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#7 Masato Kume : 夢の実現への最短経路が起業だった - Interview with Beatrusters

アーリーステージのスタートアップ Beatrust の社員、通称 "Beatrusters" へのインタビュー記事の連載企画 Interview with Beatrusters。第七回は、Beatrust の共同創業者  Masato Kume / 久米雅人さんにお話をうかがいました。

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Masato Kume

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慶應義塾大学法学部政治学科卒業。株式会社アサツー ディ・ケイを経て、2011 年よりグーグル日本法人入社。デジタルマーケティングの実行支援及びスタートアップ投資やパートナーシップ業務を担当後、2020 年 Beatrust を共同創業。

Masato さんの趣味はありますか?

#自転車 #読書 #ギター #ピアノ

自転車に乗るのが好きで、オフィスのある品川までの片道 10 km、往復 20 km を毎日のように乗っています。休みの日も電車や車に乗らずに自転車に乗ることが多くて、自転車で 3, 40 分くらいで行けるところに行きますね。あとは読書です。大体 10~20 冊積ん読になっていて、それを週末に消化しています。小学生の頃からピアノやギターをやっていたので楽器演奏も好きなのですが、一人で演奏するよりは皆で合わせることが好きなのでコロナが落ち着いたらまた社内でバンドを組んでライブとかもやりたいな、と思っています。

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「おやじと子どもフェスタ」でギターを弾く Masato さん。是非オフィスでも披露していただきたいです。

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Masato さんが会社を始めようと思ったきっかけは何だったのですか? 

インターネットが出てきたことによっていろんなビジネスの仕組みが様変わりしましたよね。僕が小学生の頃から比べても大きく変わりましたし、社会人になってからも大きく変わりました。ちょうど自分が大学生くらいの頃に Google が日本でも有名になってきて、インターネットの世界のスピード感とか、ゼロから新しいものを作る人たちがいる世界というのは、ある種の憧れがありました。一方で、自分が起業する時には単なる憧れから起業したいというわけではなく、何をするために起業という方法を取るのかがすごく重要だなと思ったんです。

もともと社会人になって働き始めてから、「仕事ってもっとこういう風に改善できるんじゃないか」とか、「こういうところをよくしたらもっと成果が出るのではないか」と感じることがたくさんありました。その後、Google に 2011 年に転職した時に衝撃を受けたんです。今まで自分がもっとこうした方がいいなと考えていたことが、テクノロジーの力や会社のカルチャーを醸成することでどんどん実現できるような風土が形成されている職場だったんですよ。しかも優秀な人もたくさんいて事業もすごく伸びている。例えば、個々の社員の可能性を信じて会社がある程度自由に働かせるようなスタイルや、部門や役職を越えてコミュニケーションが活発に行われているような環境です。その時から、そんな働き方を実現したいと思っていたり、やりたくてもなかなか難しいと感じていた会社ってたくさんあるのではないかなと思うようになりました。じゃあそれを実現するためにはどうしたらいいのかと因数分解していった時に、同僚がどういう人なのかを社員同士が理解して、気軽にコンタクトが取れる、そういう関係を作ることが必要ではないかと思い、創業に至りました。漠然と「起業してみたい」という思いはずっと持っていましたが、自分が「こうだったらいいのにな」と思う世界を実現するために、Google にいた頃もいろいろな活動に参加させていただいたり、仕事を通じて多くの機会をいただいたのですが、「実現するなら起業という選択肢が一番近道なのではないか」と思ったのがきっかけです。

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クライアントの期待に答える営業時代の Masato さん 🦢 @サンフランシスコ ユーモア満載でいつも社員を笑顔にしてくれます。

色々試行錯誤があったと思いますが、どうして toB 向けの今のサービスになったのでしょうか?

元々やりたいと思っていたのは、誰でも持っている様々なスキルや経験・知識をもとに、必要な人にアドバイスやサポートができる環境を作ることでした。最初に考えていた toC 向けのものは自由度が高く、誰でも参加ができるのでネットワークが成長しやすい反面、やはりヒアリングを通して世の中に求められているものを考えると、誰でも参加できるのではなくて、より「クオリティの高いネットワーク」へのニーズがあると感じました。今現在あるプロフェッショナル SNS のサービスなどでも、ユーザーの自由度が高すぎると経歴を詐称してあたかもその会社にいるように振る舞ってコンタクトしてくる人がいると聞いていました。更に誰でも入れるネットワークは匿名による誹謗中傷など、本来思っていたところと違うネットワークになってしまって、どんどん善意の参加者たちが参加しなくなっていくという課題があると考えていました。

そこで様々な企業にインタビューしていくと、むしろ大企業の中でこそ、誰がどこでどういう仕事をしているかを知ることで業務の可能性を広げたい、というニーズが大きいことがわかりました。企業というのはある種の枠に守られている領域なので、一定の安全性や信頼性の担保っていうのがあるじゃないですか。そこでまず最初に取り組むべきフェーズとして、企業向けの信頼できるネットワークを作ろうと思ったのが最初ですね。

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Beatrust で今後チャレンジしたいことや実現したい夢はありますか。

今まで能力やスキルがあるけれども人前に出てアピールをしたり、周りから認知をされたりしていなかった人が、自分から少しずつできることや貢献できることを共有していくことによって、周りがそれを認めてくれたり発見されたりして、その人にとって新しい機会が生まれていくという体験を、いろんな会社の中で作っていきたいです。

そして将来的には、その人自身が新しい機会が生まれた経験を他の人にも伝えていって、たくさんの人がそれを経験していくような波及効果が生まれるといいなと思っています。
さらに次の段階で、企業という枠組みを超えたところで、その人が持っているスキルや経歴によって評価されて、それを他の会社や組織から求められるような、そんな社会インフラを作っていきたいと思います。

今 Beatrust を使ってくださっている企業の皆様も、同じ分野のプロジェクトに取り組むことがあれば、その企業同士が自由に繋がっていいんじゃないかと思うんです。Beatrust を使っていたら、企業同士が自由にお互い交流しあって、プロジェクトを立ち上げて、仕事にすることも可能になる。でもそれを実行するときに、その人がどういう研究をやっているかとか、どういう仕事をやっていたかっていうのを、最初からある程度理解した状況じゃないとその人に話しかけていいかわからないですよね。現状は、とりあえず誰が担当者かわからないけど連絡して聞いてみる、そこが全然違う窓口だったとしても時間をかけたり人を伝って探していけば見つかるんですけど Beatrust は誰でも検索すれば一瞬でその人同士が繋がれます。そんな環境作りを企業を越えたところで実現できれば、真のオープンイノベーションになると考えています。

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Google 時代、プラハでの仕事経験もあるそうです。

個人的な夢というか将来の話をすると、いつかバックパッカーやってみたいなとか、もう少し教育領域であったり、学校や若い人たちに対してどのような経験や知識を社会が提供していけるかみたいなプロジェクトをやりたいなとは思っています。

今は「自分があんなふうになりたい、こういう人間になりたい」からそのために動く、というよりは、周囲の人とか、世の中の仕組みに少しでもはたらきかけることによって、自分のやったことが間接的に「Beatrust があってよかった」と思っていただける人が増えるような仕事に取り組みたいという思いが強いです。

オスカー・ワイルドの小説に「幸福の王子」という話がありますよね。町の中に立っている王子像が博愛の心から貧しい人たちにツバメに頼んで自分の像に付いている宝飾品などを分け与えて、最後は溶かされてしまい誰からも感謝されないのですが、最終的に天国で報われるという。王子にはインターネットがなかったのでそうした活動をしているということを誰にも伝えることができませんでしたし、仲間を募ることも難しかったわけですが、今は会社であったり個人の活動や理念を共有することがとてもやりやすくなり、それによって正当な評価を受けられるようになったり、支援をする人が現れるような時代になってきましたよね。Beatrust も「こういう活動を行っている会社なら是非支援してみたい / 一緒に仕事をしてみたい」と思ってもらえるような会社にしていきたいと思っています。 たまたま Beatrust を始めたのが僕や CEO の原ですが、この会社がやろうとしていることが思念となって残り続けて、いろいろな人が「それ自分も思ってた」「それやりたいなと思っていた」と共感していただけて、一緒に活動してくれるようなことができればとても素晴らしいなと思っています。

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Beatrust の魅力はどんなところにあると思いますか?

わからない / 難しい課題を無理に単純化することもせず、わからないなりに答えを深く考え抜いていくことが好きなメンバーばかりであることは大きな魅力だと思っています。世の中にはやり方が決まっており、それを踏襲していくことを求められる仕事も存在する一方、抽象度の高い仕事もあります。例えば事業の企画だったり、新規の事業創造だったり。あとは一人の力で突破していく仕事ではなく、多くの人が関係者となって進んでいく仕事は変数がとても多く、そこで課題とされている問題はすごく抽象的なケースが多いと思うんですよね。なのでそうした諸課題に対してフレームなどをあてはめて、シンプルにしていくことに価値があるというのはもちろんあると思いますが、やっぱり世の中には、どちらとも取れない答えのないことってたくさんあると思うんですよね。こっちもいいけれどこっちもいいよねとか、単純にしちゃうと全然意味が通じなくなってしまう、複雑なまま残っていることっていっぱいあると思うんですよ。例えば物凄い日常的な事例になってしまうかもしれませんが、「明日の晩カレーライス食べる?ハンバーグ食べる?」この質問って別に正解ってないじゃないですか。そこでは人が自由に意思決定しているから別にロジックがないんです。でもここに「コスト」っていう補助線を引いた瞬間に、カレーライスが 800 円でハンバーグが 1000 円だったら 800 円のカレーを食べようよとなりますよね。でも「本当はハンバーグが食べたい」なんてことが普通にあるわけで。もちろん「お金のコスト」というヒントを持ち出して答えを出していくのはビジネスのプロセスとしては間違っていないと思うんですが、前提として「結論はない / わからない」と理解しているからこそ悩むことって多いですよね。

これについては個々人の考え方や状況、生きているフェーズによって答えが違うことは当たり前です。Beatrust はそんな答えがわからないことを考えるのが好きな人が集まっている会社だと思っています。物事をシンプルにした瞬間に閃いたりする瞬間って自分もたくさんありますが、それだとやっぱり解決できないことがあるなって気付くことも多いです。抽象的なものと具体的なもののバランスを取らないといけない場面が訪れた時に、それに自分なりの答えを出せる人が次の時代の新しいものを作っていくんじゃないかと思うし、特にうちの会社はそういう感性が鋭い人が集まっていると思います。悩んでいることはとても健康だと思っていて、悩みながら歩いていく人が多いのが、 Beatrust の魅力だと思います。

ズバリ、これから Beatrust に入社していただいて、一緒に働きたいのはどんなひとですか?

自分が住んでいる社会を”与えられたもの”だと思って過ごしていくのではなく、”変えていくもの”だと思って生きている人と働きたいです。歴史を紐解くと理解できるように、今の社会はあくまでも人々が作ってきたものの上に成り立っている地続きのものであって、これまでの人々の思想とか行動の蓄積によって成り立っていますよね。逆にいうと、今の時代も、今いる人たちで変えられる。だからそんな変化を起こしていくことに対して楽しみを感じられる人というか、これは与えられたものじゃなくて自分が変えていくものなんだと考えられる人、それは別に国のシステムを変えろとかそんな大それた話ではなくて、周りにいる人たちの小さな成功を支援したり、環境を良くしていったり、自分が所属している小さいコミュニティに対して貢献をしていくことで少しの変化を起こすであったり、そういうことに意識を向けていけるような人がいいなと思っています。

自分が起こす小さな変化によってゼロをプラスに変えていくことに楽しさを感じるような人とぜひ働きたいなと思っています。

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いかがでしたでしょうか?Beatrust は、2020 年に創業して以来、様々なグローバル企業やスタートアップなどで経験を積まれたメンバーが、お互いを刺激し合いながら日々仕事をしているアーリーステージのスタートアップです。次回の社員紹介の連載もお楽しみに。

ご興味をもった方は、ぜひほかのメディアや、Beatrust に関するニュースリリースもご覧ください!また、取材依頼やそのほか本記事に関するお問い合わせは marketing@beatrust.com までお願い申し上げます(現在取材などのご依頼が非常に多いため、ご回答までお時間をいただく場合がございます。)

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