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宇宙一の舞踏家 アナンのロゴマークの意味

食・料理というものは常に変化をしている。食材である野菜、豆、肉、米、スパイスにおいても同じ状態であることはない。種から根を張り、芽をだし成長して花を咲かし実を結ぶ。昨日あったものは今日と違うし、もちろん明日も違う。カレーを作るときも鍋の中は常に変化をしている。変化をしながらもその時々の一番良い状態にしようとしている。そしてそれぞれが考える一番良い状態のものを完成形として食卓に出していることが多い。

調和と美しさからなる美味しさ。

アナンが約40年販売しているカレーブックやカレーパウダーというものの商品の左上にロゴマークが描いてある。ナタラージャと呼ばれるシヴァ神の化身である。彼は宇宙最高の舞踏家であり、世界(宇宙)の創造から破壊、そして再び構築される世界を踊りで表現している。穏やかに微笑む顔は落ち着きを表し、少し曲がった片足でバランスをとっている姿は力強さを表している。4本の腕は創造や破壊、秩序や無秩序、善や悪、知識、自己実現や無知などを表していると言われている。それぞれが宇宙の中で起こっており、ナタラージャはその全ての調和を美しく踊りで見せている。

ナタラージャの姿こそが、我々が伝えたいことでもあり、料理の一つの答えでもあると考えている。
スパイスをブレンドするときも、美しく調和がとれていれば素晴らしいものができる。その素晴らしいものは、時が変わると変化していく、調和がとれた美しさはナタラージャの踊りのように常に変わっていく。

宇宙と世界の美しい秩序を踊りで見せてくれているのである。

北インドや南インド、タイやアンコールワット、カンボジア、バリなど多くの寺院や遺跡などでナタラージャを見かけることができる。創造と破壊を象徴するナタラージャの像はヒンズー教の芸術と美しさ、知性を表しているとしてインドの多くの美術品の中でも代表するものとして紹介されていることが多い。

最近ではスイスのジュネーブにある素粒子物理学研究センター(CERN)のエントランスに置かれているそうである。最高峰の物理学とナタラージャのコズミックな踊りが重なるということで選ばれたそうだ。

運命というものには抗えないかもしれない、しかしその時々で最高の踊りを披露することができるとも信じている。

宇宙の秩序の中でどのように生きていくか。

アナンのロゴマークにはそのような意味を込めてある。

言葉で表現をするのが難しいので、また考えがもう少し深くなったら改めて書いてみたいと思っている。

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