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【読書】2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ

私は株を10年やっていますが、実はチャートの読み方を全然知りませんでした。

最初は株主優待重視、途中から高配当株とバリュー株重視にしました。しかしそれでも今一な利回りでしたので、テクニカル分析も勉強して利回りを上げようと考えました。

そこでチャートの読み方に関する本を読んでみることにしました。今回はファンドマネージャーだった方が書いた本です。

それでは振り返ってみましょう。


ファンドマネージャーから見たトレードの本

本書は元ファンドマネージャーがテクニカル分析について書いた本ですので、当然ながらファンドマネージャー目線で書かれています。

つまり一定期間以内(3ヶ月?)に成果を上げないといけない人の立場から書かれた本です。

それゆえすぐに株価が上がる株を見抜く方法が解説されていると同時に、株価が下がりトレンドに変わったら即損切りすることが書かれています。

個人投資家は自分のスタイルをよく考えてから買おう

個人投資家の場合ですと、優待利回りが高いとか配当利回りが高いということが重要なケースもよくあるでしょう。今が割安だから買うというケースもよくあります。

個人投資家はノルマなんてないので、できるだけ速く成果を出す必要はありません。リスクを抑えたいなら、優待や配当の利回りが高い業績安定株や、業績を出せるけど一時的に下がっている株(つまりバリュー株)を買って待てばいいのです。

安全に稼ぐならこういう方法で十分です。しかしできるだけ収益を高めたいというのなら、そういう時間のかかるやり方では難しいです。

そうなると本書のようなテクニカル分析の本で勉強をする必要が出てきます。

しかし同時に本書ではテクニカル分析を勉強しても、的中率は7割程度と書かれています。投資に絶対はないのです。それでも7割くらいは当たるありがちなパターンがあるそうです。

だからテクニカル分析を勉強すれば絶対稼げるわけではないことに気を付けなければいけません。リスクは上がり、損切の回数も増えるでしょう。

利益確定を遅く、損切を速くする

本書で繰り返し出てくる教訓が、「利益確定を遅くし、損切を速くすること」です。

利益確定を遅くするとは、買った株が上がりトレンドに入ったら、上がりトレンドが終わるまで持つことです。

てっぺんで売れれば理想的ですが、さすがにそれは難しいです。しかし上がりトレンドが終わって下り始めるシグナルをキャッチしてから売ればいいのです。そうすればてっぺんに近いところで買えます。

一方で損切を速くすることは、傷が浅いうちに逃げろということでもあります。

ゲームで言えば体力の最大値が100だとして、体力が残り20とか10になるまで無理して戦うなということですね。株の場合は体力が80~90くらい残っていてもさっさと逃げた方がいいのです。

10万円で買った株が1万円まで下がってしまったら、損失は9万円です。あまりにも大きすぎる損失です。

言い換えるなら負け戦はしないということです。下がりトレンドに入ったらしばらくは下がり続けるので、粘って持っても含み損が増えるだけなのです。

そしていつ底を打って上がりに変わるかも解りません。もしかしたら赤字拡大で株価がずっと下がり続け、塩漬けになってしまう可能性もあります。

だから一番重要なことは損切を速くすることなのです。

テクニカル分析だけ勉強すればいいのではない

テクニカル分析だけ勉強すればさっさと稼げるようになるのかというと、そんなに簡単ではないと思います。

本書には著者がファンドマネージャー時代に年間100社も取材していたという話が出てきます。つまり2営業日に1社は訪問して取材していたのです。

企業への取材を頻繁にこなすということは、ファンダメンタル分析も使っているということです。

チャートだけ見て、上がりトレンドに入ったらどんな会社でも投資してよいのではないということに気を付けましょう。業績を上げられる強さがある会社が上がりトレンドに入ったら買うのです。

業績を上げられない赤字続きの会社の場合、黒字転換が高確率で見込めるならまだしも、そうでないのに株価が上がったら怪しいです。

銀行の経営管理をやっていた私から見ると、業績を上げられない会社に投資することの方が問題です。一発逆転は中々難しいのが現実です。

よほど画期的な製品・サービスを開発中ならまだしも、そうもいかないことの方が多いでしょう。

ファンダメンタル分析とテクニカル分析を組み合わせて、業績を上げられる会社が上がりトレンドに入ったら買い、上がり終わったら売るのが理想だなと思います。

自分の投資スタイルへの反映方法

私が今まで投資してきた会社の基準は下記です。

  • 連続して黒字を出すことができる(5年連続黒字など)。

  • 当面の間(2~3年)はニーズがある。

  • 今が割安(特別損失を出した、利益が想定より少なかったなど)。

  • (できれば)配当利回りが4%以上。

業績が手堅い会社が割安なときに買うことで、半年~2年くらいしたら大きく値上がりしていました。

買ったうちの6割は大きく値上がりし、3割はあまり変わらず、1割は下がると言ったところです。

ローリスクな投資法ではありますが、リターンも10%強程度と平凡です。

割安株を買ってから値上がりするまで、早ければ半年なのですが、大体1年くらいはかかっていました。

そこで本書のノウハウを使って上がりトレンドに入ったシグナルを見抜ければ、割安株を買ってから上がり始めるまでの期間を省略できると思いました。

つまり割安株が上がりトレンドに入るシグナルが出たら買えばいいのです。そうすれば割安株を買って大きく儲けるということが半年~2年かかっていたのを、半年~1年にできるかもしれないと思いました。

また今までは過去の株価を見ててっぺんがどの辺か予想し、予想価格になったら売っていました。当たることもあれば、それより上に行ってしまったこともありました。

本書で学んだことを活かすなら、予想価格辺りになったら売りシグナルになるか見張ることかなと思いました。売りシグナルが出たら売ればいいし、出なければ出るまで持ち続ければいいのです。

投資方法の改善が見えてきました。

終わりに

ベテランファンドマネージャーの解説本とあって、説明がとても解りやすく、テクニカル分析の初心者でも読めました。

しかしテクニカル分析をしてのトレードはリスクが付き物です。著者も読みを外して損切をしたことは数えきれないそうです。プロですらそうなのだから、素人ではもっと損切をすることになるでしょう。

楽して儲ける方法やリスクを負わずに儲ける方法は存在しません。優待や配当重視の投資、バリュー株投資と比べると、チャートを見て行うトレードはリスクが高いことを知った上でやらなければいけません。

リスクについては承知した上でテクニカル分析を学び、投資をやりましょう。

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