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姉の結婚

 姉が結婚した。  わたしたちの父は戦後の農地改革で没落した大地主の長男だった。母は市内で一番大きい総合病院の院長の末娘。  そんな両親から生まれた2歳違いの二人の娘。大層優雅で上品な暮らしをしておりました。  なわけあるかーい。  ここは地方の港町。少し自転車を走らせば海と山。こんな豊かな環境でお上品に勉学に励み習い事に精を出せというのは、好奇心旺盛な子供たちにはどだい無理な話である。  なかでも姉は探究心が強かった。わたしはよく姉に田んぼに突き落とされた。なぜそ

    • パワハラ上司にメンクリ送りにされた後に大逆転勝利した話

       全てのハラスメントで悩んでいる人を救いたい。  利害関係の無い第三者に相談しろ!  以上だ。  続きは思い出話になりますが良かったら読んでください。  5年ほど前の話である。  当時のわたしは仕事のモチベーションに満ち溢れたバリキャリ爆乳爆美女新入社員だった。また、昔から教師や先輩など上の立場の人にも理不尽なことを言われると条件反射で反論してしまうため、このような性からか、アラフィフのバb…ではなく、ベテランの女上司に目をつけられてしまい、以下のようなパワハラ被害を受け

      • 生きづらいみんなを勇気付ける社不エピソード8選

         今日は自分の社会不適合者エピソードを時系列順で紹介します。変人アピールではなく、こんなのでも毎日そこそこ楽しく生きているので皆様も大丈夫ですよ、という趣旨でございます。 ①小学生のときから2ちゃんねるでレスバしていた  人生で初めて書き込んだのは『浜崎あゆみアンチスレ』。当時日本一のカリスマだった浜崎あゆみの容姿を悪く言うレスに対して「鏡を見ろ」とレスバを仕掛けた。案の定スレの住民たちに総出で反撃され幼いわたしは枕を濡らした。  インターネット上で明らかに空気の読めない発

        • 病気の猫を飼う赤の他人を自演コメで応援し続けていた話

           小学生のとき、パソコンを買ってもらった。OSは今やとっくにサポートが終了したWindows XP。わたしはネットサーフィンという遊びを覚えた。そして偶然、とあるブログを見つけた。闘病中の飼い猫の様子を写真付きで綴ったブログだ。  そのブログは毎日更新されていた。でもコメントはいつも0件。基本的にブログとはそういうものだがもちろん当時は露知らず、またわたしは少し前に病気で愛猫を失ったばかりだったため、「この世には闘病中の猫を前にしても平気で無視できるような薄情な奴しかいない

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          胡蝶之夢(仮)

          【0日目】  ハルさんが事故に遭ったらしい。風の便りで知った。ハルさんとは10年近く連絡をとっていないからか、いまいち実感が湧かない。  明日からお盆で、夏休みだし。 「うわ、今日、かわいい子がいる。ラッキーだな。誰の知り合いなの?」  友人が所属してるバンドサークルの飲み会で、隣の席の知らない人に話しかけられた。小柄なのに少し筋肉質。ふんわりパーマの、少年みたいな男の人。それがハルさんだった。  わたしの中の『ダメ男センサー』が少し反応した。でもそれは無視した。 「田中く

          胡蝶之夢(仮)

          持病から学んだ人生観について

           今日は持病と向き合ってきたこの8年とそこで得られた人生観について書こうと思います。というのも、昨日たまたま「20歳で群発頭痛を発症し人生についてよく考えるようになった」と言う人の動画を見て触発されたからです。自分もちょうど20歳、大学3年生の夏にメニエール病と診断されました。また、前庭性片頭痛も併存しております。この8年、多いときは数日に一度の頻度で、回転性のめまいや拍動性の頭痛、激しい嘔吐などに悩まされ、長いときは2日以上それが続きます。この発作が起きる度に自死という選択

          持病から学んだ人生観について

          自分の身体で好きな部分

          今日は自分の身体で好きな部分について書きます。どこかに書いておかないとすぐ忘れて、嫌いな部分のことばかり考えてしまうので。 ①ショートヘアが似合う頭蓋骨 これはどこの美容院に言っても言われる。お世辞だったとしても、「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。」ってニーチェも言ってたから問題無し。ちなみに髪型は短ければ何でも良いのでいつも美容師さんにおまかせしてて、だいたいいつも耳が半分以上見える、蓮舫まではギリいかないくらいのベリーショートになってる。 ②長

          自分の身体で好きな部分

          君は権威主義の敗北を見たか

           関西の田舎から上京してきたばかりの頃の僕は、将来の夢は特に無い、趣味はあるけど能が無い、金はあるけど欲が無い、どこにでもいるゆとり世代の大学生だった。ただ、誰よりも自分が好きなものについてはハッキリと言える自信はあって。都会の有名な大学に行けば、それを共有しあえる仲間ができると信じてた。  でも、都会の人たちも田舎の人たちと何も変わらないってことにすぐ気付いた。エリート至上主義的な価値観と、それを絶対とする空気。そこにさらに大学の名前が重くのしかかる。上手く息ができなくな

          君は権威主義の敗北を見たか

          彼女だけが、わたしの故郷

           わたしたちは所謂インターネット・ネイティブ世代で、中学に入学する頃には既に某匿名掲示板やニコニコ動画についてよく知っていた。当時のインターネットは今より随分とアウトローで、情報と刺激に飢えた田舎の中学生である自分にとって、そこは最高の遊び場であり、学び舎でもあった。  そんな混沌の中でわたしの最初の道標となってくれたのが、今はメジャーで活躍されている「やなぎなぎ」さんだった。15年以上前の話だ。当時はガゼル、yana、binariaなどの名義やユニットで同人音楽の活動をさ

          彼女だけが、わたしの故郷