見出し画像

遂に日本のプロ野球が開幕!!というわけで「野球とビッグバンド」をテーマに調べてみたら色々出てきたので紹介

はい、ビッグバンドファンです。今日は日本のプロ野球、2021年シーズンが始まりました。内川はやっぱりセ・リーグに来ればまだ活躍出来る、ということで早速二安打と結果を残し、阪神の大物ルーキー佐藤輝明はノーヒットに終わるものの今シーズン阪神の初得点は彼の犠牲フライ、中日はいよいよ根尾が開幕スタメンをゲットし初ヒット&フォアボールも選ぶという働きでチームの逆転勝利に貢献、元巨人で今年からはDeNAの選手となった田中俊太が古巣相手にいきなり7点中6点を叩き出すという大暴れをかますものの、最後は亀様がサヨナラホームランで巨人が試合を決める。西武はオリ山本由伸から序盤に4点をもぎ取る猛攻(ベテラン栗山の見事なヒットはさすがとしか言いようがない)、先発高橋光成が今年は一味違うぞとばかりに試合を見事に作り最後は平良→増田の必勝リレーで一点差逃げ切り、オリックスは山本由伸でも開幕連敗を止められずこれで開幕は10連敗・・・楽天は涌井の貫禄と打線が見事につながり石井新体制でいきなり初戦勝利、ソフトバンクはまるで日本シリーズの続きを見ているかのような猛攻。初回から周東が出て2番今宮が2ラン、続けて3回には周東がソロ、6回にはギータの2ラン、7回に甲斐のダメ押しソロ、投げては石川のパワーカーブが火を噴き2度の満塁のピンチを切り抜け1失点のみで苦手ロッテに完勝。

更に明日は開幕直前に巨人からトレードで移籍となった田口がヤクルトで先発、そして何といっても楽天。田中マー君が先発予定とされていましたがケガで登板回避となり、急遽マー君の代役を任されることになったのが、こちらも元巨人で昨年シーズン途中でのトレード移籍となり、明日が何と移籍後初登板となる「松坂二世」高田萌生!!!!萌生が、遂にそのベールを脱ぐときが来たぁぁあ!!!!!

ソフトバンクは先発再転向した高橋礼とロッテは昨年も対ソフトバンク戦に無類の強さを誇った美馬の対決、と見どころ沢山!!楽しみだなぁ!!

・・・と、ビッグバンドと同じく、興味のある人にはとても大切なことだけど興味のない人にとっては「何それ?そんなに重要?」と思われてしまう、それが野球観戦という趣味ではないでしょうか。そういう意味で「ビッグバンド好き」と「野球好き」って何となく似ているのではないか?そんなことを考え、今回は「野球とビッグバンド」をテーマに色々調べてみました。

Take Me Out To The Ball Game

まず最初に思いついたのがこの曲ですね。日本人がメジャーリーグでも活躍するようになってすっかり日本でも知られるようになった曲です。メジャーリーグでは7回表が終了するとこの歌をスタンディングで歌うわけですが、曲自体作られたのが1908年ということでかれこれ100年以上歌い継がれているものです。下手するとジャズが誕生するよりも先に作られた曲になりますので、当然のことながらジャズやビッグバンドにおいても沢山演奏されています。さくっとYouTubeで検索するだけでもこんなに出てきます。

それぞれ自由にアレンジしていますが、いずれも原曲の持つ陽気さを活かした感じになっています(ちなみに歌詞の内容はケイティ・ケイシー(Katie Casey)という野球好きな女性が、彼氏のショー観劇の誘いも断って「野球場に連れてって」と頼むというものだそうです)。

オマージュものもある

それぞれアレンジはされているものの、基本のラインは変えず曲名もそのままというパターンが非常に多いわけですが、中にはオマージュものとして別の曲名を割り当てているものもあります。例えば、これ。

冒頭から原曲のラインがきっちり出てきているので、アレンジものといってもいい気はしますが、曲名は「Bebop Ballgame」と変えてます。実際途中からソロやソリを原曲から離れた進行で回し始めますし、途中にチャンステーマでよく使われる音階が入ってきたりとシャレが効いてる感じがします。

更にもっとエグイ感じに変えているのがこれ。

括弧書きで「Take Me Out To The Ball Game」が入っていますが、タイトルは「Knuckleball」となっています。

ナックルボール、野球知らない方の為に簡単にお伝えしますと、投げた球が回転しないように投げる特殊な変化球です。球が回転しないで投げられると本来回転で生み出していた揚力等も無くなる変わりに空気抵抗によって無秩序な変化をし始めます。結果投げた本人でさえもどのように変化するか分からないという究極の魔球、これが「ナックルボール」です。

で、まぁ、曲もそんなイメージなんでしょう。冒頭からどこから音が飛んでくるんだかよく分からんという感じにあっちこっちから音が飛び出し、聞いている人間が面食らっているところにいきなりズドンとヘビーなサックスソリをぶちかます。再びどこから音が飛んでくるか分からん展開になったと思いきや、今度はブラスソリ。これで2ストライク?取られた感じでしょうか、「どうしよう~」となんて思っていたら、今度はトランペットの訳分からないハイノートと共にアドリブソロに突入。ここで少しはおとなしくなるかと思いきや、すぐにバッキングから煽って煽って攻めて攻めて、ところどころ申し訳程度にオマージュのテーマを絡めつつ進行する。さぁソロが明けたと思ったら再び緊張感のある展開に。まるで試合終盤の緊迫した場面、力と力が拮抗したようなそんな雰囲気になるが、最後はガツンと打ってビシッと抑えて勝つ、そんな感じでしょうかね。野球観たことないとなんのこっちゃっという感じですが、やっぱり好きな人がそれなりにいるってことですよね。

他にも野球絡みの曲がある

さて「Take Me Out To The Ball Game」から話を始めて「Knuckleball」まで紹介しましたが、全然別の形で野球を絡めた曲も勿論あります。

この曲はレス・ブラウン・オーケストラが演奏したもので、ジョー・ディマジオが1941年に打ち立て、未だに破られていないメジャーリーグベースボールの記録「56試合連続安打」、これに敬意を表するということで作られたものです。ちなみに安打製造機イチローでさえもこの記録は塗り替えることが出来ず、かつてインタビューにて「打率4割より難しい」と語ったこともあるほどの記録だそうです。曲名はジョー・ディマジオのニックネームをそのままつけています。

なお、ジョー・ディマジオの人生はマリリン・モンローとの関係等も含め、まさにスターという名がふさわしい、一野球選手以上に華々しい人生を送られています。詳しくはwikipediaに出ていますので興味ある方は是非読んでみてください。

更に何とCount Basieもこんな曲を演奏しています。

ここで取り上げられているのはメジャーリーグの黒人選手の草分けであります「ジャッキー・ロビンソン」です。この方の人生はまたジョー・ディマジオとは異なり、まさに黒人選手がメジャー・リーグで対等に試合が出来るようになる、その道を切り拓いていった方になります。

wikipediaにもありますが、彼が付けていた背番号42はメジャー・リーグ全球団で永久欠番になっている他、4月15日は「ジャッキー・ロビンソン・デー」としているほどです。昨年にも話題になりましたBLM(Black Lives Matter)にも通じる方になりますが、Count Basieがまさかこんな形で演奏しているとは思いませんでした。

ちなみにこの曲は、吾妻光良&スインギン・バッパーズが「栃東の取り組み見たか?」というタイトルでカヴァーしていたようです。

wwwwwこのセンス、今ならGentle Forest Jazz Band辺りに是非やって欲しいなぁ!!

どうせなら「闘魂込めて」のフレーズに、歌詞の中身は何故か猪木さんの試合実況とか、それぐらいの芸は期待したいなぁ

ちなみにビッグバンドから離れてしまいますが、広島カープの応援歌をジャズにする「CARP JAZZ」というのは本当にあります。

結構普通にカッコイイのが驚き。これ、ビッグバンドでやったら面白いんじゃなかろうか。。。

有名なミュージシャンが触れている例も

さて話を戻すと、実はトロンボーン奏者のアラン・ファーバー氏なんかはこんなことを言っています。

baseball players and jazz musicians both strive for a perfect balance between disciplined practice and spontaneity.

「野球選手とジャズミュージシャンは、規律ある練習と自発性の完璧なバランスを目指している」

こんな具合に似たようなものを感じている人はいるようです。他にもスミソニアンのジョン・エドワード・ハッセがジャズと野球のつながりについて、2014年4月1日のエッセイでこんな風に書いています。

The sound emanating from the crack of the bat is as well-loved as the long, soulful wail of a tenor saxophone

「バットのひびきから発せられる音は、テナーサックスの長くて魂のこもった泣き声と同じくらい愛されている」

また、このエッセイにはDuke Ellingtonが野球をやっている写真も掲載されています。

画像1

かなり詳しく野球とJazzの関係が記されているのでご興味ある方はご一読してみてください。

という具合に、意外に関係がありそうな「野球」と「ビッグバンド」。上記ハッセのエッセイでも触れられていますが、丁度野球がアメリカの娯楽の中心にあった時代とジャズおよびビッグバンドの黄金時代が被っている、それも関係がありそうです。一方日本においては野球の方が先に定着、その後ビッグバンドが戦後に華開くという順序でしたので、微妙にずれているのでその辺で繋がりの強さみたいなところも影響があるかもしれません。いかがでしたでしょうか?こういう話も一つ一つ拾っていきたいと思います。以上、ビッグバンドファンでした~、ばいばい~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?