伊藤 芳浩 / コミュニケーションバリアフリーエバンジェリスト

1970年岐阜県生まれ。耳がほとんど聞こえない。名古屋大学理学部卒業後、日立製作所勤務のかたわら、自身の経験を生かしコミュニケーションのバリアフリーを推進するNPO代表として、講演活動中。 詳細はこちら。http://bit.ly/itoyoshihiro_prof

伊藤 芳浩 / コミュニケーションバリアフリーエバンジェリスト

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    手話歌に関するモヤモヤ

    最近は手話歌を使うグループなどが徐々に増えてきています。日本手話という主にろう者(聴覚障害者の中で手話を使う人のことを指すことが多い)というマイノリティが使用している言語の存在を広く知っていただく良い機会になっていると思います。手話歌は新しい音楽ジャンルを確立しつつあるように思います。でもなんだかモヤモヤするものがあります。(詳細は後述) 自分のことになりますが、私自身は、飛行機の音がやっと聞こえるレベルで、補聴器を使用しても、何か音がしているということが分かる程度です。そ

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      • 入試において個別対応よりユニバーサル対応を!

        入試の時に障害学生が受験の際に様々な配慮が必要になります。例えば、聴覚障害学生の場合は、口頭連絡の代わりに連絡事項を記載した紙を配布するなどの配慮があります。しかし時には、必要な配慮を受けられないことが起こっています。今回、その当事者にお話を聞いてみました。 聴覚障害学生の入試における配慮について2021年11月12日に、Twitterでこんな発言がありました。 2021年に耳が聞こえない方が関西の某外大を受験する際、必要な配慮が得られなくて、受験を断念したという悲しい事

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        • 最近注目されつつある「手話」の本を探すには?

          現在日本で公開中の「Coda コーダ あいのうた」に出演したトロイ・コッツァさんが、男性のろう俳優として初めてアカデミー賞にノミネートされ、話題を集めています。世界でヒットしたマーベル映画「エターナルズ」という映画の中でも、手話が出てくるのをご覧になった方も多いかと思います。 それがきっかけで「手話」に関心を持ち、「手話」についての本を、図書館や書店で探したいと思った時にどうしていますか? 図書館では「日本十進分類法」の基準に沿って本の内容ごとに下記の10種類に大きく分類

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          • 共生社会実現のカギは公共調達における情報アクセシビリティ対応

            普段、我々が使用する公共系サービスには、障害者や高齢者にとって、使いづらく、そういった方が取り残されているケースがいくつかあります。例えば、次の2点があります。 公共機関が提供している端末・Webサイト・アプリなどが読み上げに対応していないため、視覚障害者が操作をしたり、内容を理解したりすることができない 公共機関が提供している説明の動画などに、字幕や手話がなく、音声のみなので、聴覚障害者が内容を理解したりすることができない 公共系サービスは、公共調達によって、製品・サ

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            • パブリックコメントの書き方

              私はNPO活動をしている際、活動目的と関連するパブリックコメント(以降、パブコメと称する)が募集されるごとに、意見を提出してきた経験があります。提出した意見の中には、採用されたものもあれば、採用されなかったものもあります。パブコメを担当されたことのある方に色々アドバイスをいただき、自分なりに調べたり、考えをまとめたりしてみたので、これからパブコメを書く人にとって参考となれば幸いです。 本記事では、国や地方自治体などの行政が募集するパブコメが対象です。 パブコメとは「行政手続

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              • 「誰一人残さない」パブリックコメントにするために

                パブリックコメント(以降、パブコメと略す)は「行政手続法」で定められている意見公募手続のことです。パブコメは、行政機関が政策を実施するために政令や法令を定めたり、制度の改廃を行ったりする際、事前に案を公表して意見を募り、集まった意見を考慮する仕組みのことで、以下を目的として行われます。 行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図る 国民の権利利益の保護に役立てる 目的の1つの「国民の権利利益の保護に役立てる」を達成するためには、パブコメ自体をステークホルダー(利害関係者)

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                • 「ろうと手話」の刊行をめぐって

                  2021年11月17日に手話を社会に取り戻すろう者たちの運動を日本語教育と「やさしい日本語」の視点から考えた『ろうと手話』という書籍が刊行されました。 「やさしい日本語」は、たとえば外国語に翻訳するように、やさしい日本語に翻訳したものを用意するという考え方です。日本語を第二言語として習得・使用するという意味では、外国人とろう者は同様であるという著者の考え方に注目していました。 今回、NPOインフォメーションギャップバスターのプロジェクトを通じて電通さんおよび著者と親交があ

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                  • 「多様性と調和」を実現するオリンピック・パラリンピック放送とは

                    オリンピック開会式のテレビ放送に、手話が付かなかったことに対する批判を受け、閉会式では手話の付いた放送がEテレで実施されました。一見、オリパラの理念である「多様性と調和」にかなった対応に見えますが、実は違和感を持つ人は少なくありません。なぜなのでしょうか。 「分断」を生み出したオリンピック開会式放送 オリンピック・パラリンピックがコロナ禍の様々な困難の中で運営されています。史上初の無観客形式で行われ、一般の方はテレビなどを通して、状況を知ることになりました。オリンピック開会

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                    • 多様化する情報保障(手話通訳・字幕)に選択の自由を

                      「多様性と調和」のオリンピックで起きた言語的マイノリティの排除東京2020オリンピックでは開会式で手話通訳がつかないことで、多くの当事者から落胆の声が上がっていました。 手話通訳が必要なのは、手話を使用する人が日本では8万人いると言われており、字幕だけだと理解が困難な人がいるためです。私は、手話という自分の言語を国民的イベントで尊重して欲しいと思い、以下の記事を書きました。 言語的マイノリティの声が当局に届く この事態を受け、全日本ろうあ連盟をはじめ、NPOインフォメーシ

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                      • マイノリティにも配慮したオリンピックを!

                        東京2020オリンピックが始まりました。直前で東京2020オリンピック開閉会式の音楽担当だった小山田圭吾氏の辞任や東京2020オリンピック・パラリンピックの文化プログラムに参加していた絵本作家のぶみ氏の辞任など紆余曲折があったものの予定通り7月23日(金・祝)の夜に開会式が行われました。 東京2020オリンピック ・パラリンピックのビジョンの一つは「多様性と調和」であり、「全ての人が、誰一人取り残されることなく尊重される」となっています。マジョリティ(多数派)もマイノリティ

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                        • メンタルヘルスにもっと関心を払おう! (大坂なおみ選手の全仏オープン棄権から考えたこと)

                          女子プロテニス選手の大坂なおみ選手は全仏オープンの開幕前に「(プレスは)メンタルヘルスに配慮がない」として記者会見に応じない意向を示したため、大会主催者から1万5000ドル(約165万円)の罰金を科せられました。 その後、大坂選手は自身のTwitterで「2018年の全米オープン以降、長い間うつに悩まされてきた」とカミングアウトし、全仏オープンの2回戦を棄権すると発表しました。 実は私自身もかつてうつ病を発したことがあるので、大坂選手の気持ちは多かれ少なかれ理解できます。

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                          • 「差別」という言葉が生み出す波紋

                            多様性が重視されつつあるこの世の中で、マイノリティ(少数派)がマジョリティ(多数派)から何らかの差別を受けることは往々して良くある話である。差別を受けた側は、差別した側にさまざまな意図を持ってさまざまな方法で「差別を受けたこと」を伝えてる場合がある。 その際「差別」を受けて嫌な気持ちになったことをありのまま吐露したり、相手に理解してもらうために説明したりなど、人それぞれのやり方がある。 人それぞれの立場や背景があり、そのような行動を意図的、もしくは、自然な形で行っている人

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                            • 音声版SNS Clubhouseに関するモヤモヤ

                              昨年2020年に開始されたSNSのClubhouseは、これまでのSNSのようにテキスト、写真、動画などとは、異なるメディアとして音声を活用することで、新しい情報発信方法として注目されています。 私は聞こえないため、音声だけだと内容を理解できないので、Clubhouseを楽しむことができません。それだけなら、まだマシも、なんと、このSNSは、音声認識によるテキスト化を許諾していないのです。 見えない人なら、テキストを読み上げる機能を使って内容を把握出来るのに、なんだか不公

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                              • 【お知らせ】「家族をみんなでカンガエルーシンポジウム」クラウドファンディング開始

                                【クラウドファンディングスタート!】 #READYFOR #クラウドファンディング #今井絵理子 #丸田健太郎 #五十嵐大 #しくじり家族 家族内のコミュニケーションで悩んでいる人はかなり多くいます。特に聞こえない人が居る家族だと更に問題が複雑化してきています。 一緒に暮らす家族だからこそコミュニケーションを円滑にして幸せな家庭を築いていきたいものです。 そんな想いから様々な立場の方をパネラーとして、みんなで一緒にカンガエルー(プロジェクトキャラクターです)シンポ

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                                • 通訳スタイルのニューノーマルについて

                                  新型コロナウィルスが蔓延する前から、次のように、きこえない・きこえにくい人のために、離れたところにいる手話通訳・文字通訳が窓口や受付などの担当の発する声を「手話」「文字」に通訳する遠隔通訳サービス(手話・文字対応)は一部の自治体・企業などで導入されていました。 感染防止を契機に普及期に入った遠隔通訳(手話・文字) 2020年に入ってから、新型コロナウィルス(COVID-19)の蔓延によって、感染防止の観点から、遠隔通訳という形態にスポットライトがあてられるようになってきまし

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                                  • きこえない私が痛感した自立をさまたげる社会の大きな壁

                                    電話で本人の声じゃないとダメという不条理なルールはもうやめて欲しい 生まれつき耳がきこえない私は、自分で電話をかけることができません。 例えば、次のような「手続き」や「相談」をすぐしたい時に、電話をかける必要があるが、それができません。 ・クレジットカードを解約したい。 ・ポイントカードを再発行して欲しい。 ・申し込んだセミナーをキャンセルしたい。 ・宅急便の再配達を本日中にして欲しい。 ・熱が出たので、コロナ感染の疑いがあるが、どうすれば良いか教えて欲しい。 こういっ

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