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判例シリーズ

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判例シリーズまとめです。
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マンション分譲当時からの建物の欠陥につき管理会社は建物の欠陥の補修等に関する業務の不履行責任を負うか?

マンション分譲当時からの建物の欠陥につき管理会社は建物の欠陥の補修等に関する業務の不履行責任を負うか?

判例シリーズ4
(東京地方裁判所 平成16年11月30日判決)

交渉はテーブルに着く前に既に決しているものです。

誰を味方につけてどう話しをするのか。

誰かれ構わず噛み付けば良いってものでもないと言うお話し。

(1) 事件の概要

Aが分譲したマンションでは分譲当時から

・エントランス吹抜け部分
・非常階段部分
・玄関アプローチ部分
の排水が不良で水溜りができる。

屋上陸屋根勾配の取り

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先着順で駐車場使用契約をした区分所有者が駐車場を継続使用できる旨を定めるには総会の特別決議を要するか?

先着順で駐車場使用契約をした区分所有者が駐車場を継続使用できる旨を定めるには総会の特別決議を要するか?

判例シリーズ3
(那覇地方裁判所 平成16年3月25日判決)

売りたい販売業者と住み始めた住人達の考えはなかなか噛み合わないものですよね。

(1)事件の概要

管理規約には駐車場が共用部分及び共用施設として規定され、 駐車場使用者は使用料を払いその収益は管理費に充当することは定められているが、区分所有者間で駐車場をどのように使用するかについては一切規定がなかった。

マンション分譲当時、先着順

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賃借人の規約違反行為につき賃貸人・区分所有者は責任を負うのか?【判例2】

賃借人の規約違反行為につき賃貸人・区分所有者は責任を負うのか?【判例2】

判例シリーズ第2弾です。
できれば遭遇したくないお話し。

(東京地方裁判所 平成11年1月13日判決)

①事件の概要

賃借人Aが管理員室等に執拗に電話をかけたり訪問する等して管理組合役員や管理員等に対し、

同人らの生命身体に危害を加える旨告知して脅迫

バタフライナイフを振り回す

火災警報の非常ボタンを何度も押す等

の行為を繰り返したため、管理組合Xは賃貸人・区分所有者Yに対し、Aを退

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賃貸人の共同の利益に反する行為につき賃貸人・区分所有者は責任はどこまで?【判例1】

賃貸人の共同の利益に反する行為につき賃貸人・区分所有者は責任はどこまで?【判例1】

マンション管理に係る判例を紹介するシリーズをしてみようと思います。

(神戸地方裁判所尼崎支部 平成13年6月19日判決より)

(1) 事件の概要

賃借人Yは1階店舗で居酒屋を営むに際し、 厨房換気ダクトを店舗南側に、 また、造作、看板等を設置する等し深夜1時までの営業を行ったので、 管理組 合Xは、Yと賃貸人・区分所有者Zに対し、 ダクト等の撤去と深夜営業の禁止及び損害賠償を請求した。

(

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