていた。フォーミューラーワンのレーシングカーや、ホンダやヤマハのGP500マシンなど、いかつくも流麗な形をしていて本当に美しい。空を飛ぶ鳥の美しさも、一種の機能美といっていいかも

エンデューロ日記 No.46 - 雨、泥、寒さ。エンデューロとは何か

英国のライダーがウェットコンディション、スリッパリーなマディに強いと定評があるのにはいくつかの理由がある。ひとつは、ほとんどのライダーがトライアルのバックグラウンドを持つということ。幼少期、はじめて触れるのがトライアルライディングということが多い。モトクロスは危ないから、とトライアルを勧める親が多い。もうひとつには全般に雨が多い島国であること。特にスコットランド、ウェールズは雨が多く、ある年の7月で比べるとイングランドの170mmに対して、ウェールズは230mmであった等。

砂漠の思い出 - 三上勝久

text Katsuhisa Mikami 今から17 年前のこと。僕はエジプトで開催されていたファラオラリーにカメラマン兼レポーターとして訪れていた。移動は、雇い主が手配してくれたレンタカーだ。そこそこポンコツな、パジェロだったと思う。 毎日のルーティンは決まっていた。朝、スタートシーンを撮影して、すぐにコースをショートカットしてスペシャルステージの中間地点に向かい、そこで撮影する。その撮影が終わったら、再びコースをショートカットしてゴール地点に向かい、ゴールインしてくる

エンデューロ日記 No.45 - 真のプライズが宿るものとは

毎年12月に東京で開催されているMFJ MOTO AWARD(モトアワード=一般財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会主催の年間表彰式)では、ロードレース、モトクロス、トライアル、エンデューロ、スーパーモトの全日本選手権シリーズのランキング表彰を始め、世界選手権功労賞など、多くの特別賞も併せて顕彰されるものだが、その中に、エンデューロ特別賞として「ベルナード・ホジキンス記念トロフィー」というものもある。 これは、FIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ(ISD

Factory Bike - タディのインドアウェポン - GASGAS 4T 350

エクストリームエンデューロのマエストロがFIMスーパーエンデューロとAMAエンデューロクロスという2つのインドア選手権で勝利するために作ったスーパーウェポン。フルモデルチェンジした4ストローク350マシンはどのようなコンセプトで仕上げられているのだろうか。 Text & Images : Future7Media Team 狂気のレースを戦う 異常な兵器の真実 私たちがファクトリーマシンを紹介するこのPRO-BIKEのシリーズでは、通常、パドックで撮影できそうなバイクを見

Interview ジェーン・ダニエルス 「女子チャンピオン ダカールへ」 No.248より

2023年、8戦全勝で4度目の女子エンデューロ世界タイトルを獲得したジェーン・ダニエルズはダカール2024に挑戦する。 ゴットランド島へ 4度のエンデューロ世界選手権ウイメンズクラスチャンピオン。ISDEでも英国女子チームのエースとして活躍し、2022年にウイメンズワールドトロフィを獲得。エルズベルグロデオ、SSDT(スコティッシュ6日間トライアル)にも挑戦してきた彼女が次の目標とするのは、他でもなく、ダカールラリーのフィニッシュラインだ。  ダカールに出場するためには、A

工具の世界 「第8回 整備を頼る」 No.248より

Text : 山田卓弥 プロの存在理由 工具の業界に身を置き長年にわたり工具の販売を行ってきまして「工具を販売する工具のプロ」だという自負はありますが──それでは実際に工具を使う作業、つまり整備の腕前もプロ並みなのかと言われれば全く違いまして。工具販売の仕事をしてますのでプロメカニックとも必然的に付き合いが多くなりますからプロの作業現場もたくさん見てきました。そのおかげもあって普通の人よりは少しだけ詳しいとはおもいますけど、ではプロ並みの作業が可能かと言われれば否なわけです

Roadbook 三橋淳 「デジタルか、紙か?」 No.248より

 2023年のダカールラリーの写真、だそうだ。私がダカールラリーを最後に走ったのは2016年。すでに8年も前の事だから、今のダカールラリーの写真を見せられても、コメントしようがない。ので、単純に解説するということになる。  本来なら2023年には紙のロードブックを廃止して、デジタル化されるはずだった。けれども、ライダーからの反対で延期になったという経緯がる。なんで反対したんだろ? みんなはどう思う? 紙の方が便利? 馴染みがあるから? 見やすい? 壊れたら困る? 日本では競技