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厳しさより優しさを

「私は、あなたのお金、地位や肩書きに感銘を受けたりはしません。あなたが他者をどのように扱うかに感銘を受けます。」

 HR、人材育成業界の世界的リーダーであるブリジット・ヒヤシンス女史のメッセージが素晴らしかったので翻訳・紹介説明しますね。

Hyacinth Brigette:Hyacinth is an international keynote speaker, bestselling author and thought leader on Leadership, HR, Artificial Intelligence (AI) and Digital Transformation.
https://brigettehyacinth.com

No matter how educated, talented or rich you are, how you treat people ultimately tells all.

(どんなに学歴があろうと、才能があろうと金持ちであろうと、人をどのように扱うかがあなたのすべてを物語る。)

 冒頭のメッセージ。私(ベタ)は最近考えるのですが、「優しさとは、親切であり共感することも大事だが、厳しいことを言うことも大事である」という認識が現在一般的であるが、それは「腹が立つので言って叩きのめしておきたい、それによって自分の地位をマウントしたい」の裏返しではないだろうか、と思うことが多々ある。こんにち、誰かに親切な行為をするだけでソーシャルメディアでバイラルするほど珍しい時代になった。優しくあることとは、難しい決断をしたり、難しい人に立ち向かうことができないという意味ではなく、同僚・パートナーに敬意を払い、親切にし、真心で共感をしめすことを意味する。

 優しさがモデル化されていない職場が多々ある。その場合私たちは、不健康で有害な環境におかれていることに気づく。しかし、そうでない素敵な職場というものもあり、私は、選べると思っている。職場を変えるか、自分のふるまいを変えるか。私は生来の教育によって、「人を変えるには自分から」と教わってきた。そして、様々な困難な環境・人間関係においてつまづいた時(私でもいやと言うほどつまづいている)、「そうだ、自分が変わらなきゃならないんだった」と、両親と、幼少時お世話になった先生(母の小学生時代の先生であり、宗教家)の言葉を思い出す。

リーダーとして今すぐやるべき7つのふるまい

 ブリジットが、仕事のリーダーとしての成功につながる7つの方法を端的に紹介しているので加筆しつつ紹介します。これらは、日々、適度に行うことで、他人に親切にする文化が広がっていく、とのこと。

1. Be considerate: Hold the door open for the person behind you. If you are going to the water cooler, ask someone close to you if they would like you to fetch water for them also.

1.思いやりを:続く後の人のためにドアを開けておきなさい。ウォータークーラーに行く時は、近くの人にも水がほしいか聞いてみましょう。

2. Smile at a colleague. When you make eye contact and smile at someone you are showing that they matter which gives them a boost of happiness.

2.同僚に微笑みを。目があった時、アイコンタクトをする時、微笑みも加えましょう。相手に、職場に幸せもプラスすることができます。

3. Mind your manners. Say “Good morning” or “Hello” to colleagues more often.

3.マナーを忘れずに。同僚に「おはようございます」または 「こんにちは」 としっかり言うことを忘れずに。

4. Show appreciation: Be more vocal in your praise. Acknowledge the contribution and efforts of others.

4.感謝の気持ちを:もっと声を出してほめてください、心を込めて。「ありがとう」だけでなくなぜ助かったかも添えると、真心が伝わります。他人の貢献と努力を認めましょう。

5. Listen more. Learn to listen with the intent to understand. Don’t just dismiss or ridicule others’ viewpoints. Listening shows that you care.

5.傾聴。聞くことは相手を理解すること、尊重することです。他人の意見を無視したり、あざ笑ったりしてはいけません。聞くことは、あなたが相手を思いやっていることも示します(ベタ:10聞いて1言うぐらいがちょうど良いと私は思っています)。

6. Offer support and help to team members who are struggling.

6.苦労している仲間にサポートと支援を提供する。
自分が、具体的に行動してできるサポートを提案しましょう。助言だけでなく。もちろん嫌味・皮肉・諫言・問題追及などではなく。無理強いはすべきではありませんが、一度断られたとしてもそれからは、いつでも助けを求めて良いと言う雰囲気で接しましょう。

7. Treat everyone with the same level of respect, whether it be the janitor or the CEO.

7.管理人であろうとCEOであろうと、すべての人に同じレベルの敬意を払いなさい。

 そして大事な認識が一つ。

Everyone you meet is fighting a battle you know nothing about. Be kind always.

 あなたが会っている人は皆、あなたの知らない「戦い」をいつもしています。常に親切にしてください!

 最後にブリジットは締めくくる。マネージャーは、従業員を扱う際には部下をモノのように扱うのではなく、人間対人間だと思ってくださいと。成績・KPIだけでなく、対象となるのはその人たちです。部下のことをよく知り、彼らのいる場所で彼らに会って、彼らの悩みを聞きこんでください。個人を見てください。従業員は人間として扱われることを望んでいる。

 成功する会社は、どのような戦略やビジネスプランでも、それを実現するためには、人材が鍵となります。その人材が輝くためには、人間同士として触れ合いが必要です。その関係を、会社の成功を持続させるには、相互の尊敬、愛、信頼、理解、感謝がなければならない。これがないと土台がぐらついてしまいます。これが、最も成功している企業が人と人間関係に焦点を当てている理由です。「管理」が最も重要なのではありません。

 ベタ追記:「ドラッガーのマネジメント」という本のヒットによって、「経営とはマネジメント・管理である」的な認識が日本で広がったのではと思っているのですが、この本は「管理が一番大事」なんてこれっぽっちも書いてません!「人を見ることが大事」と書いてあるのです。

厳しさより優しさを

 ベタも何度かトップや責任者をやっていたことは、何度か説明したと思う。これらのことは、だいたい実践してきたつもり。そして、次ももしかしたら管理職をやるかもしれない。その時は、今度は得にこれに絞って経営したいと思ってる。

1.厳しさより優しさを
 失敗を問題把握する際の追及もきつかったかも。今度から、もっと優しく行こう。原因究明は大事だけど、ちょっとベテランマネージャーなのであれば、実際のところすぐに気づくよね。それをあえてさらに細かく追求するのは、マウントなんじゃないかって思い始めてる。よりも、ではどうするか、を中心にすることと、失敗して傷ついた部下の心のケアを重視する。

2.挨拶、笑顔、気遣い、真心
 ブリジットの言う通り。まだまだ足りて無い。挨拶や感謝の言葉に気の利いた言葉を一言そえるを必ず実践したい。 

3.サポート・支援、ペアプログラミング的共同作業
 部下に指示・課題を出して待つ。自分で考えてみさせる。それも大事だけど、ジュニアには難しすぎて企画書も二十本に一本しか通らないのが常。サポート・支援できることは無いか、質問は無いか常に聞いて答える。それどころか、できるだけ初級な仕事も一緒に同じモニタを見ながら一緒に作る。

 …これぐらいに絞っておきたい。

え!?ベタって、最近優しくなったって??

 …なんか最近よく「ベタさんて怖い人だと思ってたけど優しい人だと分かった」「コメント最近優しくなった」って言う人が増えたり、それから、あれ?どっかで「話せる人だと分かって嬉しい」「階層を気にしないで話す人」と私への私信記事も書かれた気がするけど見つからなくなったんだけど(笑)、私はもともと優しいよ…?ただ、私は

1.誰も言わないことを言うようにしている
 誰かが言いそうなことは言わない、だから同情コメントのような当然つくものは発言しないので、厳しいっぽい発言が目立つのかも。それに誰も言えないこと(怖くて)を言う、もある。

 みな、「お悔やみ」とか「お祝い」とかをもっとコメントで伝えたら良いのになって思います。当然問いかけられている記事や、困っている記事、本当に良いと思った記事には「スキ」するだけじゃなくて、コメントで言葉で気持ちを示しましょう?

2.同情、共感ではなくて、本心を知りたい・気付けるよう協力したい
 
同情、共感、「それでいいんだよ」はそのふるまいが正しいかよく考えた方が良いと思う。正しいと思ったなら私も同調する。私がそれ以上によく反応するのは記事文面から「ご本人、本当はこれが言いたいんじゃ無いのか」「気付きかかっているのを、見つけて後押しして欲しいのでは」「本人、こういう妥協した結論だしてるけど、事実はこうで、こうあるべきでは」ということをコメントしてる。…ただ、それはちょっと私としては出過ぎで、優しくなかったかもしれない。これは他の人が気づけないのか書かないから、私が書く必要があるとは思うんだけど、今後はもっと書き方に注意したい。

「私は、あなたのお金、地位や肩書きに感銘を受けたりはしません。あなたが他者をどのように扱うかに感銘を受けます。」

 オードリー・ヘプバーン主演のさいっこうにおしゃれなファッションが楽しめる映画「マイ・フェア・レディ」では、マナーや知識を厳しく教えるより、他者をどのようにあつかうか(田舎娘にも最初からレディとして接する)が、人を変えるのだと訴えています。

 それが人を尊重すると言うこと。同時に、あなた自身も、尊重してあげてください。人を変えるには、まず自分から。自分を変えるにも、まず自分から。



楽しい哀しいベタの小品集 代表作は「メリーバッドエンドアンドリドル」に集めてます