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感謝と振り返り:2023年の私的ベスト10

 2023年も間もなく終わりを迎えますね。皆さんにとって、どのような年だったでしょうか。私個人としては、非常に充実した一年でした。多くの方々からのご支援を受け、情報アクセスの困難さやコミュニケーションの障壁の解消に少しでも貢献できたと思います。また、厳しい暑さの中で健康を保てたことにも感謝しています。

そこで、今年一年を振り返り、特に印象深かった10の出来事を選んでまとめてみました。

(1) 初の単著「マイノリティ・マーケティング」上梓

 5年間の構想と1年間の執筆を経て、この本を刊行できたことは、計り知れない喜びです。上梓後、明晴学園やろう塾などで次世代のチェンジメーカーとなるための必要な知識を提供する機会に恵まれたこと、また様々な場所から声をかけていただき、マイノリティが声を上げやすくするための工夫について伝えることができたのは、非常に有難いことでした。

(2) TV出演「ハートネットTV #ろうなん」「ナンブンノイチ」

 さまざまな経緯を経て、予期せぬ形で出演の機会が訪れました。医療現場における手話通訳の問題点を発信するという貴重な機会を得ることができ、感謝です。

(3) 国連ビジネスと人権の作業部会 プレゼンテーション

 国連ビジネスと人権の作業部会主催のヒアリング会において、障害者当事者として、ビジネスにおける人権上の問題に関するプレゼンテーションを行いました。この役割には大きなプレッシャーが伴いましたが、重要な視点を提供する貴重な機会でした。

(4) メディアにおけるろう・難聴者の描写に対する問題提起

 ドラマ「silent」における不適切な表現がきっかけで、メディアにおけるろう者・難聴者の描写に関する問題を、有志の仲間たちと共に提起しました。その経緯を雑誌『福祉労働』に寄稿しました。メディアが今後、ろう者や難聴者を適切に表現することを切に願っています。

(5)「デフ・ヴォイス」当事者表象で大進展

 多くのろう者・難聴者が出演したことは、一視聴者として非常に嬉しい出来事でした。また、当事者ならではのリアリティ溢れる演技に感動し、その勢いでブログに感想をまとめました。

(6) 「A11y Tokyo Meetup」登壇

 アクセシビリティ界で有名なミートアップに登壇し、そのプレゼンテーションを英語圏の多くの方々にも視聴していただけたことは、私にとって非常に貴重な経験となりました。

(7) 「国際人権アカデミー2023」登壇

 人権に関心を持つ学生やNPO関係者を対象に、聴覚障害者が直面する人権上の問題点、特に言語権とアクセス権について話す機会を得られたことは、非常に感謝しています。この講演を通じて、私自身も人権に関する理解を深めるきっかけとなりました。

(8 ) 「ニーズシーズマッチング交流会2023」登壇

 障害者支援機器の開発関係者を対象に、聴覚障害の特性やニーズについて話す機会をいただいたことに、心から感謝しています。この講演を通じて、聴覚障害者のニーズを深く洞察し、それを明確に可視化するきっかけとなりました。

(9)「佳子さまペルー訪問手話誤報」

 秋篠宮ご夫妻の次女、佳子さまが南米ペルーを公式訪問された際、地元のろう学校の生徒たちとペルー手話でコミュニケーションを取られました。しかし、一部のテレビや新聞が手話を「スペイン語の手話」と誤って報じたことについて、私は非常に残念に思い、この問題をブログで取り上げ、マスコミ関係者に提起しました。その結果、東京新聞や朝日新聞からの取材を受け、記事化されました。読売新聞では訂正記事が掲載されました。この一件が手話に対する正しい理解の普及につながることを願っています。

(10)「M-1グランプリ」で初の字幕

 年末に恒例となるバラエティ番組として、日本一の若手漫才師を決定する『M-1グランプリ』が開催されています。これまでは高度な掛け合いにより、字幕の付与が技術的に難しいとされていましたが、今回は初めて字幕が提供されています。この驚きの変化について、私の感想をブログに記しました。

この一年間に、本記事には挙げきれないほど多くの印象深い出来事がありました。皆さんにとっても忘れられない出来事があったことでしょう。来年が、皆さんにとってさらに充実した素晴らしい年になることを心から願っています。

あらゆる人が楽しくコミュニケーションできる世の中となりますように!