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民藝とは~真の美に迫る〜

こんにちは。今回は私の美に関する意識の変化のもとになった考えである民藝について、私の意見も踏まえながら解説していこうと思います。

この記事は今後の僕のnoteにおいてとても重要なものになるので、ぜひじっくり見返したりして頂ければと思います。

また、私もまだ民藝の思想について全て理解しているわけではないので、どうか温かい目でご覧頂けるとありがたいです。


1.民藝とは


民藝とは、「民衆的工藝」の略で、柳宗悦が生み出した思想です。職人の手によって生み出された工芸ということです。

ここで民藝(運動)という言葉をネットで調べると次にように説明されます。


「日常的な暮らしの中で使われてきた手仕事の日用品の中に「用の美」を見出し、活用する」
                                                           wikipediaより


このように、日常の中で用いられる、茶碗や湯呑みなどの陶器などの雑器及びその他日常生活での利用に即した工芸品に美を見出す、これが民藝の精神であるのです。


例えばこの写真をご覧下さい

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引用: https://tea-ceremony-tokyo.club/%E5%A4%A7%E4%BA%95%E6%88%B8%E8%8C%B6%E7%A2%97%E3%80%8E%E5%96%9C%E5%B7%A6%E8%A1%9B%E9%96%80%E3%80%8F%EF%BD%9C%E4%BA%95%E6%88%B8%E8%8C%B6%E7%A2%97/

一見色がくすんで汚い茶碗だと思うのですが、実はこの器朝鮮から渡ってきた大井戸という、器の世界では最高評価に値する名を持っており、"喜左衛門井戸"という名前で茶の世界では知られています。

どうでしょうか?銘がなければ人は騙されるものです。
しかし、この器を色とか形とか造形という視点で見るのを一旦やめてみたらどうなるでしょうか?実際にこの器を使っている場面を思い浮かべるのです。


滑らかな曲線は飲み口に優しくあたり、器は飲み口に囲む手のひらにフィットしそうです。くすんだ茶色は余計にお茶の色を意識させるだろうか...


民藝という言葉を生み出した人物である柳宗悦は「民藝は健全の美である」と述べています。

人々の生活に即した美であるということですね。


2.柳宗悦とは

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引用: https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E5%AE%97%E6%82%A6

ここで民藝という言葉を生み出した柳宗悦とはどのような人物であったのか軽く紹介します。

柳宗悦は1889年に海軍少将の父の子として生まれました。父は博物学に精通しており、父の収集癖が宗悦にも遺伝したのではないでしょうか。

とても頭がよく、現在の東京大学文学部に入学したのち、文人の雑誌である白樺に最年少で記事を投稿するなど文学界にも関係しておりました。

当初西洋哲学について研究していた宗悦はだんだんと美術の分野へと傾倒していきます。

そのような流れの中で、宗悦は朝鮮の変に作りこんでいない陶磁に出会い、その美しさに惹かれるようになりました。

当時、朝鮮といえば日本の配下にあり文化面においても下に見られることが多かったのに対し、柳はその時代の流れに逆行して朝鮮の工芸について盛大に評価をしました。

そうして、日本の工芸にも注目するようになり、「民藝」という言葉を生み出し、共感する仲間と共に民藝のあるべき姿を模索する人生を送りました。


以上が簡単な柳の生涯です。


3.神社美における民藝の可能性

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ここまで民藝について話してきましたが、ここでひとつ疑問が生まれるはずです。

「で、この民藝ってやつと神社美とどのように関わってくるの?」

最後にこの疑問について述べたた後に終わろうと思います。

これまで神社の美について様々な見解を述べてきました。神社建築そのものの美しさ、周りの自然の美しさなどです。しかしこれらはほぼ視覚情報です。

視覚情報というのは、写真や映像などにおいても得ることが出来ると思います。

しかし、私は神社の美は写真や映像では味わうことのできないものであると思います。

確かに神社に夕日が差し込む写真などとても美しいと感じますが、それは神社単体の美しさについて感動しているのではなく、夕日というものが介入した上での美であり、もし神社単体の美が少しでも入り込んでいるとしても、それは実際に見ることに勝るものでは無いと思います。

実際に見る、神社で言うとすなわち参拝するということになります。つまり、神に拝むということになると思います。

この「神に拝む」という行為、よく考えてみると神社における「用」では無いでしょうか。神社に参拝するのはなにかお願い事などがあってのことであると思います。

つまり、神社の美というのは神社の「用」の美であり、それは正しく民藝であるということです。

以上、これらのことはまだ証明途中の段階にある仮説なので、面白いなぁなどと思っていただけたら嬉しいです!


4.まとめ

ここまで民藝の基本的な考え方から、神社の美とどのように関わってくるのか考察してきました。現在東京国立近代美術館で「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」という展覧会が開催されておりますので、是非今回の記事で民藝に興味を持たれた方は訪れてみてほしいです!あと、民藝は用の美であるので、実際に民藝を日用品として使いたいと思った方は「諸国民藝 たくみ」というお店にも是非出かけてみてください。必ず至上の美を感じる品と出会えるはずです!

ここまで読んでくださりありがとうございました。今回はおまけはなしです。なかなか記事を書く時間が取れず時間が空いてしまいますが、次の記事でもよろしくお願いします。


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